TOUR RESULT

2017.08.03 - 08.06

WGCブリヂストン招待

世界の猛者たちを
沈黙させる最終日「61」
メジャー初制覇の夢が膨らむ圧勝劇

「優勝争い出来る状態にない」
と言いつつも、
戻りはじめたドライバーへの自信

最終日1番ホールの痛恨のOBで思わぬトリプルボギーを喫し、メジャー初制覇の夢が早々に潰えた全英オープン。この苦い経験は、松山英樹のゴルフにどんな影響をもたらすのか? しかし、心配はまったくの杞憂だった。今シーズンのワールドゴルフチャンピオンシップ最終戦、「WGC−ブリヂストン招待」。松山は、まさに"満点回答"で、嫌な記憶を一掃してみせた。

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全英オープンから2週間。松山には、やはり思うところがあったのかもしれない。前週のオープンウィークは、「休んで頭の中を整理しよう」と、完全に休養に充てたという。

「気持ちを切り替えよう、というか。何にも考えずにしようと思いました。」

 クラブの変更も、その切り替えの一環だったのだろう。初日の松山のバッグには、いつものブレードタイプのエースではなく、マレットタイプのパターが入っていた。そして、この日の前半の9ホールでは、この"新入り"が見事に威力を発揮した。

 10番からスタートのこの日、その10番では、右ピンハイ7.5mをいきなり沈めて、バーディー発進。11番のボギーを挟み、13番ではグリーン右奥ラフからの7ヤードのアプローチをチップインさせ、再びスコアを1アンダーへと戻すと、14番3m、15番6m、16番2mと、短いものからやや長めのものまで、次々とパットが決まった。圧巻の4連続バーディーでスコアを4アンダーとし、リーダーボードの最上段にMATSUYAMの文字が躍った。

 しかし、18番からの残りの10ホールは、「スイング、ショートゲームと今一つの状態が続いている。クラブは錆びていないけれど、自分の腕が錆びている」と大会前に語っていた状態が、内容にもスコアにも表れる形となった。

18番ではティーショットを左のラフに曲げ、2打目も木に当たってボギー。折り返して1番では、グリーン右サイドのバンカーから、3打目がグリーンを捉えられず、連続ボギー。

 2番のパー5で、14ヤードのアプローチを1mに寄せてバウンスバックしたが、流れを完全には引き戻せない。3番では1m強のパーパットを外して、この日4つ目のボギー。5番で4mの左に曲がるラインを沈め、7つ目のバーディーを重ねたが、7番では17mのバーディーパットを2m強ショートし、最終の9番でも途中から下る15mのバーディーパットを1m強までしか寄せられず、上がり3ホールで2打を献上するというすっきりしない初日の終わり方となってしまった。

 1アンダーでトップから4打差の15位タイながら、7バーディー、6ボギーの出入りの激しさには、松山も、「微妙なラウンドですよね」と苦笑いだ。

「なかなか珍しいゴルフ。5バーディー、5ボギーくらいはあっても、7個バーディーを取って、6個ボギーはなかなかないですよね。4連続バーディーはたまたまです。パットも良かったんですけど、1回外すと不安になって上手く打てなくなったりしている。もっと自信を持って打てるようにしたいですね。ショットもアプローチもパットも、全体的に修正したいと思います」

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 迎えた2日目。本人の感覚は別として、少なくともデータ上ではしっかり修正を果たししてくるから恐れ入る。フェアウェイキープ率は前日の35.71%から64.29%、パーオン率は61.11%から83.33%へと向上。こうなれば、スコアも自然とまとまる。

 悪天候のために、2度の中断にも見舞われたこの日。松山のスコアがようやく動いたのが、8番だった。右ラフからの122ヤードの2打目をグリーン左に外すも、20ヤードのアプローチがきれいにカップに向かって転がって、チップイン。

「グリーンが速そうで、寄ればいいと思っていたら入ってしまいました」

 2度目の中断を挟んでの10番では3パットのボギーとなったが、この日のボギーはこの1つに抑えた。12番では、ピンの根元を突き刺すスーパーなティーショットで2つ目のバーディーとすると、14番では7m、17番では2.5mを決めて、最終的に計4つのバーディーを奪った。4バーディー、1ボギーの3アンダー。松山自身は、「優勝争い出来る状態にはないですね」と、相変わらず自分に厳しかったが、トータル4アンダーは首位から3打差の3位タイと、優勝戦線にしっかりと名前を連ねた。

「ドライバーが何回か思い通りにフェアウェイに打てたところがあって、やっといい感じでボールを打っているなという感じがありました。ドライバーに関しては、ちょっとずつ良くなっているのかなという感じはあります。ただ、他のショット、フルショット以外が、なかなか思うように打てなかったりしているので、そこが少し良くなればという感じですね。残り2日間も、この2日間のようにあまり期待せずにやれればいいと思います」

「素晴らしいコースでいいプレーが
出来たことは、来週に繋がる」

 各ホールが高い木々にセパレートされ、パー70ながら全長7400ヤードを数えるファイアストンカントリークラブ。ティーショットに自信が出てきたことは、とくに、このコースでは大きな意味を持つ。3日目も松山は、「曲がり幅がちょっとずつ狭くなってきている」というドライバーを武器として、着実にスコアを縮めていった。

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 2番では、227ヤードの2打目をアイアンで2オンさせてバーディーとすると、5番ではピン奥から2mの右に曲がるラインを読み切って2つ目。8番では7.5mの左に曲がるバーディーパットを真ん中から決めた。

 後半に入り、10番で1.5m、11番で1m強のパーパットを外したが、12番で右の林からのレイアップを経てパーをセーブしたことが、悪い流れを断ち切った。14番では153ヤードをピン手前2mにつけ4つ目のバーディーとすると、17番では8mの左に曲がるバーディーパットも、強めに真ん中から沈めた。2日連続の3アンダーで、トータル7アンダーは単独4位。この日も前日同様、「優勝争いをしている内容じゃないですね……」と語った松山だが、ここに至ってようやく、「楽しみ」という言葉もコメントに混ざるようになった。

「アイアンはまだしっかりピンを狙っていこうという感じにはないですけど、グリーンに乗せておこうくらいの感じでやっていたのが、ピンに行ったりしてくれました。アプローチに関しては、明日勝負がかかったときに上手くいくか、まだ不安が多いですし、そこで試せるのは凄く楽しみですね。今やっていることが正しいのか、明日わかると思うので、楽しみだなと思います」

 最終日、トップは2打先。しかし結果的に見れば、この差はないに等しかった。「スタートする前は、今日はパープレーで回れたら最高という感じの状態でした」と松山は振り返るが、その言葉が信じられないラッシュを展開した。このコースで8勝と、圧倒的な強さを見せてきたタイガー・ウッズ(アメリカ)の姿が重なって見えるかのようだった。

 ショーの幕開けは、2番だった。残り217ヤードからアイアンで放ったボールは、グリーンをオーバーするも、そこからの19ヤードのアプローチは、するするとカップに向かい、ピンに当たってカップイン。劇的なイーグルで、トップとの差はもうゼロとなった。

「イーグルを取れたので、そこから波に乗ってやれた感じですね」

 続く3番では135ヤードの2打目で、クラブを手の中でクルクルと降ろす、いい感触の時の仕草。ピン奥に着弾したボールは、スピンバックで左ピンハイ1mにつき、早くも3つスコアを潜らせた。さらに止まらない松山は、6番4.5m、9番2.5mも沈め、前半を1イーグル、3バーディー、ノーボギーの5アンダー。2位に2打差をつけて、ハーフターンした。

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 ここまでのプレーだけでも、後続を威圧するのに充分なチャージだったが、松山は後半に入っても手を緩めなかった。13番では左ファーストカットから116ヤードをピン奥3.5mにつけて、4つ目のバーディー。そして圧巻は、上がり3ホールだった。16番では、ティーショットを右ラフに曲げるも、レイアップ後の102ヤードの3打目では、またしても奥からちょうど良いスピンバックで手前1m強に戻して、5つ目のバーディー。さらに17番では2.5mを沈め、最終18番では、ティーショットで355ヤードをかっ飛ばし、104ヤードのセカンドで、またしても奥からスピンでわずかに戻して2m。見事な3連続バーディーの"パンチアウト"で、終わってみれば2位に5打差がついていた。

 シーズン3勝目、通算5勝目で、フェデックスカップポイントでは首位に再浮上。またこれで、今季のワールドゴルフチャンピオンシップは、世界ナンバー1のダスティン・ジョンソン(アメリカ)と2勝ずつ分け合う形となった。さらに、この日のスコアが、タイガー・ウッズやセルジオ・ガルシア(スペイン)らのコースレコード61に並ぶおまけつき。

「4年前にタイガーと一緒に回ったときに、61(2日目)だった。同じスコアに並べて良かったです。16、17、18番を全部取れれば同じ数字だと思っていました」

 来週はいよいよ、今年最後のメジャー、PGAチャンピオンシップ。もう松山自身も、「あまり期待せずに」などとは思っていないだろう。

「こんなに素晴らしいコースで、これだけいいプレーが出来たということは、来週にも繋がると思いますし、来週のメジャーにも勝てるように頑張りたいです」

 寝不足は体に良くないが、来週末だけは我慢すべきかもしれない。それだけの価値がある4日間を、きっと松山が日本にもたらしてくれるはずだ。

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スコアボード

HOLE
Par
ROUND4
ROUND3
ROUND2
ROUND1
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 T
4 5 4 4 3 4 3 4 4 4 4 3 4 4 3 5 4 4 70
4
E
3
-2
3
-3
4
-3
3
-3
3
-4
3
-4
4
-4
3
-5
4
-5
4
-5
3
-5
3
-6
4
-6
3
-6
4
-7
3
-8
3
-9
61
-9
4
E
4
-1
4
-1
4
-1
2
-2
4
-2
3
-2
3
-3
4
-3
5
-2
5
-1
3
-1
4
-1
3
-2
3
-2
5
-2
3
-3
4
-3
67
-3
4
E
5
E
4
E
4
E
3
E
4
E
3
E
3
-1
4
-1
5
E
4
E
2
-1
4
-1
3
-2
3
-2
5
-2
3
-3
4
-3
67
-3
5
-2
4
-3
5
-2
4
-2
2
-3
4
-3
4
-2
4
-2
5
-1
3
-1
5
E
3
E
3
-1
3
-2
2
-3
4
-4
4
-4
5
-3
69
-1

リーダーズボード

Pos Name
1 松山英樹
2 ザック・ジョンソン
3 チャーリー・ホフマン
4 トーマス・ピータース
5T ポール・ケーシー
5T ロリー・マキロイ
5T ラッセル・ノックス
5T アダム・ハドウィン
9 リッキー・ファウラー
10T トービヨン・オルセン
10T ハドソン・スワッフォード
10T スコット・ヘンド
Total Thru Round R1 R2 R3 R4 Strokes
-16 F -9 69 67 67 61 264
-11 F -2 69 67 65 68 269
-10 F -4 68 69 67 66 270
-8 F 1 65 70 66 71 272
-7 F -3 70 69 67 67 273
-7 F -1 67 69 68 69 273
-7 F -2 66 71 68 68 273
-7 F -1 68 69 67 69 273
-6 F -4 70 71 67 66 274
-5 F -5 73 70 67 65 275
-5 F -4 70 69 70 66 275
-5 F 3 70 69 63 73 275

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松山英樹は2014年1月よりLEXUSの所属となりました。