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2016.03.23 - 03.27

WGC デルマッチプレー

2年連続ベスト16は果たせずも
マスターズを前に出てきた
「良い傾向」

初戦の勝利を阻んだ17番
カブレラ ベロのラッキーバウンド

 松山英樹がマスターズ前最後の実戦として臨むのが、WGC「デルマッチプレー」。昨年は「キャデラックマッチプレー」の名称で行われた、ツアー唯一のマッチプレーだ。そして、昨年から変わったのは、タイトルスポンサーだけではない。コースも、カリフォルニア州TPCハーディングパークから、テキサス州オースティンカントリークラブとなった。

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最近のツアーでは珍しく、300ヤード台のパー4が多く、総距離は長くないが、ピート・ダイの設計らしいハザードがふんだんに盛り込まれたコースで、アップダウンも激しく、まさに「トリッキー」という言葉がピッタリのコースと言える。

 まず松山が戦うのは、参加64名が16のグループに分かれての総当たり戦。昨年から始まったフォーマットで、各グループを1位で通過した者が決勝トーナメントに進出する。つまり、1敗した時点で決勝トーナメント進出には黄色信号が灯るという事だ。昨年の松山は、堂々3連勝して突破。しかし決勝トーナメント1回戦では、当時世界ランキング1位のロリー マキロイと激突し、6&5(残り5ホールを戦わずマキロイが6アップで勝利)という大差の敗北を味わった。それだけに、昨年以上にトーナメントを勝ち進んで雪辱を晴らしたいという思いは、かなりのものがあるだろう。「マスターズも近いですし、マッチプレーでもいつも通りやりたいですけど、いつものようにプレーしていると負けが来る可能性もあります」という言葉からも、その気持ちが滲み出ていた。メジャー前哨戦ということは横に置いてでも、出来る限り上へと行きたい。

 現在、世界ランキング13位の松山は、グループ12のトップシードとなった。初日の対戦相手は、世界ランク54位、現在ヨーロッパツアーランク6位のスペイン人、ラファエル カブレラ ベロ。しっかり勝って大会をスタートさせたい初戦だが、この日の松山はエンジンのかかりが遅かった。

2番では、グリーン右手前からのアプローチで、ウェッジがボールの下をくぐったような状態となり、3.5mショート。ボギーで1アップを許す。4番では、相手の2.5mに対して、後に打った松山は右ピンハイ2mにつけるティーショットを披露。しかし、先にバーディーを決められた一方で、松山のパットは一筋、カップから逸れた。9番では、186ヤードの2打目が右からの風にも乗り、グリーン左の崖に吸い込まれた。

 3ダウンで後半に入り、ようやく松山は反撃に出た。10番では、5.5mのバーディーパットは外したものの、カブレラ ベロがアプローチミスからパーセーブできず、2ダウン。11番では、再び3アップとリードを戻されたが、12番ではまたカブレラ ベロがアプローチでミスをして、ウォーターハザードに。続く13番は、松山が自らの技でホールを奪った。右ラフからの78ヤードの2打目は、グリーンに乗ってから転がって、カップに当たるスーパーアプローチ。さらに14番ではカブレラ ベロが1.5mのパーパットを外し、3ホール連続で奪って、ついにマッチを振り出しに戻した。

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 こうなれば、松山が一気にたたみかけて、勝負を決めるかと思われた。実際、16番では先にセカンドをピン手前1mにつけるスーパーショット。しかし、カブレラ ベロもしぶとかった。お返しとばかりにピン左奥2mにつけ、下りの難しいパットも先に沈めた。松山ももちろん1mを決め返したが、このホールの内容が17番の結果につながったのかもしれない。迎えた17番。トリッキーなコースが、カブレラ ベロに味方した。右に飛び出した球は、明らかにミスショットだったが、グリーン右サイドの傾斜を転がり落ちて、右ピンハイ5mへ。ティーショットをグリーンオーバーさせた松山に対し、カブレラ ベロがバーディーパットを沈め、松山の1ダウン。この時点で松山の勝利はなくなった。

 なんとか引き分けに持ち込みたい18番。しかし、松山が放ったグリーン手前からの2打目のアプローチは、奥のピンを過ぎても転がることをやめずに、無情にもグリーンを超えていった。カブレラ ベロは難なくパーセーブし、2ダウンでの思わぬ敗戦。

「バーディーが3つ(6番、13番、16番)では勝てないですね。自分が良いショットを打ったつもりでも、結果が思ったように繋がりませんでした」

 しかし、思いのほか松山の表情は暗くなかった。それは、自らのゴルフの調子に一定の手応えを感じたからにほかならない。

「悪くはないです。ショットに関しては良くなりました。先週の最終日とは全然、雰囲気が違うし、良くなったなという感じです」

「練習の時の感じが
今までと変わってきている」

 残り2試合をとにかく勝つだけ。より狙いが明確になり、ショットへの好感触もつかんだ2日目の松山は、強かった。ヨーロッパツアー通算4勝、世界ランキング45位のソレン ケルドセン(デンマーク)を、序盤から圧倒した。1番で、ケルドセンがパーパットを外して早速1アップとすると、4番で4mを沈めてバーディー、5番では再びケルドセンがパーパットを外し、6番ではまた松山が2.5mを決めてバーディー、7番でもケルドセンは2.5mのパーパットが決まらず、あれよあれよと言う間に4ホールを連取し、5アップ。

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「早く終わりたかったんですけど、なかなか自分の思い通りに、8番から上手くいかなくて、ちょっと残念でした」と言うように、そこから松山は少しの停滞を強いられた。9番では5.5m、10番では3.5mのパーパットが入らず、11番では、打った瞬間に右手を離すティーショットで、ボールはグリーン手前の池に吸い込まれていき、2アップ。

 しかし、「12番が入ったのが凄く大きかった」と振り返るように、12番で107ヤードの3打目がカップをかすめながら1.5mにつき、バーディーパットもしっかり沈めたことが効いた。13番では、40ヤードの2打目がピン奥1.5mについて連続バーディーとし、4アップ。ドーミーとなった15番は、あわやウォーターハザードというティーショットとなってしまい3アップとされたが、16番では、ともに同じグリーン右手前バンカーからの26ヤードのショットで、ケルドセンはうまく脱出できずに、さらに先のバンカーに入れた一方、松山はピン奥4.5m。入れなければいけない2度目のバンカーショットもカップを捉えられず、ケルドセンはバイザーを脱いだ。4&2(残り2ホールを戦わず松山が4アップで勝利)。

「最初の方は、ショットは良かったんですが、だんだんおかしくなってしまった。途中取られましたけど、最後はよく踏ん張って勝てたかなと思います。今日はミスをしなかった方の勝ち。僕の方がミスが少なかったです」

 グループ12のもう1試合では、カブレラ ベロが2連勝。決勝トーナメントに進むには、カブレラ ベロが3日目に負けることを期待しなければいけないが、自分でコントロールできないことに気を回しても意味はない。松山にとって、もはやそれは関係のない事だ。
「明日、勝てばいい」

 3日目の相手は、今シーズン、USPGAツアーで1勝を挙げ、世界ランク22位、フェデックスカップランク2位につけるケビン キスナー(アメリカ)。

「お互い、ミスは最小限に抑えられていた」と言うように、7番まで互いに譲らずオールスクエア。だが、いくらキスナーが今季好調とはいえ、地力が違った。8番で、キスナーが2.5mのパーパットを外して松山が1アップとすると、折り返しての10番では、松山がピン右奥5mからのバーディーパットを沈めて2アップ。

 松山は、さらにギアを上げた。12番ではキスナーが1.5mのバーディーパットを外したのに対し、1mを沈めた。13番では、29ヤードの2打目があとわずかでカップを捉えそうなアプローチとなり、それがキスナーの3打目のアプローチミスを誘発した。4アップ。

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 14番では、2mのパーパットが入らず、3アップに戻されたが、ドーミーの16番では、3打目のアプローチがグリーンの傾斜で手前のフェアウェイに戻されるミスとなったものの、そこから3mに寄せて、微妙なパーパットも先に沈めた。この松山の勝負強さは、キスナーの1.5mのチャンスにプレッシャーを与えた。パットは決まらず、松山の3&2(残り2ホールを戦わず松山が3アップで勝利)。

「残りの試合の結果次第なので、しっかり準備したいなと思います」と言い、プレーオフに備えて松山は練習場に向かった。だが、朗報は届かなかった。カブレラ ベロが、最終18番でケルドセンとの試合を引き分けに持ち込み、決勝トーナメント進出。

「初日に負けた時点でそんなに望む方がおかしいし、自分のやれる事をやってきました」
 松山の気持ちは、もう既にジョージア州へと向かっていた。

「この2週間で良いものも見つかったし、あとはどうやって調整していくかです。練習では良いけど、試合になったら打てなかったり……。でも、練習のときの感じが、今までとちょっとずつ変わってきています。良い傾向かなと思います」

 昨年8月の全米プロを不本意な成績で終えた時、松山はこんな言葉を残している。

「普通のレギュラーツアーと同じような感じでやっているけど、なかなか上手くいかない。何か考えなきゃいけないのかな、とは思います」

 こちらの"何か"は、この7カ月で見つかったのだろうか。答えは、2週後分かる。いよいよ、松山の2016年メジャーが始まる。

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スコアボード

Win Name Score Name Win
ROUND 3
松山 英樹 16H
3 and 2
ケビン キスナー  
ROUND 2
松山 英樹 16H
4 and 2
ソレン ケルドセン  
ROUND 1
  松山 英樹 18H
1 Up
ラファエル カブレラ ベロ

リーダーズボード

Win Name Score Name Win
決勝
  ルイ ウェストヘーゼン 14H
5 and 4
ジェイソン デイ
3位決定戦
ラファエル カブレラ ベロ 16H
3 and 2
ロリー マキロイ  
準決勝
ジェイソン デイ 18H
1up
ロリー マキロイ  
ルイ ウェストヘーゼン 15H
4 and 3
ラファエル カブレラ ベロ  
準々決勝
ロリー マキロイ 15H
4 and 3
クリス カーク  
ジェイソン デイ 16H
3 and 2
ブルックス コエプカ  
  ライアン ムーア 17H
2 and 1
ラファエル カブレラ ベロ
ルイ ウェストヘーゼン 17H
2 and 1
ダスティン ジョンソン  

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松山英樹は2014年1月よりLEXUSの所属となりました。

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