TOUR RESULT

2019.05.16 - 05.19

全米プロゴルフ選手権

全米プロゴルフ選手権
全米プロゴルフ選手権

6位タイから崩れての悔しい16位タイ
間近で見た、勝つための “良いお手本”

今年1月以来となる
20位以内での初日スタート

 32位タイに終わったマスターズ・トーナメントから約1カ月。雪辱を果たすべく、松山英樹はメジャー第2戦、「全米プロゴルフ選手権」へとやってきた。場所は、ニューヨーク州のベスページ州立公園ブラックコース。2002年と2009年に全米オープンが開かれ、モンスターコースとして恐れられた18ホールだ。松山いわく、前週のAT&Tバイロン・ネルソン選手権に比べてフェアウェイは「3分の1くらいの狭さ」で、「ここまで深いラフも久々です」というセッティング。

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アップダウンが大きく、グリーン手前に花道がないホールも多いから、方向性に加え、距離もしっかりと出さなければいけない。安易な攻めは通用しない。

 ただ、松山も2週続けての実戦を経て、入念な調整を重ねてきた。「ショットの状態は悪くないですが、劇的に良くなっているわけでもないです。自分に期待している部分と不安な部分が両方あります」と現状を評したが、もちろん期待のほうが大きかったに違いない。

 迎えた初日。その期待に反し、前半9ホールは松山のエンジンが中々かからなかった。インスタートから2ホール目の11番で4mを沈め、バーディーが先行したが、続く12番では左ガードバンカーから32ヤードの3打目が9mを残してボギーを献上。14番で3パット、17番でも3m強のパーパットが決まらず、2オーバーと苦しい立ち上がりとなった。

 しかし、後半でしっかり巻き返してきたところに、松山の仕上がりの良さが見えた。1番で99ヤードの2打目をショートサイドのグリーン左ラフに入れ、4つ目のボギーを叩いたが、続く2番からラッシュが始まった。

132ヤードの2打目を30cmにつけるスーパーショットで1打を返すと、パー5の4番では、218ヤードの2打目をユーティリティでグリーン手前のラフまで運び、3つ目のバーディー。5番で、右ガードバンカーから16ヤードの3打目をグリーンに乗せられず、5つ目のボギーを喫したが、意に介さない。6番で137ヤードの2打目をピン奥3mに絡めて2度目のバウンスバックを果たすと、最終の9番では194ヤードの2打目をピン手前2.5mにつけ、バーディーフィニッシュを決めた。トップとは7打差だが、イーブンパーで17位タイ発進。初日を6位タイとし、最終的に3位タイになった1月のファーマーズ・インシュランス・オープン以来となる20位以内での初日となった。

「アンダーパーで回りたいという思いはありました」と言いながらも、松山の表情には明るさがあった。各スタッツは、パーオン率こそ55.56%も、フェアウェイキープ率は85.71%、ストロークゲインド-パッティングは1.784と、悪くない。「明日もフェアウェイに置いて、グリーンに乗せることが大事になります」と、気を引き締める冷静さも忘れていなかった。

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 2日目では、「ショットがあまり良い感触ではなかったです」と反省したものの、言葉通りにパーオン率を71.43%まで引き上げてきた。これなら、自ずとボギーは減る。出入りは少なかったが、松山は堅実にホールを進めていった。

 最初にスコアが動いたのは、4番。グリーン左奥のコレクションエリアから16ヤードの3打目をバンプアンドランで1.5mに寄せて、バーディーを先行させた。8番では、1打目をグリーン右のネイティブエリアに打ち込んだが、左足下がりのライから、23ヤードの2打目を1m強に寄せ切った。9番では、ピン右奥から6.5mの右に曲がる下りのラインを読み切り、2つ目のバーディー。前日とは違い、ボギーフリーの2アンダーで折り返した。

 危なかったのは、11番。右フェアウェイバンカーから139ヤードの2打目で9番アイアンを振り抜き、前方のアゴをクリアしようとしたが、「普通に打てば越えるか越えないかという所で、薄く当たってしまいました」というショットとなってボールが消えた。捜索時間をぎりぎりまで使って懸命に探した結果、ボールは先の土手の深い草の中に見つかった。3打目でフェアウェイに戻し、82ヤードの4打目をピン左奥2m強に寄せて、このホールを5打で収めた。「よくボールが見つかってくれました」と胸をなで下ろした。

 このナイスボギーが、12番に繋がった。221ヤードの2打目をピン手前5mにつけてバウンスバック。その後、13~16番で迎えたチャンスを決められなかったものの、この日は2アンダーをマーク。首位とは10打差に広がったが、10位タイで予選2日間を通過した。

「欲を言えば、あと1個か2個、バーディーを取れたのかなという感じはありますけど、それでも悪くない2日間だったと思いますし、これを活かしていけるようにしたいです」

「こういう風が吹いた時でも、
雨が降った時でも出来るように」

 あとは、ひたすら上を目指すだけの決勝ラウンド。3日目の松山は、1番から早速バーディーを奪っていった。103ヤードの2打目をピン手前4m弱につけ、左に曲がるラインを強めのタッチで沈めた。しかし続く2番は、この日一番のピンチとなった。ユーティリティでの1打目を左に曲げて深い草の中に打ち込むと、「どこに行ったかわかりませんでした」という2打目は、20ヤードほど進んだだけに。3打目はフェアウェイにボールが戻り、83ヤードの4打目はピン手前2m。

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これを入れて、2日目の11番同様、ナイスボギーになったと言えた。4番で、73ヤードの3打目をピン奥1m強につけ2つ目のバーディー。

 後半へと折り返して11番では、168ヤードの2打目がグリーン左奥に転がり、ギャラリーのビニール袋の上で止まった。しかし、ハプニングに動ずることなく、松山は12ヤードの3打目を、ワンクッションを入れるアプローチで1mにピタリ。パーをセーブした。

 続く12番で2mを外し2つ目のボギーを喫したが、13番で2.5mを入れてバウンスバック。15番でも、3mのパーパットがカップ右に一筋ずれたが、上がり2ホールでの見事なお返しだ。17番では、4m強の右に曲がるバーディーパットを流し込んだ。最終18番では、145ヤードの2打目をグリーン右奥のピンに対して度胸良く突っ込みほぼ左ピンハイ2.5m。わずかに右に曲がるラインも読み切った。この日の2アンダーは、2人のベストスコアである3アンダーに次ぐもの。通算4アンダーで、順位は6位タイにまで上がっていた。

 ホールアウト後、「ドタバタして疲れました」と漏らしたが、一定の充実感も見えた。

「この内容からしたら、これ以上ないゴルフをしていると思います。明日はもう少し楽にスコアを伸ばす展開になるよう、頑張りたいと思います」

 首位のブルックス・ケプカ(アメリカ)とは8打差。奇跡も、微かに見えるのだろうか。

「ケプカ次第ですけどね。自分のやれることをやって終わりたいですね」

 最終日。ベスページは前の3日間とはまったく違う顔を見せた。強風がプレーヤーたちを自由にさせない。結果的に見れば、トップ7に入った選手の内、この日アンダーパーをマークしたのはたった1人だった。松山はホールアウト後、スタート前の心境を、「ケプカも落としてくるんじゃないかと思いました」と振り返った。優勝を諦めてはいなかった。

 しかし松山も、この難コンディションに飲み込まれていった。フェアウェイキープ率は42.86%、パーオン率は33.33%まで落ち込み、「自分のやれること」をやり切ることは出来なかった。2番で2.5mを沈めて、バーディーを先行させたが、続く3番で2.5mのパーパットが右に切れ、さらに5番のダブルボギーが決定的だった。1打目からネイティブエリアを2回渡り歩き、1.5mのボギーパットも決まらない。この時点で、「上との差を考えたときに、きついなという感じがありました」と、気持ちが乗らなくなっていった。

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 6番でもバンカーからの3打目が7mオーバーして、2つ目のボギー。8番では、1打目をピン筋に飛ばして奥4.5mにつけ、2つ目のバーディーとしたが、反撃の狼煙とはならない。9~11番で3連続ボギーを喫すると、16番では212ヤードの2打目で長いフェスキューにヘッドが返って左のラフに引っ掛かり、3オンのグリーン上でも3パット。2つ目のダブルボギーで、トップ10さえも遠のいた。

 17番で、1打目がピンに当たるスーパーショットとなり、1m強を沈めて3つ目のバーディーとしたものの、最終18番でも2m強のパーパットが右に切れていき、ボギーは計6つを数えた。この日のスコアは7オーバー。通算3オーバーで順位は16位タイにまで沈んだ。

「耐えるゴルフを強いられた時点で、こういう結果になっても仕方ないのかなと思います。いいショットを打ってもなかなか結果に繋がらなかったり、しんどい1日でした」

 優勝スコアは最終的に8オーバー。もし、松山が最終日に4アンダーをマークしていれば、プレーオフに行けていた。この日のベストスコアが2アンダーだから、可能性がないわけではなかった。これに関して、間近で良いお手本を見ることも出来た。最終日に同組だったダスティン・ジョンソン(アメリカ)のプレーだ。途中、この日のスコアを3アンダーまで伸ばし、トップのケプカにプレッシャーをかけた。

「予選2日間、ティーショットが安定していて、その2日間出来たということは、ちょっとずつ進歩してきているのだと思いますし、パッティングに関しても、徐々にいい方向に来ていると思います。それを、こういう風が吹いた時でも、雨が降った時でも出来るようになれば、今日のDJ(ジョンソン)のように安定して、差があっても追いつける雰囲気をつくれるんじゃないかなという感じはありました」

 メジャーで勝つプレーのイメージは、松山の中に今回のものも含めて、すでにたくさん蓄積されている。残っている問題はいかにそれを早く自分で再現するか、だけなのだ。

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スコアボード

HOLE
Par
ROUND4
ROUND3
ROUND2
ROUND1
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 T
4 4 3 5 4 4 4 3 4 4 4 4 5 3 4 4 3 4 70
4
E
3
-1
4
E
5
E
6
2
5
3
4
3
2
2
5
3
5
4
5
5
4
5
5
5
3
5
4
5
6
7
2
6
5
7
77
7
3
-1
5
E
3
E
4
-1
4
-1
4
-1
4
-1
3
-1
4
-1
4
-1
4
-1
5
E
4
-1
3
-1
5
E
4
E
2
-1
3
-2
68
-2
4
E
4
E
3
E
4
-1
4
-1
4
-1
4
-1
3
-1
3
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-2
5
-1
3
-2
5
-2
3
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4
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4
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3
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4
-2
68
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3
3
2
3
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4
1
5
2
3
1
4
1
3
1
3
E
4
E
3
-1
5
E
5
E
4
1
4
1
4
1
4
2
4
2
70
E

リーダーズボード

Pos Name
1 ブルックス・ケプカ
2 ダスティン・ジョンソン
3T ジョーダン・スピース
3T パトリック・カントレイ
3T マット・ウォリス
6 ルーク・リスト
7 カン・スン
8T ゲーリー・ウッドランド
8T マット・クーチャー
8T ロリー・マキロイ
8T シェーン・ローリー
8T エリク・バン・ローイェン
8T アダム・スコット
16T 松山英樹
Total Thru Round R1 R2 R3 R4 Strokes
-8 F 4 63 65 70 74 272
-6 F -1 69 67 69 69 274
-2 F 1 69 66 72 71 278
-2 F 1 69 70 68 71 278
-2 F 2 69 67 70 72 278
-1 F 4 68 68 69 74 279
E F 2 68 70 70 72 280
1 F -2 70 70 73 68 281
1 F -1 70 70 72 69 281
1 F -1 72 71 69 69 281
1 F -1 75 69 68 69 281
1 F 3 70 68 70 73 281
1 F 4 71 64 72 74 281
3 F 7 70 68 68 77 283

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松山英樹は2014年1月よりLEXUSの所属となりました。