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2015.04.29 - 05.03

WGCキャデラックマッチプレー選手権

力を見せつけた無敗のグループ突破
課題を見つけた世界一との一騎打ち

名前だけでプレッシャーを
相手に与えられる存在

 マスターズの激闘の後、次の大一番、全米オープンへ向けての初戦に松山英樹が選んだのは、世界ゴルフ選手権「キャデラック・マッチプレー」。昨年まで開催されていた2月から5月へと時期を移し、名称も変わった。また、2009年から行われていたアリゾナ州から、舞台も移動。今年はカリフォルニア州のTPCハーディングパークが会場となった。

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 試合形式にも変更が加わった。これまでは出場64選手が初日からトーナメント形式で覇を争っていたが、今回からは4人ずつ16のグループに分かれ、最初の3日間で総当たり戦を行い、1位通過した16人が残り2日間でトーナメントを行う。世界ランキング16位の松山は、シード選手としてグループ16に入った。つまり、同グループの他の3人は、言わば「格下」という事になる。「調子が良かったら皆アンダーで回ってくる。ここに出ている選手は皆そうだと思います」と言うように、もちろん松山自身は、そんなふうには捉えていないが、結果的に見れば、やはりこのグループの中での松山は、頭抜けていた。マスターズ5位を経て、松山のステージは更に上がったようだった。HIDEKI MATSUYAMAの文字が、少なからず相手の心に波風を起こす。そんな、名前だけでプレッシャーを与えられるような存在になってきたと言ったら、言い過ぎだろうか?
 初日の相手は、世界ランキング54位のアレクサンダー・レヴィ。昨年ヨーロッパツアーで2勝を飾った25歳。しかし、松山は圧倒した。前半を2アップとすると、後半は圧巻。11番では、4mのバーディーパットをレヴィが先に決めたが、松山も3mを入れ返して、反撃を許さない。すると続く12番では、セカンドを寄せられなかった相手に対し、松山は右奥のピンにしっかり突っ込んで3mにつけ、連続バーディー。

13番も同じような展開で、レヴィが9mの一方、松山はピン右1.5mで3連続バーディー。畳み掛けるような松山のゴルフにすっかり飲み込まれたのか、アップドーミーの14番では、松山が50cmにアプローチを寄せたのに対し、レヴィは4mで、パーパットも外す。5&4で早々に決着をつけた。
「パッティングがこれだけ決まると楽にプレー出来きます。それは良かったと思います。しばらくこういうパッティングが出来ていなかったので、それは凄く自信になるし、これを続けていけるように頑張りたいです」
 2日目は、世界ランク44位のヨースト・ルイテン。レヴィよりも格上で、ヨーロッパツアー通算4勝、2009年には賞金ランク2位にもなっている。しかし、ここでも松山は強かった。前半を2ダウンとし、後半も13番まで形勢が動かないジリジリする展開だったが、「1つバーディーを取れば、流れが変わってチャンスになるかなと思っていましたが、その通りになって良かったです」と振り返ったように、14番のバーディーが効いた。185ヤードのセカンドを、右奥のピンに対して攻めのショットで、奥1.5m。

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 これで、1ダウンとしてからが早かった。15番でも右奥のピンを果敢に狙って50cmにつけるスーパーショット。16番では、ルイテンのほうが近くにつけたが、先にバーディーパットを沈めて、ミスを誘った。ついに逆転して1アップ。
 締めは、18番での松山らしい豪快なイーグル。245ヤードのセカンドを、アイアンでグリーンに乗せ、転がったボールは左奥のピンの手前3.5mに。ルイテンも1.5mのバーディーチャンスにまで詰め寄ったが、松山は左に曲がる難しいラインを読んで、ジャストタッチでカップを捉えた。またしても畳み掛けるような攻めで、2アップの逆転勝利。
「ショットは良い所もあれば、良くない所も沢山あり、パットも昨日に比べたら良くないけど、最近の中では良い方かなと思います。ティーショットをしっかりしないと、午前中のような苦しい展開になると思うので、フェアウェイに置けるように頑張りたいです」
 3日目の相手は、昨年のザ・メモリアルトーナメントで、プレーオフを戦った、世界ランキング21位のケビン・ナ。
「勝たないと決勝に残れないので、そこでしっかり勝てるように頑張りたいです。別に何も変わらず普通にやりますよ。向こうも何も考えていないと思いますし」

 実際、松山は見た所、普通に戦った。普通でなかったのはリベンジしたい、ナの側だっただろう。松山は初日、2日目と変わらずの攻めで、ナを返り討ちにした。2アップで迎えた9番でナがバーディーを奪い、反撃に出ようとするが、隙は与えないとばかりに、後半の出だしから怒涛のラッシュ。10番では184ヤードのセカンドを、右奥のピンに対して、ショートサイドの2.7mにつけ、12番では105ヤードをピンの根元に落としてピン奥1.5m。13番は、またしてもピン右のショートサイド2.7mとし、14番では159ヤードから右ピンハイ1.2m。10番を取った後、12番から3連続アップで勝負を一気に決めた。初日と同じく5&4で、3連勝のグループ突破。

調子が良くなくても
スコアを作ってくる凄さ

 しかし、松山の口から出てくる言葉に、喜びの類は少ない。

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「ケビンも僕も、前半は良いプレーが出来なかったけど、後半に入ってアイアンショットが大分良くなってきたので、そこで一気に離す事が出来ました。けれど、ティーショットが不甲斐ないです。ミスパットは殆ど無かったし、そこで凄く助かっていました。ショットは右にも左にも行っているが、勝てたので良かったなと思います」
 反省の弁が続くのは、トーナメント1回戦の相手とも少なからず関係しているだろう。この時点ではまだ決まっていなかったが、世界ランク1位のロリー・マキロイか、昨年のフェデックスカップ王者、ビリー・ホーシェルのどちらかという事は、わかっている。
「今日のようなプレーをしていたら、午前中で離されると思うので、午後位のプレーをしっかり出来るように、明日の朝までに調整したいと思います」

 しかし4日目、その不安は、現実のものとなった。この日のパー3を除く10ホールのうち、フェアウェイを捉えたのは3回だけ。
「昨日までの3日間で良いティーショットの時は、久しぶりにモヤモヤがスッキリするようなショットがあったけど、今日はアイアンまで響いて修正しきれなかったという感じです」
 そして、本人は否定するかもしれないが、やはり、対戦したマキロイという存在が、プレーに影響した面もあるだろう。前日までの3日間とは、逆の立場という事だ。 
 1番こそバーディーで分けたが、その後のマキロイを止められなかった。前半8ホールで5ダウン。9番で、ピンの根元につけるショットにより、この日初めてアップを奪ったが、松山の反攻への狼煙を消すように、10番ではマキロイがバンカーからチップイン。12番でも、マキロイがピン筋に飛ばして1.5mにつけたのに対し、松山もラインは出ていたが、グリーンをオーバー。ドーミーとなった13番で、入れなければ先に進めない松山は、9mのバーディーパットを強めに打っていったが、カップ右を一筋抜けていき、万事休す。

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 6&5の大差に、苦笑いしながら、「言葉が出ないですね」と口を開いたが、実際は笑う余地など無い程だっただろう。マキロイのプレーを、「まあ、凄いですね」と言った後に、どの辺りが?と問われても、「もう、いいじゃないですか」と、自然と心が話を終わらせようとする。それでも、次の質問に対し、松山はなんとか言葉を紡ぎ出した。
「ロリーもあまり調子が良くない中で、ああいう風にスコアを作ってくるのはさすがだなと思いますし、そういうものをしっかり作っていけるように頑張りたいと思います」
 ただ、こう松山が言ったように、マスターズと同様、この1戦で課題は明確になったとも言える。本当のトップ中のトップのプレーヤーになるには、いかに安定感を出していけるかどうか。今回のように例え3日間、良いプレーを続けても、1日良くない日があれば、勝ち残っていけない。悪くないスコアを続けながら、しかも1日か2日、ビッグスコアを出さなければ、メジャーでは勝てない。そして、その為には、確たる自信を持つ事。
「来週、今のティーショットでは、多分予選も通れないと思うので、しっかり修正出来るように練習したいと思います。練習ではそんなに悪くないし、ただ試合で上手く打てないという事は、自分の中で何かが合っていないと思うので、そこをどう修正するかは分からないけれど、しっかり練習をして、来週には良い状態で挑めるように頑張りたいと思います」

 この言葉を聞けば、松山はその状況に確実に近づいてもいるのではないかと思わせる。そして、遠くない未来に、世界ナンバー1のプレーヤーと直に一対一で戦った事が大きかったと言える日が、きっと来るはずだ。次週は、通称「第5のメジャー」、ザ・プレーヤーズ選手権。経験を生かせる大きな舞台は、次々とやってくる。

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スコアボード

Win Name Score Name Win
ROUND 4
ロリー マキロイ 13H
6 and 5
松山 英樹  
ROUND 3
松山 英樹 14H
5 and 4
ケビン ナ  
ROUND 2
松山 英樹 18H
2 Up
ヨースト ルイテン  
ROUND 1
松山 英樹 14H
5 and 4
アレクサンダー レビー  

リーダーズボード

Win Name Score Name Win
決勝
ロリー マキロイ 16H
4 and 2
ゲーリー ウッドランド  
3位決定戦
  ジム フューリク 16H
3 and 2
ダニー ウィレット
準決勝
ロリー マキロイ 18H
1up
ジム フューリク  
  ダニー ウィレット 16H
3 and 2
ゲーリー ウッドランド
準々決勝
ロリー マキロイ 22 Holes
ポール ケイシー  
ダニー ウィレット 15H
4 and 3
トミー フリートウッド  
  ジョン センデン 15H
5 and 3
ゲーリー ウッドランド
  ルイ ウェストヘーゼン 16H
4 and 2
ジム フューリク

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松山英樹は2014年1月よりLEXUSの所属となりました。

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