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2019.04.11 - 04.14

マスターズ

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期待を持って臨んだ一戦で32位タイ
ここ3カ月にはなかった「感覚のズレ」

「ピンポイントに打たなければいけない
打てるかどうか、不安しかない」

 8回目を迎える松山英樹の「マスターズ・トーナメント」。メジャーで言えば、もう26回目となる。そのうち、トップ10は7回。2017年の全米オープンゴルフ選手権では、2位タイにもなった。そろそろ本当に、“一番上”の成績が欲しい。

 しかし、開幕前の火曜日、松山が口にしたのは、「不安」だった。前戦のWGC-デル・テクノロジーズ・マッチプレーでは、予選グループ最終戦で、世界ゴルフランキング1位だったダスティン・ジョンソン(アメリカ)を撃破。

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「自信を持ってもいいと思います」と語っていたが、その力強さは消えていた。要因は、「風邪をひいて寝ていました」という体調不良。自ずと練習量は、減ってしまった。

「練習ラウンドは1、2回。感覚もありませんでした。オーガスタは、ピンポイントに打たないといけませんが、そこに対して打てるかどうか、不安しかありません」

 これまで、ネガティブな面を結果で何度も打ち消してきた松山だが、今回はあからさまなほどに、不安が初日のプレーに表れてしまった。ティーショットを制御できず、3ホール連続で右に出る。いずれもパーオンを逃し、思いもよらない3連続ボギーを喫した。

 5番では、194ヤードの2打目をピン右60cmにつけるスーパーショットで初バーディー。しかし、攻撃は単発だった。7番では4mのチャンスがカップ右に抜け、8番でも2.5mでボールがカップ右を通過していく。

 折り返して10番から、傷口はさらに広がった。2打目をグリーン右のバンカーに打ち込むと、脱出に2打を要し、痛恨のダブルボギー。続くアーメンコーナー最初のホール、11番でも2オンを逃し、アプローチも7mを残して、この日4つ目のボギーを叩いた。

 ようやく2つ目のバーディーが来たのは13番。209ヤードの2打目をグリーン奥まで運び、11ヤードの3打目をベタピンに寄せてスコアを4オーバーへと戻す。しかし、それでも反撃開始とはいかない。続く14番のティーショットは左に出て木に当たり、ピンまで173ヤード。前方の木の枝がスタイミーとなるため、低く打ち出したが、フェアウェイを転がったボールはグリーンに乗ってから右に方向を変えて、ピンの手前3mへ。ただ、この望外のラッキーを生かせるほどの勢いが、この日の松山にはない。バーディーパットは、またしても右へと切れていった。

 バーディー必須のロングホールである15番を、2オン2パットで収めて1打を返したが、残る3ホールでチャンスは演出できず、通算3オーバー。トップとの差はいきなり8打もついた。優勝争いどころか、63位タイで、2014年大会以来となる予選カットも気になる位置。不甲斐ないスタートに、言葉は少なかった。

「良いプレーが出来たら、と思っていたが、ずっと停滞したままでした」

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 3番までに続き、4番でもティーショットが右に出て、バンカーに入れた際には、「もうパーを取れないんじゃないか」とまで思ったと言う。

「パープレーくらいまで頑張って戻そうと思ったんですが、それをする力もなかったです」

 しかし、うなだれてばかりもいられない。松山はこの日のプレー後、約2時間の打ち込みを敢行。必死に立て直しを図った。2日目は絶対に、アンダーパーのスコアが欲しい。

 明けて金曜。出だしの1番でティーショットが左に大きく外れ、隣の9番に打ち込んだときには先行きが心配されたが、「あそこまで曲がってくれると、逆に打ちやすいのでラッキーでした」とパーをセーブ。その後、状況は改善していった。2番でグリーン右手前バンカーから1m強に寄せてバーディーとすると、8番では46ヤードの3打目アプローチを1.5mにつけて、2つ目のバーディー。折り返して11番では、26mから3パットで初ボギーとなったが、続く12番で1打目をピン右手前4mに運び、3つ目のバーディーを奪う。

 13番では、松葉で埋め尽くされたライからの2打目をクリークに入れ、再び1打を献上。

「行けると思ったんですけど、結果的にボギーにしてしまいました。ジャッジミスです。スイングも普通には出来ない状態でした」

 だが、この日はボギーの分をバーディーで返す力があった。荒天による中断を挟み、15番では2.5mのチャンスを沈める。16番で1打目をグリーン右奥のバンカーに入れ、3つ目のボギーを叩くも、最終18番では167ヤードの2打目を左ピンハイ4mに運び、5つ目のバーディー。60台はならなかったが、「70」の2アンダーをマークして、トータル1オーバーまで戻し、46位タイで予選落ちを免れた。トップとは前日と同じく8打差のままだ。

 もちろん、決勝ラウンド進出だけで、松山が喜べるはずはない。

「トップを目指しているので、5アンダー、6アンダーと出せば、差は縮まると思ってプレーしていましたが、うまく行きませんでした」

 確かに、さらに伸ばせる可能性もあった。4番で3.5m、6、9番で2mのチャンスがあったが、いずれもパッティングが右に外れた。

「明日、しっかり伸ばしていけるようにしたいと思います。グリーンに上がる前の勝負がすごく大事になります」

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深く胸に染み入る
タイガー・ウッズの金言

 宣言通り、3日目の松山は、2日目以上にバーディーを重ねた。2番で244ヤードから2オン2パットでバーディーを先行させると、3番では4.5mの左に曲がるラインを沈めた。4、5番ではアプローチを寄せ切れず、連続ボギーとなったが、怯まない。6番では1打目を60cmにつけるスーパーショットを放ち、7番では5.5mを決めて連続ボギーを挽回すると、9番でも149ヤードの2打目を2m。3打を縮めてバックナインへと折り返した。

 13番からは、圧巻の3連続バーディーだ。13番では202ヤードから2オン2パット、14番では129ヤードの2打目を60cmにつけ、15番では3.5mの右に曲がるラインを決めた。この時点で通算5アンダーは11位タイ。ようやく、松山の顔にも微かな笑みが浮かぶようになっていた。さらにスコアを縮めるか、5アンダーのまま終わりたいところだった。

 しかし、18番が松山の表情を再び硬くさせた。グリーン右バンカーから脱出に2打を浪費し、今大会2つ目のダブルボギー。3アンダーで25位タイに浮上も、後味が悪すぎた。

「もったいなかったです。感触よりは結果が今日は良かったので、このまま終われればなと思っていたんですけど」

 首位との差も、とうとう10打にまで広がってしまった。優勝は絶望的な場所へと遠のいた。最終日は、悪天候の予想。それも含めて、いつもなら、「まだ、わからない」と言ってくれそうなところだが、松山から威勢のいい言葉はなかった。

 最後の18ホール。松山は、まるで意気消沈したかのようだった。チャンスは少なく、また、松山らしくないミスも多かった。1番では1打目を右に曲げ、2打目は木の枝の下にあるボールを、しゃがみこんで打つ状況になったが、なんとかパーセーブ。しかし、このプレーで乗っていくことが出来ない。4番では7mのバーディーパットを決めたが、続く5番では16.5mから3パットで、すぐにボギー。8番では36ヤードの3打目を2mにつけ、再びバーディーを先行させたが、10番で181ヤードの2打目をグリーン左に外してまた早々にボギーを喫してしまう。

 誰もがバーディーを重ねてくる13、15番のロングホールも取れない。13番では、パーセーブしたものの、170ヤードの2打目をダフって、グリーン手前のクリークに入れた。15番では196ヤードから2オンも、10mからこの日2度目の3パット。

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 16番では、1打目をピン筋に飛ばし、右ピンハイ1m弱につけて3つ目のバーディーを奪ったが、遅きに失した。72ホール目の18番では、左フェアウェイバンカーから153ヤードの2打目が、前方の高いアゴに当たって2オンを逃し、ボギーフィニッシュ。通算3アンダーの32位タイで、ケガ明けだった昨年の19位という順位も下回った。

「良いところもあれば、悪いところもあったという感じで。そういうのが今週はずっと続いていた。何が原因かちょっとわからない状態です」

 この日のプレーからも見て取れるように、松山の悩みはまた、混迷の度を深めたようだ。

「1月以降、ショットが悪い日もありましたけど、感覚的なズレがここまで大きくなったことはなかったです。今週の練習ラウンドでズレてしまったのが、一番悔しいです」

 それでも、またすぐに試合はやってくる。とにかく、試行錯誤を続けるしかない。

「3カ月、うまく行っていたものが、いきなりここまで悪くなるのには原因があります。ゆっくり考えて、次のメジャーではこういうことがないようにしたいです」

 この日、11年ぶりにメジャーを制覇したタイガー・ウッズ(アメリカ)が言った。

「決して諦めてはいけない。戦いつづければ、乗り越えられる」

 きっと、いまの松山の胸に、深く染み入る金言だろう。

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スコアボード

HOLE
Par
ROUND4
ROUND3
ROUND2
ROUND1
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 T
4 5 4 3 4 3 4 5 4 4 4 3 5 4 5 3 4 4 72
4
E
5
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2
-1
5
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-3
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3
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4
-6
6
-4
68
-4
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3
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2
-2
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4
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4
-2
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-1
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-2
70
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5
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2
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3
3
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5
4
4
4
4
4
3
3
3
4
3
4
3
75
3

リーダーズボード

Pos Name
1 タイガー・ウッズ
2T ダスティン・ジョンソン
2T ザンダー・シャウフェレ
2T ブルックス・ケプカ
5T ジェイソン・デイ
5T ウェブ・シンプソン
5T トニー・フィナウ
5T フランチェスコ・モリナリ
9T ジョン・ラーム
9T パトリック・カントレイ
9T リッキー・ファウラー
32T 松山英樹
Total Thru Round R1 R2 R3 R4 Strokes
-13 F -2 70 68 67 70 275
-12 F -4 68 70 70 68 276
-12 F -4 73 65 70 68 276
-12 F -2 66 71 69 70 276
-11 F -5 70 67 73 67 277
-11 F -2 72 71 64 70 277
-11 F E 71 70 64 72 277
-11 F 2 70 67 66 74 277
-10 F -4 69 70 71 68 278
-10 F -4 73 73 64 68 278
-10 F -3 70 71 68 69 278
-3 F E 75 70 68 72 285

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松山英樹は2014年1月よりLEXUSの所属となりました。

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