TOUR RESULT

2017.04.06 - 04.09

マスターズ

最後の意地の
バーディー量産で11位タイ
さらに募るグリーンジャケットへの思い

54位タイの出遅れにも折れない執念
「差は大きいけど、
まだチャンスはある」

 3月に好結果が得られないまま、自身6度目のマスターズを迎えることとなった松山英樹。しかし、オーガスタに姿を現した松山の言葉は、「やっとこの日を迎えたなと。『来たな……』という感じがあります」という、力のこもったものだった。大一番に向けて、「どうにかします」と言っていた不調に、やっと向上の目処が見えたのだろう。

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「フロリダの家で練習している時は、デル・テクノロジーズ・マッチプレー選手権よりも悪くなりました。こっちに来て良くなったと思います」

 松山にとって験の良い場所と言えば、2年連続優勝を果たしたウェイスト・マネージメント・フェニックス・オープンのTPCスコッツデールが思い浮かぶが、2015年5位、昨年7位タイとなったオーガスタも、負けず劣らずの相性の良さだ。ここに来れば自然とゴルフが上向きになる…。そんな不思議な力が、オーガスタでも働くのかもしれない。

 ただ初日は、本人こそ、「スコア的には残念ですけど、内容的にはそんなに悪くないです」と振り返ったが、「復調」ぶりを印象付けるような結果とはならなかった。2番で2mのチャンスを逃した後、3番1.5m、4番1.5m、5番3.4mという痺れそうな距離のパーパットを決めつづけて序盤を乗り切ったが、このストレスがその後のプレーに影響したのかもしれない。7番ではグリーン右サイドからのバンカーを超える3打目のアプローチが木に当たり、4打目も寄せ切れずダブルボギー。8番では左の斜面の下から77ヤードの3打目をピン右6.5mにつけたが、そこから3パットのボギー。

アーメンコーナーの12番では、グリーン手前のバンカーに1打目を落とし、2打目のバンカーショットもカラーにショートして2連続ボギー。取り返すべき13番では注文通りの2オンを果たしたものの、25mから、この日2つ目の3パットを喫して、スコアの低下を食い止められない。

 ようやくバーディーが来たのは、続く14番。153ヤードの2打目をピン左手前4m。わずかに右に曲がるラインも読み切った。だが、このホールが唯一のバーディーとなった。16番では、左サイドのピンに対し右奥に1打目が乗り、下りのパットは3mをオーバーして3つ目の3パットボギー。この流れでは、17番の右ピンハイ3m、18番の4.3mというチャンスも沈んではくれなくなる。4オーバーでホールアウトし、順位は54位タイ。首位とはいきなり11打の差がつき、優勝どころか、予選カットも気になる出だしとなった。

「決めたいパットがなかなか決まってくれなくて、もどかしい1日でした」と言うように、この日、問題となったのは、特にパッティングだった。総パット数35、パーオンしたホールの平均パット数1.94は、ともに最下位に近い数字。ただ、「感触が良くないわりにはチャンスにつけられていました」というショットに、巻き返しの可能性を感じていたのだろう。

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「17、18番のセカンドショットは良かったと思います。そういうショットをもっと打てるように。差は大きいですけど、良いプレーが出来れば、まだチャンスはあります」

 初日、強い風がオーガスタを襲ったが、2日目はさらに激しく木々が揺さぶられた。しかし、そんな中でも松山は有言実行とばかりに、序盤からショットでチャンスを演出し、グリーン上にも改善を見せて上位を追いかけた。1番で3m、2番で4.5mのチャンスを外したが、3番では73ヤードの2打目で右奥のピンに果敢に突っ込み、1.5m。バーディーを先行させた。5番でも187ヤードの2打目が右ピンハイ1.2mで、2つ目のバーディー。

 7番では、1打目を右に曲げ、「状態が悪いので、無理をしたくなる所でした」という2打目も前方の木に当たるトラブルで、2日連続となる痛恨のダブルボギー。ここまで稼いだ2打はあっさり消滅したが、それでもこの日の松山には、初日とは違う推進力があった。続く8番では、グリーン左手前からの22ヤードの3打目を1.5mに寄せてバウンスバック。10番では185ヤードの2打目が左ピンハイ4.3mについて、右に曲がるラインもきっちり読み切った。7番の後の3ホールで、再びこの日のスコアは2アンダーへ。

 その後は、ピンチとチャンスが交互にやってきた。12番では4.9m、14番でも4mのパーパットをねじ込んだ。

13番では、2.4mのチャンスが右に切れた。15番では、244ヤードの2打目を3アイアンで右ピンハイ3.7mを捉え、イーグル逃がしのバーディー。16番では、バンカーから2打目を寄せられず、連日のボギー。

 残る2ホールは、スコアこそ動かなかったが、大きな見せ場となった。17番ではグリーン右からの60ヤードのアプローチが1.5mに寄るスーパーショット。最終18番では、グリーン左奥からの段を下る28ヤードの3打目で、ピンよりも大きく左に打ち出したボールが、傾斜を伝ってカップに向かい、わずか一筋、右を通過。オーガスタを知り尽くした者だけに可能な見事な技に、取り囲むパトロンから喝采を浴びた。

 終わってみれば順位は38位上がって16位タイ、トップとの差は6打に縮まっていた。

「それでも6打あります。無くなるよう頑張りたいです。相手は左右出来ない。自分が頑張るだけです」

 優勝も見える位置でトーナメントを折り返したことで、言葉にも俄然、気合が漲る。

「明日、明後日は風が吹かない。我慢しているだけではチャンスは無いと思います」

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「年末くらいのパットが出来れば
絶対勝てる自信はある」

 いかにトップとの差を縮められるか。松山にとって、ある意味、最終日以上に勝負のかかった3日目。しかし、「状態が上がってこないのが、そのまま出てしまいました」と言うように、ここまで堪え続けていたショットが2番で大きく曲がり、松山の出端を挫いた。1打目が右の茂みに飛び込み、2打目も出るだけで精一杯で、ボギーが先行。4番で4mのチャンスを外すと、6番では29ヤードの2打目がピン手前の段を上らず戻ってきて、2つ目のボギー。7番でも2.7mのパーパットが決まらず、負の流れを断ちきれない。

 それでも折り返して10番から、ようやくショットに改善が見えた。このホールでは175ヤードの2打目をピン手前1.5mにつけて、この日初のバーディー。15番では、202ヤードから連日のスーパーショットで2.7mにつけて、イーグルを記録。

 しかし、この2ホール以外の後味があまりに悪かった。12番では右ピンハイ3m。13番では松の葉に覆われたライから240ヤードを、アイアンで2オン。14番では128ヤードの2打目がピン奥3m。さらに16番では1オン出来なかったものの、5ヤードの右カラー。

17番では151ヤードの2打目が、ピン左手前3m。しかし、こんなに多くのチャンスにつけながら、そのうちで1打も縮められなかったのが痛すぎた。

 こうなると18番のダブルボギーは、必然だったのだろうか。179ヤードから、カップと同じ奥の段の10mに2オンさせながら、そこから誰も予想だにしなかった4パット。
「これだけ入らなければ、意味がないです」

 この日2オーバーで、トータルでは初日に戻って4オーバー。28位タイで、トップとの差は10打に広がり、3日目にして夢はほぼ潰えた。

「最低でも、通算でアンダーパーまで持っていきたかったです」

 ホールアウト後の松山は口数少ないなか、それでもなんとか前向きな言葉を絞り出す。

「もうチャンスはないですけど、しっかり良いプレーをして終わりたいです」

 最終日の松山には、順位でもスコアでもなく、ピンしか見えていなかったのだろう。そんな思いが迸るような18ホールだった。2番で1.8mのパットを沈めてバーディーとすると、3番では2打目を右ピンハイ2m(結果はパー)。

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6番での3パットボギーを挟んで、7番では121ヤードの2打目がピンに重なり、手前2mにオンしてバウンスバック。続く8番では、34ヤードの3打目が、2バウンド後に一度はカップを捉えそうになりながら、わずかに外にこぼれるというスーパーアプローチで3つ目のバーディー。

 松山は、「ティーショットが安定して、アイアンもチャンスにつけられました」と振り返ったが、ショットは後半に入ってさらに狙い打ちの状態となった。10番では183ヤードから右ピンハイ1.8mで、4つ目のバーディー。11番で再び3パットのボギーを挟み、12番では、ここでもピンに重なるティーショットを披露。グリーンをわずかにオーバーし、パーとなったが、まさにピンめがけて飛んでいくティーショットだった。圧巻は、2つのパー5。13番では231ヤードからピン右奥5.2m。15番では206ヤードから3.7m。いずれのイーグルパットも、ボールがカップを覗く惜しいものだった(結果はどちらもバーディー)。16番も、ピン左奥3.4m(結果はパー)。17番では152ヤードから右ピンハイ1.2mにつけて、バーディーは7つ目を数えた。意地の5アンダー、67は、この日2人だけのベストスコアタイ。トータルでも1アンダーに入れ、順位も11位タイまで引き上げてみせた。

 しかし、もはや1日だけの好スコアや、次回の出場権が与えられる順位で喜べるほど、松山はもう若造でもないし、ステータスの低いプレーヤーでもない。

「調子の谷間を無くさないようにしないと。3日目、4日目と良いショットが打てました。そこは自信を持って、パッティングのレベルを上げたいです。去年の年末くらいのパットが出来れば、絶対勝てる自信はあります」

 松山の並みではない悔しさが、"絶対"という言葉に、逆に強く表れていた。これまで以上に膨らんだグリーンジャケットへの思いを抱えて、松山はまた新たな1年を戦う。

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スコアボード

HOLE
Par
ROUND4
ROUND3
ROUND2
ROUND1
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 T
4 5 4 3 4 3 4 5 4 4 4 3 5 4 5 3 4 4 72
4
E
4
-1
4
-1
3
-1
4
-1
4
E
3
-1
4
-2
4
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3
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3
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4
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4
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3
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3
-5
4
-5
67
-5
4
E
6
1
4
1
3
1
4
1
4
2
5
3
5
3
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2
4
2
3
2
5
2
4
2
3
E
3
E
4
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6
2
74
2
4
E
5
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3
-1
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3
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6
E
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4
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5
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4
-2
4
-3
4
-2
4
-2
4
-2
70
-2
4
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5
E
4
E
3
E
4
E
3
E
6
2
6
3
4
3
4
3
4
3
4
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5
4
3
3
5
3
4
4
4
4
4
4
76
4

プレーオフ

優勝者 NO 1
HOLE 18
PAR 4
セルヒオ・ガルシア 3
  ジャスティン・ローズ 5

リーダーズボード

Pos Name
1 セルヒオ・ガルシア
2 ジャスティン・ローズ
3 シャール・シュワーツェル
4T マット・クーチャー
4T トーマス・ピータース
6 ポール・ケーシー
7T ケビン・チャッペル
7T ロリー・マキロイ
9T アダム・スコット
9T ライアン・ムーア
11T 松山英樹
Total Thru Round R1 R2 R3 R4 Strokes
-9 F -3 71 69 70 69 279
-9 F -3 71 72 67 69 279
-6 F -4 74 72 68 68 282
-5 F -5 72 73 71 67 283
-5 F -4 72 68 75 68 283
-4 F -4 72 75 69 68 284
-3 F -4 71 76 70 68 285
-3 F -3 72 73 71 69 285
-2 F 1 75 69 69 73 286
-2 F 2 74 69 69 74 286
-1 F -5 76 70 74 67 287

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松山英樹は2014年1月よりLEXUSの所属となりました。