さて今年の初投稿となりますが、PGAツアーはマウイのセントリートーナメントでのハリス・イングリッシュの優勝で幕を開けました。タイガーが腰の手術でマスターズに間に合うか心配ではありますが、毎週エキサイティングな展開が続いています。先々週は僕にとってもとても思い出深いフェニックスオープンが開催されました。この試合の過去映像などを見るたびにここで経験したことを思い返し、英樹への感謝の気持ちが年を重ねていく程に強くなっています。今年はテレビ解説として試合を観させていただきましたが、あっという間の5時間半、これぞまさにPGA!という最後の最後まで息が抜けない、ブルックス・ケプカによる最終日の大逆転勝利でした。ケプカもケガから復帰し、練習やトレーニングも十分にできるまでになり、あの憎らしいほど強い本来の実力が戻ってきました。2015年のフェニックスオープン、最終組で彼に敗れた悔しい思い出が甦ってきましたが、強いケプカが戻ってきたことはPGAツアーにとってもグッドニュースです。そしてもうひとり、ジョーダン・スピースです。2017年全英で優勝して以来の復活優勝は惜しくもケプカにさらわれましたが、3日目の61のスコアといい、10m級を次々とねじ込んでくるマジックパット!強いスピースを久しぶりに見れて心が躍りました。
ケプカのケガからの復活、ここ数年不調に陥っていたスピースの復活、まさに憎らしいほど強かった2人が戻ってきたことでPGAツアーでの優勝争いが益々熾烈になってくると思います。
今シーズンの英樹も、もちろんその熾烈な優勝争いに食い込んでくる選手のひとりです。
マウイからスタートし4試合を重ねてまだトップ10入りはなく、パターやショットは、本人も思うようにいっていない部分もあるかと思いますが世界でも指折りのアプローチテクニックで大崩れのない安定感は変わりません。あとは本当に噛み合わせが良くなればいつでも優勝争いに食い込んでくると思いますし、今シーズンから初めて専属コーチの目澤氏が帯同する中で相談しながら取り組んでいる姿をみてもチームでの一体感や信頼感が生まれてきているので2017年以来の優勝も十分にあると信じています。
そしてここからの2か月は、マスターズまでの道のりが近づいてきます。新型コロナウイルスにより延期になった昨年11月に行われた史上初の秋のオーガスタから半年。全選手が前回の経験を生かして戦えるチャンスを持っています。先ほどのケプカ、スピースの復活に加えて、現在調子を落としているファウラーやデイなどへの復活への期待が高まります。またDJやマキロイは引き続き高いパフォーマンスをキープし、そこに昨年のメジャーチャンピオンのデシャンボーやコリン・モリカワ、その他にも強く話題性のある選手が数え切れず、まさにPGAツアーは群雄割拠の戦国時代です。誰が勝ってもおかしくない実力伯仲の世界で英樹もその主役のひとりです。残り2か月試合をこなしながら徐々にマスターズに向けて仕上げてくると思います。本ブログをご覧の皆様も英樹のメジャー制覇を首を長くしてお待ちいただいているかと思いますが、いつかその時は来ると信じています。それは2ケ月後のマスターズかもしれません!引き続きチーム松山へのご声援をよろしくお願いいたします。
松山英樹元専属キャディ 進藤大典
Hideki Matsuyama former exclusive caddy Daisuke Shindo