TOUR RESULT

2017.11.16 - 11.19

ダンロップフェニックス

ダンロップフェニックス
ダンロップフェニックス

大逆転は出来ずともホールインワンで
大観衆を魅了する並外れたスター性

「悪い日でも、どのくらいの
幅で収まるかが気になる」

 PGAツアーに主戦場を移した2014年から、毎年日本ツアーには2戦ずつ出場してきた松山英樹。しかし、今年は今大会の「ダンロップフェニックストーナメント」の1戦のみ。日本のファンに良いプレーを見せたいという気持ちは、例年以上かもしれない。

 一方で、10月末のHSBCチャンピオンズ終了時に語っていた、「逃げてきた部分を正面から受け止めて」、来年のメジャーのために取り組んでいるというスイング改造、プレーの改善の進捗度合いも気になるところ。

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世界ランキング4位のゴルフを披露したい気持ちと、レベルアップのための試行錯誤の間で、どのように自分の中で折り合いをつけていくのか? しかし、松山の考え方はシンプルだった。要は、今やれることを一生懸命やって、それを見てもらうだけ、ということだ。

「優勝を目指したいけれど、それ(スイングなどの大きな見直し)をやりはじめて、まだ数週間しか経っていません。その中で、どれくらいプレー出来るのか楽しみだし、結果に繋がらなくても新しい課題が見えると思うので、楽しみな一週間になります」

 この後、「それが上手くいけばチャンスは高くなるし、悪ければ予選ギリギリかもしれませんね」という言葉も付け加えたが、このコメントを聞く限り、松山の目下のチャレンジは順調に進んでいるとも言えるのだろう。実際、初日のラウンドからも、そのことが充分に窺えた。

 10番からのスタートとなったこの日、最初のバーディーは13番。1オンも狙える短いパー4で、ティーショットをグリーン右手前のラフに運び、そこから1m強に寄せた。15番ではティーショットを左に曲げてボギーを喫したが、第1ラウンドは、ボギーをこの1つに抑えた。圧巻は18番。フェアウェイ真ん中、残り226ヤードから4番アイアンを振り抜くと、ボールはグリーン左のカラーへ。

手前のピンに対し、約7mの右に曲がるラインを読み切って、イーグルパットをカップ真ん中から沈めてみせた。

 2アンダーで折り返して、2番でも7mほどの左に曲がるラインを読み切り、3番では、ピン奥約3mから、わずかに左に曲がるラインを決めて、連続バーディー。トップとは2打差の4アンダー、4位タイ発進に、松山も「悪くないスタートだと思います」と納得だ。

 ただ、課題を話しはじめたらキリがないのも確か。

「悪いところもあれば、良いところもあります。18番のティーショットとかは凄く良かったけど、朝の最初のホールとか最終ホールは曲がっていました。もうちょっとかなと思うけど、ドライバーに関しては良い形で来ているのかなと思います。パットは良かったけど、後半は少し違和感がありました。新しいことにもチャレンジしなきゃいけないと思うし、そういう意味では課題が残りましたね。アイアンも今日は全然良くなかったけれど、どれくらい修正できるかですね。ドライバーからパターまでどう繋げていくかが大事だと思います。昨日に比べたら良くなってきているけど、ただ良い日もあれば、悪い日もあるので。その幅を少なくするためにやっているので、明日から3日間で悪い日が来ても、どれくらいの幅で収まるのかなというのは気になります」

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 雨も混ざって寒くなった2日目も、松山は順調にスコアを伸ばしていった。1番で2打目をピン左手前4mのチャンスにつけ、カップに蹴られそうになりながらもバーディーパットを沈めると、4番では2オン2パットで2つ目のバーディー。8番でもバーディーを奪って、3アンダーでハーフターンしていく。

 11番では、8番アイアンでのティーショットが引っ掛かってグリーン左奥にオーバーし、この日の初ボギーとなったが、12番ではすかさず、165ヤードの2打目を7番アイアンの抑えたショットで、ショートサイドの右ピンハイ1mを捉え、松山お得意のバウンスバック。15番では、前日に続いてティーショットを左に曲げて2つ目のボギーを喫したが、16番で1m強を沈めて再びバウンスバックを果たすと、17番では約10mの右に曲がるバーディーパットを決めて、連続バーディー。この日も4つスコアを縮めて通算8アンダー、トップとは1打差の2位タイという絶好の位置で決勝ラウンド進出となった。

 しかし、前日と同じスコアでも、松山の評価はかなり悪化した。

「スコア的には満足しているけど、内容的には全然満足していません。ミスがかなり多い印象のラウンドでした」

 手応えを感じていたドライバーは、「良くない中でも幅に収まってくれているし、フェアウェイキープが出来ています。そこは少しずつ良くなっていますね」と許せたが、パッティングは、「今日はたまたま入っていたけれど、良かったのは1番と17番くらいですね。あとは全部悪かったです」とバッサリ。

「昨日の違和感を取り除こうと思って練習したけれど、逆に悪い方向に行きました」

松山が珍しく明かしてくれた
「今、追い求めているもの」

 首位に立ったディフェンディングチャンピオン、ブルックス・ケプカ(アメリカ)と、最終組での直接対決となった3日目。こういった、意識しないようにしても意識してしまう事柄のある状況でこそ、現状が露わになる。松山のゴルフは、パッティングだけでなく、プレー全体にまで、“発展途上”ぶりが表れてしまった。パーオン率やフェアウェイキープ率などの各スタッツには、前日まで1桁順位が数多く並んでいたが、この日は軒並み2桁に悪化。1桁に留まったのは、ドライビングディスタンスの9位のみだ。

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 スコアの動きも停滞した。8番では、2打目で引っ掛かった素振りを見せたものの、ピン左奥からスピンバックして、左手前1m強につき、バーディー。12番では176ヤードを7番アイアンで放ってすぐ右手を離し、右のカラーからのロングパットは1mほどオーバーして、返しのパーパットもカップに蹴られた。続く短いパー4の13番では、3番ウッドで1オンを果たし、約7mのイーグルパットはわずかにカップ右を通過したものの、タップインバーディーでバウンスバック。しかし17番では、この日2つ目のボギー。この日、パー以外の数字が並んだのは、この4ホールだけに留まった。通算8アンダーは単独6位。

 ケプカが目前で「64」の猛攻を見せたこともあるが、何より自身がこのプレーでは、「つまらないゴルフを見せてしまいました。申し訳ないです」と、松山がうなだれるのも無理はない。

「ベタピンがほとんどないし、つながりがないですね。残り1日、何かきっかけをつかんで来年を迎えたいです」

 1打差だったケプカは、8打先にまで離れてしまった。

「あのゴルフじゃ落ちることはまずないので、20アンダーは行くと思います。それに近づくために50台というのは思うけれど……無理ですよね。ベストを尽くして、奇跡的に50台が出ればチャンスがあるなという感じですね。」

 歴史を振り返っても50台というスコアは稀であり、実際、最終日の松山のプレーは、50台には遠かったというのが実情だ。しかし、それとは別の“奇跡”のようなプレーをちゃんと用意するのだから、松山のスター性は並ではない。1番で約1.5mのバーディーパットを決め、この日のスコアを1アンダーとして迎えた3番だった。実測175ヤードで、8番アイアンを振り抜くと、「完璧なショット」はピン左手前に落ちて、右方向にするすると転がっていきカップイン。試合では自身初めてというホールインワンに、どよめきと歓声がフェニックスカントリークラブを覆った。カップからボールを拾い上げる前に、松山は満面の笑みで拳を3回上下させた。

「4日間いいプレーがなかったので、大いに沸いてホッとしました。真っすぐ狙って、いい所に落ちましたね。入っちゃえ、と思ったら消えました。みんなが言う『ふわふわする』感じが分かりました」

 その後は、7、12、13、15番でバーディーを奪う一方、6、9、17番でボギー、10番でダブルボギーと出入りが激しく、通算10アンダーは優勝のケプカと10打離れての単独5位。それでもギャラリーは、充分に満足して家路についたことだろう。

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「試合でやってみないと分からない部分が今週分かったので、良い1週間だったと思います。ホールインワンという最高のおみやげもありました」

 松山も、得たものは大きかったようだ。取り組んでいることについて、なかなか詳細を語ろうとはしない松山だが、この日は少しだけヒントも明かしてくれた。

「自分のフィーリングを出しやすいスイングにしようと思います。自分は、持ち球をドローだと思っているけれど、一緒に回っている人はフェードだと思っているかもしれない。そのズレが今の状況だと思います。そこら辺を直さないといけませんね。マスターズで思ったように打つためには、今までのスイングじゃダメでした。だいぶ遅れてしまったものを、今しっかりとやらないといけないと思います。ちょっとした変化が大きな差に繋がってくるとおもいます」

 メジャーを取るために松山が求めている精度は、これまでより1ランクも2ランクも上がったものとなってきている。2017年も、残すは1戦のみ。ディフェンディングチャンピオンとして臨む、「ヒーロー・ワールドチャレンジ」。世界のエリートだけが集うこの大会で、現状の松山とメジャーとの間に横たわる距離が、よりはっきりと見えてくる。

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スコアボード

HOLE
Par
ROUND4
ROUND3
ROUND2
ROUND1
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 T
4 4 3 5 4 3 5 4 4 4 3 4 4 4 4 4 3 5 71
3
-1
4
-1
1
-3
5
-3
4
-3
4
-2
4
-3
4
-3
5
-2
6
E
3
E
3
-1
3
-2
4
-2
3
-3
4
-3
4
-2
5
-2
69
-2
4
E
4
E
3
E
5
E
4
E
3
E
5
E
3
-1
4
-1
4
-1
3
-1
5
E
3
-1
4
-1
4
-1
4
-1
4
E
5
E
71
0
3
-1
4
-1
3
-1
4
-2
4
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3
-2
5
-2
3
-3
4
-3
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-2
3
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4
-3
4
-3
5
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3
-3
2
-4
5
-4
67
-4
4
E
3
-1
2
-2
5
-2
4
-2
3
-2
5
-2
4
-2
4
-2
4
-2
3
-2
4
-2
3
-3
4
-3
5
-2
4
-2
3
-2
3
-4
67
-4

リーダーズボード

Pos Name
1 ブルックス・ケプカ
2T 李 尚熹
2T ザンダー・シャウフェレ
2T プラヤド・マークセン
5 松山 英樹
6T 今平 周吾
6T 朴 相賢
6T H・W・リュー
9T ウェスリー・ブライアン
9T 小田 孔明
Total Thru Round R1 R2 R3 R4 Strokes
-20 F -4 65 68 64 67 264
-11 F 1 65 70 66 72 273
-11 F E 69 66 67 71 273
-11 F -4 71 65 70 67 273
-10 F -2 67 67 71 69 274
-9 F -3 67 71 69 68 275
-9 F -2 68 71 67 69 275
-9 F 1 67 67 69 72 275
-8 F -2 71 71 65 69 276
-8 F -3 70 71 67 68 276

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松山英樹は2014年1月よりLEXUSの所属となりました。