TOUR RESULT

2018.06.14 - 06.17

全米オープン

全米オープン
全米オープン

最終日に意地の「66」で16位タイも、
「やらなきゃいけないのは全部」
と課題山積

使用予定のドライバーのヘッドが
開幕前日に割れるアクシデント

 2013年にプロに転向して以来、メジャー出場は20回を超えて、今大会、「全米オープン」で21回目(アマ時代を含めれば23回目)を迎えた松山英樹。昨年は2位タイと、自己最高の成績を収めた大会でもある。会場は、今回で計5回目の開催となる超名門、シネコックヒルズゴルフクラブ。世界の名手たちを苦しめるコースとしても名高い。

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 しかしコース云々の前に、2週前の大会後、「先は真っ暗」と言っていた松山のゴルフの調子はどうなのか。事前インタビューでは、「気持ちだけは前向き」と語っていたから、調整は思ったほどには捗らなかったということだろう。加えて、開幕前日には、使用予定だったドライバーのヘッドが、金属疲労で割れるアクシデントにも見舞われてしまった。

 しかしながら、初日に松山を含めて多くの選手たちを悩ませたのは、やはり難コンディションだった。全米オープンらしい厳しいピンポジションに、練習ラウンド時とは違う方向からの強い風。終わってみればアンダーパーは4人だけで、全156選手の平均スコアは、パー70に対して「76.47」に上った。松山も、序盤から苦しい展開を強いられた。

 10番スタートで、11番では1打目が右手前バンカーに捕まって、2打目も7.5mを残し、ボギーが先行。12番では、177ヤードの2打目をピン左3.5mにつけて、バウンスバックに成功したが、13番では129ヤードの2打目が再びガードバンカーに捕まって、すぐに1打を吐き出した。さらに15番では、1打目が左のラフに捕まり、2打目はフェアウェイにレイアップを余儀なくされて3つ目のボギー。続く16番では、右手前バンカーからの4打目を1m弱に寄せたが、3パットを喫してダブルボギーまで献上してしまった。

 後半も、ボギーこそ7番での3パットによる1つに抑えたが、チャンスも来ない。8番では、3mにつけたが入らなかった。5オーバーで46位タイ。首位と6打差がついた。

 しかし、結果とは裏腹に松山は、「ピンポジションは難しい所もたくさんありましたけど、こんなに打つような内容じゃないのに、という感じです」と振り返った。

「グリーンの硬さ自体はそんなに出ていないですし、どうしようもないという感じではないです。そんなに内容は悪くなかったけれど、スコアにならなかったですね」

 つまりは、自らのゴルフにある程度の手応えが見えたということだろう。

 2日目は、雨混じりの天気が徐々に回復。風も収まった。松山としては、好スコアを出して上位を追いかけたいところだった。実際、内容は前日よりも良化した。フェアウェイキープは11ホールから12ホールに増え、パーオンも9ホールから14ホールにまで伸びた。

 しかし、スコアになかなか反映出来ないのがもどかしかった。1番で1m強のパーパットを外してボギー発進。

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6番で、177ヤードの2打目をほぼ左ピンハイ5.5mにつけて、右に曲がるラインを決めたが、7番では、グリーン脇からの6ヤードのアプローチで、いわゆるチャックリとなって寄せられず、すぐさまこの日のスコアは1オーバーに。

 後半も、ナイスセーブもあれば、わずかにパットが決まらないという場面も続いた。10番では2打目がグリーン手前の傾斜で戻されるピンチとなったが、35ヤードをピン奥4mに乗せて、パーパットをなんとか沈めた。13番ではディボット跡からの142ヤードの2打目を4.5mにつけたが、パットは右を通過。16番では、3打目を自分の身長ほどの高さがあるガードバンカーに入れながら、70cmに寄せてパー。最終18番では、197ヤードの2打目をピンフラッグに当てるショットでピン奥4mにつけ、下りのパットをジャストタッチで沈めて、「すごく救われた」というバーディー。スコアは崩さなかったが、伸ばすことも出来ず、5オーバーで26位タイ。予選は通過したが、首位とは9打差となった。

 松山は、「フラストレーションはそんなに溜まっていないです。まあ良かったんじゃないですかね」と評したが、もちろん満足には程遠い。

「ああいうところ(7番)で簡単にパーセーブしていければ、もっと流れ良くプレーが出来て、スコアに繋がると思うんですけど、落としているので、繋げられない感じはあります」

 ただ、トップとの差が広がったからといって、まだ優勝を諦めたわけではない。

「最低の勝負のラインにはいると思うので、ここからどれだけ自分がスコアを伸ばせるかによってはチャンスも増えると思う。それを目指すためには今日みたいなゴルフをしているようじゃ話にならないです。でも内容としては、徐々に徐々に良くなって来ていると思います」

「まだちゃんとしたものが
出来ていないという感じ」

 ムービングデーの3日目。再び初日同様に、強風がコースを襲った。いや、単に風が吹いただけではなかった。午前は弱かった風が、午後になって強くなった。これにより、早い時間にスタートした選手と、スタートの遅い上位選手とは、条件が大きく異なってしまった。この日、アンダーパーを記録したのは、午前中に1番を後にした3人のみ。3日目のリーダーボードからは、ついにアンダーパーのプレーヤーが消えた。現地時間の午後12時14分にスタートした松山も、厳しいコンディションに飲み込まれた。

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 5番では、グリーン右手前26ヤードからの3打目をミスして、グリーンの傾斜でコレクションエリアに落とされ、4打目も寄せ切れずボギー。「5番のアプローチのミスから、次のいいプレーが来るまでに崩れてしまった」と言うように、これが歯車の噛み合わせをおかしくした。8番では、1.5mから4パットを喫して、思わぬトリプルボギー。続く9番で3m、11番では右ピンハイ2m強のチャンスを外すと、歯止めは利かなくなった。13番では19mの3打目をパターで打ったが、ショートしたためにボールは傾斜にかかり、右手前バンカーへ吸い込まれた(結果はボギー)。14番では2m強のパーパットが決まらず、15番ではグリーン右のバンカーからピンを7mオーバーさせて、3連続ボギー。さらに、16番がダメ押しだった。3打目をピン手前7.5mにつけたが、再び4パットを喫してダブルボギー。1日で9打崩し、通算14オーバー。

 何より厳しかったのはパッティング。特に8番で、「悪いパットを1回もしていないのに、4パットになってしまったので、その後になかなかスムーズなストロークが出来なかったです。」というのが痛かった。ショットも、「厳しいピンに、攻めたいと思っている自分と逃げたい自分がいる。まだ、ちゃんとしたものが出来ていないという感じです」で、自信を掴むまでには至っていないのが明らかになった。

首位と11打差で優勝が絶望的となり、9オーバーというスコアはメジャーワーストのラウンド。だが、それでも戦うことをやめるわけにはいかない。

「順位がだいぶ下がってしまったので、何を目指すというのはなかなか難しいけれど、1つでもスコアを伸ばして、たくさんバーディーが取れるように頑張りたいです」

 迎えた最終日。快晴の中、風は弱まった。グリーンも、全米ゴルフ協会(USGA)がスタート前のグリーンに水を撒いたため、「スピードはあまり変わらないけど、柔らかい感じ。前日と違いカピカピじゃなかったです」という状態。最終組よりも5時間前という、「早い時間のスタート」で、コンディションも当然いい。だが、それら以上に、人一倍の"このままでは終われない"という意地があったからこそ、好スコアが生まれたのではないだろうか。松山は前日の言葉通り、たくさんバーディーを取り、スコアボードを駆け上がった。

 2番でバンカーから寄せ切れずボギーを先行させたが、そこからが圧巻だった。3番では166ヤードの2打目を5.5m、4番では右クロスバンカーから131ヤードを3mにつけて連続バーディーとすると、5番で6m、6番では9mと、長めのパットも決めた。怒涛の4連続バーディー。

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さらに、2mのバーディーパットがカップに蹴られた8番に続く9番で3mを沈めて、前半を4アンダーとすると、順位は30位タイにまで上がっていた。

 後半も攻めた。10番で4.5mのパーパットを入れて凌ぐと、11番で5m、12番で3.5mと次々にチャンスを作った(結果はパー)。14番で1打目を右の背の高いラフに打ち込み、1打後退しても攻め手を緩めない。16番では、112ヤードの3打目を6mにつけて、複雑に曲がるスネークラインをしっかり読み切った。前日、1つも取れなかったバーディーが6つ。通算10オーバーは、ホールアウト時に29位タイだったが、時間を追うごとに上がっていき、全選手がプレーを終えた時、松山の名前は16位タイの位置にあった。

 しかし「66」というスコアを出しても、松山の反応は、「最近結果を残せていないので、こんなものじゃないかと思います」と、薄かった。よく口にする、"プレッシャーの少ない位置"で出した結果にしては、ちょっと物足りないという気持ちがあったのだろう。

「8番はもったいなかった。10番でセーブ出来たからこそ、11、12番は取りたかったです。もっとビッグスコアが出せるような雰囲気はあったんですけどね」

 調子も、「悪くないけど、それは最悪の状態ではないというだけで、やらなきゃいけないのは全部です」と吐き捨てた。改善しなければいけない課題は山積みだ。

「アイアンショットに関しては、昨日とはスイングを変えたらすごく良くなったので、どれが一番いい自分のスイングなのか、まだわからないです。今日たまたま良かったんですが、これを続けて練習していって、試合に出てみないとわからないかなという感じですね」

 次のメジャーは7月。60台を1度マークしたくらいで、ホッとしてはいられない。

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スコアボード

HOLE
Par
ROUND4
ROUND3
ROUND2
ROUND1
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 T
4 3 4 4 5 4 3 4 4 4 3 4 4 4 4 5 3 4 70
4
E
4
1
3
E
3
-1
4
-2
3
-3
3
-3
4
-3
3
-4
4
-4
3
-4
4
-4
4
-4
5
-3
4
-3
4
-4
3
-4
4
-4
66
-4
4
E
3
E
4
E
4
E
6
1
4
1
3
1
7
4
4
4
4
4
3
4
4
4
5
5
5
6
5
7
7
9
3
9
4
9
79
9
5
1
3
1
4
1
4
1
5
1
3
E
4
1
4
1
4
1
4
1
3
1
4
1
4
1
4
1
4
1
5
1
3
1
3
E
70
E
4
4
3
4
4
4
4
4
5
4
4
4
4
5
4
5
4
5
4
E
4
1
3
E
5
1
4
1
5
2
7
4
3
4
4
4
75
5

リーダーズボード

Pos Name
1 ブルックス・ケプカ
2 トミー・フリートウッド
3 ダスティン・ジョンソン
4 パトリック・リード
5 トニー・フィナウ
6T ザンダー・シャウフェレ
6T ティレル・ハットン
6T ヘンリック・ステンソン
6T ダニエル・バーガー
10T ウェブ・シンプソン
10T ジャスティン・ローズ
16T 松山英樹
Total Thru Round R1 R2 R3 R4 Strokes
1 F -2 75 66 72 68 281
2 F -7 75 66 78 63 282
3 F E 69 67 77 70 283
4 F -2 73 72 71 68 284
5 F 2 75 72 66 72 285
6 F -2 72 74 72 68 286
6 F -1 75 70 72 69 286
6 F 1 71 70 74 71 286
6 F 3 76 71 66 73 286
7 F -1 76 71 71 69 287
7 F 3 71 70 73 73 287
10 F -4 75 70 79 66 290

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松山英樹は2014年1月よりLEXUSの所属となりました。