TOUR RESULT

2015.07.16 - 07.20

全英オープン

メジャーで連続の18位タイ
近いようで遠い"あと一歩"

「マスターズ後では
今が一番、フィーリングが良い」

 聖地セントアンドリュースでの自身初の戦いに向けて、松山英樹は、全米オープンから一度も実戦を挟まずに直行するというスケジュールを採った。トップ選手ではほとんど見られない、珍しい形だ。しかし、「試合勘というものがよく分からないです。凄い選手は、いきなりでも結果を出します」というのが持論の松山にとって、重要なのはしっかりと準備が出来たかどうか。その点、3度目の全英オープンへ挑む態勢は、かなり整っていたようだ。

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「ショットはまだ納得のいく感じではないですが、マスターズが終わってから、迷っていた部分が徐々に良くなっている中で、今が一番、フィーリングが良いかなと思います」
 その調子の良さは、初日前半の戦いに反映された。1番を1.5mのバーディーで出ていくと、3番でも1.5mを沈め、5番では2オンから難なく2パットのバーディー。ボギーなしで3打を稼ぎ、同組の全米オープン1位、2位であるジョーダン・スピース、ダスティン・ジョンソンと、バーディー合戦を真っ向勝負で繰り広げた。実際、この9ホールで5バーディーのスピース、1イーグル、3バーディーのジョンソンと比しても、松山の方が状態自体は良いように見えた。6番では約4m、7番は約2m、8番5m、9番4m。松山は、ことごとくチャンスを作っていった。
 しかし、それが逆に後半9ホールの停滞を生んだ。
「ピンポジションも前半の方が楽でした。うまく3アンダーでターン出来たが、もう少し伸ばしたい所もありました」

 入れたい距離が入らない事が、松山の手、体、そして心に、少しずつ違和感を植え付けていく。10番では2mを外してボギー。11、12番でも2m、4mのチャンスが決まらない。
「途中までは良い感じで打てたが、入らなくなってから自信が無くなりました。結局、最後まで自信を持って打てなかったです」というパットは、最後まで復調しなかった。

14番ではバンカーに捕まり、グリーンとは逆方向に出す形となってこの日2つ目のボギーを数えると、15番でも1mのパーパットを沈められない。16番では2mにつけたが、2パットのパー。18番でも4mのバーディーパットをショートした。3バーディー、3ボギーのイーブンで、首位とは7打差の64位タイという思わぬ出遅れ。予選カットラインさえも気になる位置など、本人も周囲も、誰も予想はしていなかったはずだ。
「明日、いいスコアで行ければ、上位に行ける。ただ、今の状態では上には行けません」
 しかし、ゴルフ、とくにパッティングとは不思議なものだ。一晩寝て起きれば、別人のようになっていることが、プロの世界にでも起こり得る。2日目、松山のパッティングはまさに覚醒した。神がかっていたとさえ言っていい。1番で右ピンハイ3mを沈めると、2番では約8mをねじ込み、3番では3m、4番ではグリーン奥のエッジから5mを決めた。怒涛の4連続バーディー。「何なんですかね。色々変えている部分はありますが、何が正解か分からないまま、上手く出来ています」と、本人も驚く冴えは、止まらない。7番でもグリーン奥のエッジから6mをパターでチップインさせ、9番では3mのチャンスをしっかりものにした。前半はボギーなしの6バーディー。

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 10番でも、グリーンの外から段を越えて大きく右に切れていくラインを読み切った。11番ではパッティング時に強くなった風がボールをあおり、ボギーとし、12番でもアプローチを寄せきれずに連続ボギーとしたが、14番ではラフからのセカンドを1mにつけてこの日8つ目のバーディー。日没サスペンデッドと強風による長い中断を乗り越えて、3日目に残された4ホールをすべてパーで切り抜けると、首位とは4打差の10位タイ。しっかりと優勝戦線に食い込んでいた。2日目の66というベストスコアタイに、松山は珍しく、「素直に嬉しい」と喜びをストレートに表した。

「あと1日、同じようなパッティングができれば優勝のチャンスはあるかなと思います」

「"何か"が足りないから
勝てないのだと思う」

 ムービング"サンデー"となった第3ラウンド。この日も松山のスコアを左右したのは、そのパッティングだった。

しかし、それは逆の意味で、だった。何故か劇的に良くなったものが、あっという間に消えてなくなることも、受け入れなければいけない。
 ショットは変わらず好調だった。チャンスは何度も訪れた。しかし、パッティングのラインが、どうしても一筋ずつ、ずれていた。2番こそ、6mをど真ん中から決めたが、3番4m、4番4m、5番5m、6番3m、7番1m、8番5mと、バーディーパットがことごとく、沈んでくれない。ショートしたのは6番だけ。ちゃんと打ててはいるのに、ボールはカップ脇を次々とすり抜けていく。

 それでも、松山は粘った。9番で50cmにつけて楽々バーディー。12番では1mのチャンスを沈めて、この日3つ目のバーディーをもぎ取った。13番では、約12mのパットを2mオーバーしたが、嫌な返しのパットをねじ込んでパーセーブ。必死に流れを呼び込もうと頑張った。だが、「3打目がもう少し強ければ、バーディチャンスになりました。"3パット"が痛かったです」と振り返った14番。右ラフからのサードショットを転がして寄せに行ったが、グリーンの段に返されて花道へ。パターで打った4打目は3.5mオーバーし、返しもカップに蹴られて、痛恨のボギー。

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17番では、グリーン手前の入れてはいけないバンカーで2打を要し、この日2つ目のボギーとなった。結局、この日縮めたのは1打だけ。トータル7アンダーで、トップとは5打差に広がっての18位タイ。もっと優勝を意識して戦いたいのに、その場所に行けないもどかしさ。

「昨日までトップが10アンダーで、今日は2つしか伸びていません。自分が伸ばせればチャンスはありました」
 それでも、終わったことは仕方がない。まだ1日ある。

「5アンダー、6アンダー……もっと必要かもしれないが、それ位のゴルフが出来れば、もしかしたら行けるかなと思います」
 クラレットジャグ(優勝トロフィー)を諦めない気持ちは、最終日の松山のプレーからひしひしと伝わってきた。今大会、1番で3回目のバーディー発進を決めると、5番では、ラフからの2打目をピン奥3mにつけて、イーグル逃しのバーディー。7番でも2mを沈めて、前半を3アンダーで折り返すと、10番ではあとわずかでイーグルというスーパーショットを見せて、この日4つ目のバーディー。トータル11アンダーとし、一気にリーダーズボードを駆け上がって、首位とは1打差にまで詰め寄った。

 だが、見えてきた可能性は、12番で手からするりと抜け落ちていった。要因は、ここでもパッティングだった。わずか1mのパーパットを「引っかけて」、ボールはカップを覗くことなく、左を抜けた。「ミスヒットしてしまいました。もう少し落ち着いて打てば」と悔やんでも、時間は戻ってくれない。

 そこからは、「パーを取りにいくので精一杯」だった。15、16番ではティーショットが曲がって連続ボギー。そして、18番が何より今回の松山の全英オープンを象徴した。セカンドで2mにつけたが、最後もラインは合わなかった。無情にもカップの右を通り抜けていくボール。この日、4バーディー、3ボギー。トータル8アンダーで、トップとは7打差に開いての18位タイ。4日間を通じ、内容は充分に戦えていた。だが、振り返ってみれば、60台をマークできたのは第2ラウンドだけ。スコアに反映できなければ、どんなスーパーショットもパットも、松山にとっては結局、意味を成さない。
「今年まだ1回も勝っていません。ちょっと"何か"が足りないから勝てないのだと思います。やっぱりパッティングがすごく大きな部分を占めています。ただ、今週は1日、凄く入ったので、何が良かったのかを思い出して、次に繋げられるように練習します」

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 メジャーを争える力があることは、誰もがもう充分に分かった。でも、あと一歩が近いようで、遠い。"何か"とは一体、何なのだろうか。後ろの組で繰り広げられた優勝争い、プレーオフに、果たして松山はどんな事を感じただろう。

 舞台はスコットランドから、すぐさま福島でのダンロップ・スリクソン福島オープンへ。その"何か"を感じさせる松山の姿を、直接、目の前に見たいと言ったら、それは急ぎすぎだろうか。

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スコアボード

HOLE
Par
ROUND4
ROUND3
ROUND2
ROUND1
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 T
4 4 4 4 5 4 4 3 4 4 3 4 4 5 4 4 4 4 72
3
-1
4
-1
4
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4
-1
4
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5
-3
5
-2
5
-1
4
-1
4
-1
71
-1
4
E
3
-1
4
-1
4
-1
5
-1
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-1
3
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-2
4
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5
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3
-7
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-6
5
-5
4
-5
4
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4
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-6
4
-6
4
-6
66
-6
3
-1
4
-1
3
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3
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4
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5
-2
3
-2
4
-2
4
-2
6
-1
5
E
4
E
4
E
4
E
72
E

プレーオフ

優勝者 NO 1 2 3 4
HOLE 1 2 17 18
PAR 4 4 4 4
ザック ジョンソン 3 3 5 4
  マーク リーシュマン 5 4 5 4
  ルイ ウェストヘーゼン 3 4 5 4

リーダーズボード

Pos Name
1 ザック ジョンソン
2T マーク リーシュマン
2T ルイ ウェストヘーゼン
4T ジェイソン デイ
4T ジョーダン スピース
6T ダニー ウィレット
6T ジャスティン ローズ
6T セルヒオ ガルシア
6T ジョーダン ニーブルジェ
10T ブルックス コエプカ
10T アダム スコット
18T 松山 英樹
Total Thru Round R1 R2 R3 R4 Strokes
-15 F -6 66 71 70 66 273
-15 F -6 70 73 64 66 273
-15 F -3 67 70 67 69 273
-14 F -2 66 71 67 70 274
-14 F -3 67 72 66 69 274
-11 F -2 66 69 72 70 277
-11 F -2 71 68 68 70 277
-11 F -2 70 69 68 70 277
-11 F -2 67 73 67 70 277
-10 F -4 71 70 69 68 278
-10 F -1 70 67 70 71 278
-8 F -1 72 66 71 71 280

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松山英樹は2014年1月よりLEXUSの所属となりました。