TOUR RESULT

2014.05.29 - 06.01

ザ・メモリアルトーナメント

ついにつかんだPGAツアー優勝

日本人4人目の快挙
世界ランクは13位にアップ

 松山英樹がついに成し遂げた。日本人4人目のUSPGAツアー優勝。アマチュア時代を含めPGAツアー26試合目、プロ転向後21試合目はもちろん最速で、22歳も最年少と、日本人としては記録ずくめの勝利だった。しかも、勝ったのが全米オープン前哨戦として強豪選手が集うメモリアルトーナメント。フィールドの厚さも、これまででナンバー1だ。
 そして何より、前戦のクラウンプラザインビテーショナルでの屈辱を、わずか1週後に晴らしたことに大きな価値がある。思いや経験を、すぐに結果に変換させられる力──。

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 もちろん、週を追うごとに上がっていくゴルフの状態も、大きな原動力だった。初日2アンダー21位タイ、2日目トータル7アンダー4位タイ、そして3日目トータル10アンダー、首位のバッバ・ワトソンに2打差の単独3位で、2週続けて優勝争いの渦中に身を置くことになった松山は、期待感よりも先に不安を口にした先週とは明らかに違う松山だった。
「先週はまだ、調子は上がってきていても不安な部分が多かった。でも今週はだいぶんすっきりしてショットも打てている。先週よりはチャンスがあるのかなと思います。同じ結果になっても、先週と今週とは違うと思っている」

 この言葉通り、自信あるプレーは松山のスコアを前半から引き上げた。フロントナインを終えて14アンダーの単独トップ。対するマスターズチャンピオンのワトソンとアダム・スコットは13アンダー。

 サンデーバックナインに入ると、プレッシャーが各プレーヤーを苛み、シーソーゲームが過熱する。松山は10番から12番まではいずれもチャンスにつけながらパーどまりだったが、13番では先にピンに寄せたスコットよりもさらに内側につけるセカンドショットでバーディー。

14番では、セカンドがあわやグリーン右のクリークに入りそうなショットとなりボギーも、15番ではティーショットを左の斜面に打ち込みながら、セカンドでうまくフェアウェイに戻し、3打目を1メートルに寄せるナイスバーディー。
 この時点で、いったんは10、11番の連続バーディーで抜け出していたワトソンにふたたび並び、15アンダーのトップタイ。しかもワトソンは、14番でボギー、15番でダブルボギーとして後退する。また、一緒に回るスコットもトップタイに並ぶ場面がありながら、12番のダブルボギー、14、15番の連続ボギーで11アンダーとなり優勝争いから脱落。

 ミュアフィールドビレッジの上がり3ホールは、ウェルズファーゴ選手権の会場、クエイルホロウクラブの「グリーンマイル」に次いで、PGAツアーではもっとも難しいというデータがある。事実、ワトソンは3日間9ホールで5つのボギーを献上している。一方、松山は4バーディーノーボギー。とくに最終18番は3日連続バーディーとしており、この時点で、状況は松山に大きく有利かと思われた。

しかし、PGAツアーはやはり一筋縄ではいかない。勝負はまさにここからだった。

 16番。6番アイアンのティーショットは、グリーン右なら問題なくオンできる飛距離だった。

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しかし、「右から風が来ているのはわかっていたんですが、自分のミスで思ったより風に影響を受けて」、ボールは左に逸れ、松山自身の「ゴー」という声も届かず、グリーン左の池へ。ドロップゾーンからの3打目も近くに寄せることができず、ダブルボギー。
 さらに17番では、グリーンエッジのラフからのアプローチが芝の影響で思ったほどに飛ばず、残った3.5メートルのパーパットもカップの左をすり抜ける。

 松山も12アンダーに後退。ターゲットとすべきはワトソンから、この日8アンダーという驚異的なスコアで回り、すでに13アンダーでホールアウトしていたケビン・ナに変わる。

今週勝った自信を
全米オープンにつなげたい

 松山本人は3日目終了時点で18番ホールについて、「相性の良さは感じないです」と彼らしいコメントをしていたが、このあとの展開を振りかえれば、その考えもいまや少しは変化しているのではないだろうか。ミュアフィールドビレッジの18番は、18ホール中ランク1位の難ホール。

しかし松山は、このホールから4日間、歓迎を受けつづけた。松山にとって18番は、まさに勝利に直結する最重要ホールとなった。

 絶対にバーディーを取ってプレーオフに持ち込みたい場面で、ティーショットは不満の残る当たり。しかし、「フェアウェイにあったことで自分の気持ちを切り替えることができた」と松山はこのときの思いを説明する。

166ヤードのセカンドは、「ピンを狙うしかないショットで、風は右からだったので、自分の持ち球で風に乗せて打つだけだと思って」打ったボールは、左奥のピンに対し右手前1.5メートルに。プレーオフを決めるパットもど真ん中から沈め、何度も拳を振り下ろす。今大会史上初めての18番4日連続バーディー。

 これだけでは終わらない。ティーショットで満足のいくショットが出なかった松山は、ティーグラウンドでドライバーを地面に軽くたたきつけた。本人も、「ドライバーはそんなにたたいてないです」と語るように、それほど力が入ったようには見えなかったのだが、ティーマークに当たったシャフトが折れ、ドライバーが使用不能になった。

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「予備のドライバーがなかったのですが、あえてドライバーを入れるより3番ウッドで打ったほうが、一試合の流れで行ける」と思った松山は、プレーオフの18番のティーショットで3番ウッドを手にするが、ボールは、右サイドのバンカーに吸い込まれる。一方のケビン・ナはティーショットで左の池に入れたのだが、「ケビンがウォーターハザードに入ったのか、確認できてなかったので、いつもどおりに打ちました」という5番アイアンでのセカンドショットは、残り196ヤード。

しかし、これも力が入ったのか左に引っ掛かり、観客の足に当たってグリーン左のラフへ。バンカー越えで、エッジからピンまでの距離も近いアプローチも、ロブ気味に高く上げたものの、ピンを約3メートルオーバーする。

 しかし最後は、「練習ラウンドでアプローチ、パッティングがうまかったので絶対にボギーでは上がってくると思ったから、パーを獲ろう」という気持ちが効いた。2メートルほどのボギーパットを残すケビン・ナよりも先に、松山は下りで左に切れていく難しいラインのパーパットをきっちり沈めて、勝負をつける。
「練習でも入らないようなパットが最後に決まってくれた」

 前の週にうまくできなかった「最終日というところでのプレー」を、最後は少し乱れつつも、やり遂げた。ガッツポーズとキャディとの抱擁を終えた松山は、大会ホストのジャック・ニクラスに祝福され、このときばかりは22歳の若者らしい笑顔を弾けさせた。

「どういうコースなのかはプレジデンツカップで経験していましたし、そのときに今日一緒に回ったアダム・スコットと、たまたま組み合わせだったのですが、そのかいもあって、今日はすごく回りやすかった。ウェイストマネジメントフェニックスオープン、先週のクラウンプラザインビテーショナルと、優勝するチャンスがあったのに出来ず、悔しい思いがあったので、早く優勝できてうれしい。
このPGAツアー、このすばらしいコースで優勝できるということは、本当に自信にもなりますし、これからのゴルフにもつなげていけると思います」
今回のトーナメントの結果、世界ランキングも24位から13位にジャンプアップ。
自信最高の22位を大きく上回る事に成功、世界トップ10入りも見えてきた。

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 プロの世界ではよく、「初優勝よりも2勝目のほうが難しい」と言われる。しかし、日本、そしてアメリカでも規格外といえる急成長を続ける松山に限っては、この言葉は当てはまらないかもしれない。視界にはもう、次の勝利、そしてメジャー制覇をはっきりと捉える。なんともタイミングのいいことに、次の出場試合は1週を置いての全米オープン。どちらの目標も一度に達成することのできる、最高の舞台がすぐにやってくる。
2週後、そしてこれからの松山のさらなる「進化」を楽しみに待ちたい。

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スコアボード

HOLE
Par
ROUND4
ROUND3
ROUND2
ROUND1
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 T
4 4 4 3 5 4 5 3 4 4 5 3 4 4 5 3 4 4 72
3
-1
3
-2
5
-1
2
-2
5
-2
4
-2
4
-3
2
-4
4
-4
4
-4
5
-4
3
-4
3
-5
5
-4
4
-5
5
-3
5
-2
3
-3
69
4
E
4
E
3
-1
2
-2
5
-2
4
-2
4
-3
4
-2
4
-2
3
-3
6
-2
4
-1
4
-1
4
-1
4
-2
3
-2
4
-2
3
-3
69
4
-3
4
-3
5
-2
3
-2
4
-3
3
-4
5
-4
2
-5
4
-5
4
E
4
-1
3
-1
4
-1
4
-1
5
-1
3
-1
3
-2
3
-3
67
4
E
4
E
4
E
3
E
5
E
3
-1
4
-2
3
-2
4
-2
4
-2
6
-1
3
-1
5
E
4
E
4
-1
3
-1
4
-1
3
-2
70

プレーオフ

優勝者 NO 1
HOLE 18
PAR 4
松山英樹 4
  ケビンナ -

リーダーズボード

Pos Name
1 松山英樹
2 ケビン ナ
3 バッバ ワトソン
4T クリス カーク
4T アダム スコット
6T スティーブ ストリッカー
6T ベン カーティス
8T トービヨン オルセン
8T ビル ハース
8T ルーク ガスリー
8T ブレンドン トッド
8T カール シュワルツェル
Total Thru Round R1 R2 R3 R4 Strokes
-13 F -3 70 67 69 69 275
-13 F -8 72 69 70 64 275
-12 F E 66 69 69 72 276
-10 F -4 66 70 74 68 278
-10 F -1 69 70 68 71 278
-9 F -4 71 70 70 68 279
-9 F -2 69 71 69 70 279
-8 F -4 71 67 74 68 280
-8 F -4 73 67 72 68 280
-8 F -2 75 69 66 70 280
-8 F E 71 68 69 72 280
-8 F E 72 69 67 72 280

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松山英樹は2014年1月よりLEXUSの所属となりました。