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2015.01.29 - 02.01

ウェイスト・マネージメント・フェニックス・オープン

早くも2015年2度目の優勝争い
はっきりと見えた「成長」の証

窮地での戦いぶりにも表れた
1年前とは違う進化

 昨年、4位タイとなったウェイストマネジメント・フェニックスオープン。松山英樹は、「優勝争いをしたけれど、関係ないです。コースが改造されて違うので」と、その舞台、アリゾナ州TPCスコッツデールの今年の印象を語った。
「距離も伸びて、グリーンも、レイアウトも変わった。初めて来たコースだと思って頑張ります。グリーンはもう張り替えられたというよりは、作り変えられたような感じ。コースが変わっていますよね」

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しかし、変化したのはコースだけではない。松山もまた、1年を経て変わっていた。我々がこの試合で目にしたのは、間違いなく昨年よりベースアップを果たした松山の姿だった。
 それは決して、ナイスプレーからだけではない。初日を2アンダー、トップから5打差の29位タイとして迎えた2日目。危うく躓きかけた場面にも、松山の進化は見て取れた。10番からのスタートをいきなりのボギー発進とし、続く11番ではティーショットで左の池に入れてダブルボギー。さらに14番でもティーショットをOBとするトラブルでボギーとして、僅か4ホールで4打を献上。決勝ラウンド進出を危ぶまれる順位に急降下しては、どんなプレーヤーであってもやる気は削がれる。いや、「少しのミスも許せない」とでも言うような、ピリピリした雰囲気を纏いながらプレーしていた以前の松山だったら、11番の時点で既に気持ちは切れていたかもしれない。
 しかし、昨年終盤辺りから生まれた「ミスを許せる」余裕は、もはや、心の中で言い聞かせなければ出て来ないような不安定なものではなく、彼の通常のメンタルに、1つの要素として定着しているのだろう。彼のこの試合に向かう気持ちは、しっかりと繋ぎ留められた。効いたのは、14番の5mのボギーパット。
「ボギーで上がれたのは凄く大きかった。あそこで気持ちを切らさずに出来たのかなと思う。ダボだったら切れていたかもしれない」

 困難を乗り切れば、あとは上がるだけ。残る前半4ホールをパーで凌ぐと、後半1番ではティーショットを右に外しながらも6.5mにつけ、2番では9m、3番でも6mと、ミドルパットを3連続で決める。6番でもセカンドを60cmにつけるスーパーショットで、この日のスコアをイーブンにまで戻してみせた。「耐えましたね」と振り返ったラウンドで、首位から8打差に広がったものの、順位は27位タイに浮上。
「明日からトップがどれくらいになるか分からないけど、ミスをしないようにやれば差は縮まる。最終日に優勝争いが出来る位置で終われたら良いと思います」
 このレポートでこれまで何度か書いてきたが、松山の言葉はしばしば、すぐにそのまま現実となって現れる。「会心のラウンド? 会心なんですかね? お任せします」と、照れたように質問をはぐらかしたが、その表情を見ていれば、第3ラウンドがそうでなかった筈がない。ムービングデーに松山は、誰よりもスコアを大きく動かし、一気に優勝争いの一角に浮上する。
 2番で3mを沈めると、3番ではアプローチで「お先に」の距離につけ、連続バーディー。8番では7mを決め、13番でも3打目を50cmに寄せると、まさに圧巻しか言葉が見つからないのが、上がりの4ホール。

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15番でイーグル逃しの楽々バーディーとすると、名物のスタジアムホール、16番では、134ヤードを50度のウェッジでピン奥からバックスピン。「後半のバーディーで一番良かったのは、16番です。みんなを沸かせる事が出来た。入っていたら大盛り上がりだったのに。残念ですね」というカップを掠めるショットは、ギャラリーの熱狂ぶりという点では世界でも他に例を見ない本大会において、その盛り上がりを最高潮へと押し上げた。17番で1.5m、18番ではピン右奥からの5mもカップに吸い込まれる。4連続バーディーには、同組で回ったマーク・ウィルソンも、ひれ伏すポーズで松山を讃えるしかなかった。
「去年に比べれば、比べ物にならない位ミスが減っているし、ミスをしても仕方ないなと思えている。ちゃんと打てたら、ちゃんと打てたと自分の中で消化できている」
 この日の全体ベストである63。これは、昨年のクラウンプラザインビテーショナル3日目の64を上回るPGAツアー自己ベストでもある。
「ここまで伸ばせるとは思わなかったが、良いゴルフが出来たらここまで伸ばせる。優勝争いに加わったのは大きいと思います。普通に、明日勝てるように出来れば。緊張すると思うので、崩れないように頑張りたい」

加速させた1番のイーグル
課題は「大事な所でのプレー」

 トップとは3打差の10アンダー、2位タイ。今季早くも2度目の最終日最終組で戦う松山。まずは目の間にいる首位、マーティン・レアードにいかに追いつくかがポイント。だが、その課題はあっさりと達成された。勢いをつけたのは1番。129ヤードのセカンドが、数バウンドでピンの根本に落ちると、バックスピンでカップイン。自身、「びっくりした」というイーグルは、松山を一気に加速させる。3番では、グリーン右ラフから大きなアンジュレーションを上手く転がしての2.7mにつけるアプローチでバーディー。5番でも、左のネイティブエリアから右ピンハイ4mに乗せて、僅か5ホールで4打を稼ぎ出す。1番でバーディーを奪っていたレアードを、早くも捉えた。
 しかし、並んでからが難しい。松山もレアードも、スコアを動かす事が出来ない。逆に松山には、ショットでフィニッシュが決まらない場面が増えていった。9番では4.3mのチャンスも来たが、緊張感をさらに高めたいかのように、ボールはカップを避けていった。

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 それでも、先手を打ったのは松山だった。13番。レアードがティーショットで池に入れてパーセーブがやっとだったのに対し、松山はグリーン奥のラフから90cmに寄せてバーディー。2戦前のヒュンダイ・トーナメント・オブ・チャンピオンズでは立つ事が出来なかった単独首位となり、PGAツアー2勝目は、松山の指先かかりかけた。
 だが、痛かったのが直後の14番。「大事な所でのプレーがまだまだダメでした」と振り返るように、松山のパッティングは精度を欠いた。12mを打ちきれず、さらに、左に切れる1.8mのパーパットは、同じ方向からのブルックス・ケプカのパットが右に外れたのを見て浅く読んだのか、左に切れ、単独首位の座は1ホールで明け渡さなければいけなかった。
 14番のバーディーパットは、さらにその後のパッティングにも影響したように見えた。15番では5.8mの左に切れるラインが強めに入って、カップ右を2mオーバー。16番でも6.7mが左を抜ける。逆に17番では、4.3mの下りをショート。
 17番でトップに立ったケプカに追いつくには、18番でバーディーが必要だったが、ここでも5.5mのパットは、「ラインも違ったし、打ち切れなかった。凄く残念」。打ち出して直ぐに、ボールはカップへ向かう事を止め、進む方向を右に変えてしまった。

 昨年の2打差4位タイに対して、1打差に迫っての2位タイ。結果は良くなっても、やはり松山に満足感などなく、出てくるのはほとんどが自分を責める言葉だった。
「まだまだ練習が足りない。自信を持って試合に臨めていない。良いショットがなかった。それでもこの位置で終われたのは、自分自身成長したのかなとは思うけれど……。勝ちたいですし、経験は、次に勝ったときに活かされたと思える。早く勝てるように練習したいです」
 しかし、松山にとってはあまり意味を成さないのかもしれないが、2015年に入っての3戦中2戦で、最後のホールまで優勝を賭けて戦ったことは事実。しかも昨年のこの大会では、優勝争いをしたとは言え、18番まで勝負を持ち込んだとは言い難かった。これらは、松山も口にした「成長」を如実に物語っている。
 そして、1月のマウイ島で勝利を逃がした事も、ここで2勝目を手に出来なかった事も、先にもっと大きな果実が待っている事の裏返しだと信じたいし、今の松山なら、それも確信に限りなく近いものだと思えてくる。

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スコアボード

HOLE
Par
ROUND4
ROUND3
ROUND2
ROUND1
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 T
4 4 5 3 4 4 3 4 4 4 4 3 5 4 5 3 4 4 71
2
-2
4
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5
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5
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3
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67
-4
4
E
3
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3
-2
4
-2
4
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3
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3
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-6
3
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63
-8
3
3
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1
4
1
3
E
3
E
4
E
4
E
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3
5
3
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5
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3
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4
4
4
4
71
E
4
E
4
E
4
-1
3
-1
4
-1
4
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-2
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4
-3
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5
-3
5
-2
6
-1
3
-1
4
-1
3
-2
69
-2

リーダーズボード

Pos Name
1 ブルックス コエプカ
2T バッバ ワトソン
2T ライアン パーマー
2T 松山 英樹
5T ジョン・ラーム
5T マーティン レアード
7T フレディー ヤコブソン
7T ジョーダン スピース
7T グラハム デラート
10T ブラント スネデカー
10T ブライアン スチュアード
10T ダニエル ベルガー
10T ロバート ストレブ
10T ザック ジョンソン
Total Thru Round R1 R2 R3 R4 Strokes
-15 F -5 71 68 64 66 269
-14 F -6 65 71 69 65 270
-14 F -5 64 72 68 66 270
-14 F -4 69 71 63 67 270
-12 F -3 70 68 66 68 272
-12 F 1 66 66 68 72 272
-11 F -7 68 73 68 64 273
-11 F -6 70 68 70 65 273
-11 F -4 67 70 69 67 273
-10 F -5 70 68 70 66 274
-10 F -4 72 68 67 67 274
-10 F -2 65 69 71 69 274
-10 F -2 66 70 69 69 274
-10 F E 66 70 67 71 274

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松山英樹は2014年1月よりLEXUSの所属となりました。

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