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2015.10.08 - 10.11

プレジデンツカップ

中心選手らしく2勝1敗1分けで貢献
植え付けられた新たな自信と経験

前回に続くスコットとのペアは不発
噛み合ったベ・サンムンとのコンビ

 アメリカチームと、ヨーロッパを除く世界各国から集ったインターナショナルチームが激突するザ・プレジデンツカップ。松山英樹は、2回連続でメンバーに選ばれた。前回の2013年大会出場時は、世界ランキング30位でチーム内では6番目とはいえ、初出場。1勝3敗1分という通算成績で終わっても、誰も松山の事を咎める訳もなく、逆にザ・プレジデンツカップルーキーとして充分な活躍と捉えられた。しかし、今回は世界ランク15位で序列は4番目。

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もはや押しも押されもせぬ世界のトッププレーヤーとしての出場であり、松山にはポイントゲッターとしての大車輪の活躍が求められる。しかも、開催地はアジア初となる、お隣、韓国。松山も燃えないわけがない。

「日本から近いという事で、日本からもたくさん応援に来てもらえると思う。しっかりと勝って、そういう人達に喜んでもらえればと思います。自分のベストを尽くして、チームが勝つ事が一番。それに向けてしっかりと頑張りたいと思います」

 松山に対するキャプテン、ニック・プライスの期待は、初日フォーサムの組み合わせにも表れた。前回4度コンビを組んだアダム・スコットとともに、チーム一番手として先陣を切るという重要な役割。真っ先にポイントを挙げ、チームを引っ張らなければいけない。

 だが、この日の松山のプレーは精彩を欠いた。相手は、バッバ・ワトソン、J.B.ホームズの長距離砲コンビだったが、ショットの出来は遜色なかった。問題はパッティングだった。

 3ダウンで迎えた7番で、スコットがベタピンに寄せた90cmを沈め、更に10番でもスコットの1.5mにつけるショットを松山が入れて1ダウンとしたまでは良かったが、その後は重要な場面でカップに嫌われた。

14番では2.5mが右を抜け、振り出しに戻すチャンスを逃すと、15番でも4mの右に切れる下りのラインを打ち切れず、思わず手で顔を覆う。松山だけでなくスコットも、長年慣れ親しんだ長尺パターを捨てた事が響いたのか、9、11、13番と、追い上げるチャンスの短い距離が入らない。これでは勝利は覚束ない。2ダウンで迎えた16番で、ホームズが7.5mのバーディーパットを沈め、3&2の敗戦。

「パットが入らなかった事で、足を引っ張ってしまって残念です」と語る松山に、更に残念な事が続いた。2日目のメンバー表に、松山の名前は無かった。この日の松山のパッティングにキャプテンが不安を抱いたからか、それとも予定通りなのか…。松山本人は初日終了時点で、出場する気が充分の発言をしていたのだが。

 しかし、そんな事に落胆している暇も気持ちもない。この休養を、逆に生かしてこそプロフェッショナルだ。実際、松山は3日目以降、尻上がりに調子を上げていった。松山の意地と、状況に適応する能力が、プレーに発揮された。

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 3日目午前のフォーサムは、地元韓国のベ・サンムンとのコンビで、ビル・ハース、マット・クーチャー組との対戦。1番でべが寄せた2mを決めて、幸先良く1アップとした事が、松山にパットの自信を取り戻させたのかもしれない。1ダウンで迎えた9番では、入りはしなかったが、約10mのパッティングを、カップ反対側の壁に当てる強気のタッチ。13番では、下りの右に曲がる約2mをきっちり沈め、オールスクエアに引き戻した。

 この1戦では、どちらかと言えばショットやアプローチが良くなかった。6番では、べに続いて松山も、アプローチがグリーンに上り切らずに戻ってオールスクエアとされ、8番では松山のバンカーショットが寄り切らず、1ダウン。松山のグリーンを捉えたその他のショットも、チャンスとは言えない距離が多く残った。

 大詰めの17番でも、そのショットが響いた。松山の1打目は、「ダウン」の声も届かず、グリーン右奥のラフへオーバー。カップに向かって下りの傾斜がきつく、次の難しいアプローチをべも松山もミスして1ダウンとなり、この時点で勝利は消滅してしまう。

 だが、初日、2日目の悔しさを晴らさずに、すんなり2敗目を喫する訳にはいかない。18番。「サンムンに負担をかけてしまったので、最後くらい、良いショットが打てたらと思いました」と振り返った松山が、フェアウェイの残り231ヤードから放った5番アイアンは、ピン方向を指して見事2オン。ショットの借りはショットで返し、土壇場でオールスクエアに追いついて、松山にとっては今大会初めてとなるポイント(0.5)を引き寄せた。

「プレッシャーのかかるパットを
うまく打てた事は次に繋がる」

 こうなるともう、同じくべとのコンビで登場となった続くフォーボールでは、勢いが違った。ジミー・ウォーカー、クリス・カーク組をまさに圧倒。1番で松山が残り129ヤードから1.5mにつけて早速1アップとすると、7番からが圧巻だった。べが3ホール連続でバーディーを奪い、4アップとすると、10、11番で今度は松山が負けじと、右に曲がる下りの4m、わずかに左に曲がる3mを立て続けに沈め、6アップ。

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次の12番をパーで引き分けると、残りホールを数え間違えたアメリカチームが負けの握手を求めてくるハプニングも起こった。ドーミーホールの13番では、松山がグリーン奥のラフから見事なアプローチでピンに寄せると、チャンスにつけていたカークのパットは決まらず、試合終了。6&5と、わずか14ホールで決着をつけた。

 今大会初勝利に松山は、「ミスしても自分のせいだし、割り切って出来た事が大きかったです」と、それぞれが自分のボールを打っていくフォーボールのフォーマットによって自分のペースが取り戻せた事を勝因として挙げた。残すは4日目シングルス戦のみ。

「今日も途中で上手くいかない所がありましたが、明日はそういうのも許されなくなってくると思うので、しっかり切り替えてやっていけたらなと思います」

 1998年以来7大会、勝利から見放されているインターナショナルチーム。アメリカを1ポイント差で追いかけて迎える最終日は、なんとしても1ポイントを奪って貢献したい。

 明けて日曜日。前の3日間以上に風も強く、雨も強く降るという、タフなコンディション。相手もタフだった。初日に負けを喫した、J.B.ホームズ。

ジム・フューリックの故障により急遽出場となったホームズは、世界ランキング18位と、松山の15位よりも下位だが、PGAツアー通算4勝で、今年も1勝。格上と言ってもいい。何よりの武器は、今年平均309.9ヤードを記録し、5位にランクされた飛距離。実際、この試合でも、威力は半端なかった。

 松山の1アップで迎えた3番では、2打目を残り43ヤードまで運んで楽々バーディーを奪い、すぐさまオールスクエア。4番で、松山が1.5mに寄せるスーパーショットで再びリードしても、今度は向かい風の6番で、松山が2打目にスプーンを握ってグリーンを外したのに対し、ホームズはアイアンで7mにつけ、これを沈めて、またもマッチイーブン。7番では、ドライバーで23ヤードも置いていかれた。ホームズは3打目を1.5mに寄せて、この試合初めて松山をリード。10番では、松山がこれ以上ないというアプローチからパーセーブしたのに対し、ホームズはそれを上回って、下りの難しいアプローチをチップイン。飛ばしだけではない所も見せて、2アップとリードを広げる。

 だが松山も、「粘ったなという感じです。J.B.(ホームズ)が途中から良いプレーをし始めたので、なかなか取るチャンスがなかったです」と振り返った様に、必死に我慢を続けた事が功を奏した。

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12番では、ホームズの1打目が長い草が密集する場所に入った事で松山が取り、14番でもホームズの1打目がウォーターハザードに捕まって、オールスクエア。更に16番では、松山が3.5mの左に曲がるラインをきっちり読んでバーディーとし、1アップとゲームをひっくり返す。

 17番では、先に打った松山のショットが参考になったのか、ホームズのティーショットは1mにつけるスーパーショット。1ホールを残して、またもやオールスクエアに戻ったが、松山は動じなかった。11番のティーショット後に左手首に痛みが走り、何度も擦ったりする様になっていたが、「途中から痛かったんですが、最後の方はそんな事を言っていられる場合じゃなかったです」と、意に介さなかった。勝負のかかった18番で、2打目をともにグリーン手前まで運び、アプローチ合戦へ。ここで先に1m弱に寄せた松山のショットに対し、ホームズはなかなかイメージが湧かないのか、何度も何度も素振りを繰り返す。チーム戦のプレッシャーも加わって、思う様に手が動かないホームズの3打目は4mショート。

「最後のアプローチでもミスするとは思ってなかったので、予想外の事は起こるんだなと今日改めて分かりました」と松山が驚いたホームズのミスに対し、松山はしっかりとウイニングパットを沈めた。1アップでシングルス初勝利。

「ボギーを打たなかったら、こうやって逆転出来るという事が分かりましたし、今日みたいなタフなコンディションでは、特にそれを感じましたね。初日、アダム(スコット)と組んで全然良くない中、そこから1日休んで立て直せたという事は良かったです」

 結果的に、チームは1ポイント差で8大会連続の敗北となり、目標は達成出来なかったが、松山個人にとっては確実に成長を促してくれる大会となった様だ。
「最後も、短いですけどプレッシャーのかかるパットを上手く打てたという事で、次に繋がるかなと思います。落ち着いてプレーが出来たという事は、次に繋がります」

 自分の為に戦う普段のプレーとは違い、チームの為に頑張り、重圧を跳ね除けて得た通算2勝1敗1分け。また新たな自信と経験を自分の中に植え付けた松山は、アメリカにとんぼ返りして、PGAツアー新シーズンを早くも迎える。2015年ザ・プレジデンツカップは、松山の「3年目のアメリカ」にどんな効果をもたらしてくれる事だろう。それは、すぐに出てくるのか、それとも来年のメジャーか。いずれにせよ、松山にとって、価値ある4日間になった事は間違いない。

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リーダーズボード

Win Name Score Name Win
ROUND 5 Singles
  パトリック リード 18H
引き分け
ルイ ウェストヘーゼン  
  リッキー ファウラー 13H
6 and 5
アダム スコット
ダスティン ジョンソン 17H
2 and 1
ダニー リー  
  J.B. ホームズ 18H
1 Up
松山 英樹
  バッバ ワトソン 18H
引き分け
トンチャイ ジャイディー  
  ジミー ウォーカー 18H
2 Up
スティーブン ボウディッチ
フィル ミケルソン 14H
5 and 4
シャール シュワーツェル  
クリス カーク 18H
1 Up
アニルバン ラヒリ  
  ジョーダン スピース 18H
1 Up
マーク リーシュマン
ザック ジョンソン 16H
3 and 2
ジェイソン デイ  
  マット クーチャー 17H
2 and 1
ブランデン グレイス
ビル ハース 18H
2 Up
裵 相文  
ROUND 4 Four Ball
  J.B. ホームズ
バッバ ワトソン
18H
1 Up
ルイ ウェストヘーゼン
ブランデン グレイス
フィル ミケルソン
ザック ジョンソン
16H
3 and 2
アダム スコット
アニルバン ラヒリ
 
  ジミー ウォーカー
クリス カーク
13H
6 and 5
裵 相文
松山 英樹
パトリック リード
ジョーダン スピース
16H
3 and 2
ジェイソン デイ
シャール シュワーツェル
 
ROUND 3 Foursome
  パトリック リード
リッキー ファウラー
16H
3 and 2
ルイ ウェストヘーゼン
ブランデン グレイス
  バッバ ワトソン
J.B. ホームズ
18H
引き分け
アダム スコット
マーク リーシュマン
 
  ビル ハース
マット クーチャー
18H
引き分け
裵 相文
松山 英樹
 
ダスティン ジョンソン
ジョーダン スピース
18H
1 Up
ジェイソン デイ
シャール シュワーツェル
 
ROUND 2 Four Ball
  ダスティン ジョンソン
ジョーダン スピース
15H
4 and 3
ルイ ウェストヘーゼン
ブランデン グレイス
  リッキー ファウラー
ジミー ウォーカー
18H
1 Up
ダニー リー
裵 相文
  ザック ジョンソン
フィル ミケルソン
18H
引き分け
アダム スコット
ジェイソン デイ
 
J.B. ホームズ
バッバ ワトソン
18H
2 Up
マーク リーシュマン
スティーブン ボウディッチ
 
  ビル ハース
クリス カーク
17H
2 and 1
トンチャイ ジャイディー
シャール シュワーツェル
ROUND 1 Foursome
バッバ ワトソン
J.B. ホームズ
16H
3 and 2
アダム スコット
松山 英樹
 
  マット クーチャー
パトリック リード
16H
3 and 2
ルイ ウェストヘーゼン
ブランデン グレイス
リッキー ファウラー
ジミー ウォーカー
14H
5 and 4
アニルバン ラヒリ
トンチャイ ジャイディー
 
フィル ミケルソン
ザック ジョンソン
18H
2 Up
ジェイソン デイ
スティーブン ボウディッチ
 
ジョーダン スピース
ダスティン ジョンソン
15H
4 and 3
ダニー リー
マーク リーシュマン
 

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松山英樹は2014年1月よりLEXUSの所属となりました。

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