La Festa Primavera 2019クラシックカーの祭典を LEXUS と共に“体験”

今年で 11 回目を迎えたクラシックカー・ラリー・イベントの「La Festa Primavera」が 4 月 19 日から 22 日までの 4 日間、中部・近畿地方を舞台に開催された。プリマヴェーラとはイタリア語で“春”の意味。ラフェスタ・プリマヴェーラも、文字どおり毎年春に行なわれ、秋に開催される姉妹イベントで、イタリアのミッレミリアから公認を受けているラフェスタ・ミッレミリアとともに日本を代表するクラシックカー・ラリー・イベントとして広く認知されている。
LEXUS はオフィシャルスポンサーとして今年もラフェスタ・プリマヴェーラをサポート。スタート地点で誇りある先導車を務めた LEXUS LC500 には、沿道から熱心な声援が送られた。
なお、イタリアのミッレミリア(イタリア語で「1,000 マイル」の意味)は、1927 年から 1957 年までイタリア北部で開催された公道レースで、1,000 マイル(約 1,600km)を不眠不休で走り、そのタイムを競った。現在のミッレミリアは1977年にタイムラリーとして復活したもので、オリジナルのミッレミリアに出場した車両のみ参加を認められており、伝統と格式を備える欧州の自動車文化のひとつである。

ラリーにはもともと「一ヵ所に集まる」という意味がある。さまざまな都市や国に本拠地を構える競技者たちが一同に介し、競い合い、再びそれぞれの本拠地に戻ることから、ラリーという言葉が使われ始めたとされる。もっとも、現在、本格的な自動車競技として行なわれているラリーからは「集結する(フランス語でコンサントラシオンと呼ばれる)」側面が省略され、ゴールからフィニッシュまでをときに全力で走りきり、ときに指定された時間内に走破して、その速さとミスの少なさを競う形態へと変化している。世界ラリー選手権(WRC)がその代表だろう。
こうした純粋な競技とは別に、いま静かなブームとなっているのがクラシックカーもしくはヴィンテージカーと呼ばれる車両で参加するラリー・イベントだ。日本で開催されるラフェスタ・プリマヴェーラも、この流れを汲むイベントである。
クラシックカーによるラリー・イベントの第一目的は、歴史的な価値の高い自動車をエントラントが持ち寄って、互いに素晴らしさを賞賛して親交を深めるとともに、その走行シーンを観客に披露してクラシックカーの魅力に触れてもらう点にある。多くの場合、タイムラリーといって指定された区間を走行し、その通過時間が主催者から指定された時間にもっとも近い者が栄冠を勝ち取るという競技性も盛り込まれてはいるが、勝敗はあくまでも二の次。イベントの本質はクラシックカーの価値を認め合う点にあるといえる。技術がまだ発展途上にあった時代に作られたクラシックカーはどれも実に個性豊か。また、同じ理由からデザインも魅惑的で印象的なものが多い。技術的に洗練された最新モデルが次々と登場するいっぽうで、そうしたクラシックカーで参加するラリー・イベントが注目されるのも無理からぬ話だろう。

今回のラフェスタ・プリマヴェーラも参加車両は多彩で、スタート地点の名古屋市の熱田神宮には豪華な顔ぶれが揃った。もっとも古い参加車両は 1925 年製のブガッティ T13 ブレシアで、このクルマを筆頭に戦前のモデルが 15 台も集結。戦後モデルも 1950 年代に生産されたものを中心に53台がエントリーしている。もっとも新しい車両は 1972 年製の日産フェアレディ 240Z で、このほかにもトヨタ 2000GT が 2 台(!)、トヨタ・スポーツ 800 が 1 台と合計で 4 台の日本車が出場した。
ドライバーの顔ぶれも華やかだ。堺正章さんは 1967 年製マセラティ・ミストラル、クレイジーケンバンドの横山 剣さんは 1956 年製オースティンヒーレー 100 BN2 を駆って参戦。そのほかにも自動車デザイナーのケン・オクヤマさん、元 F1 ドライバーの鈴木亜久里さんなどが出場してイベントに華を添えた。
こうした自動車を愛する“Car Guy”たちがステアリングを握る希少なクラシックカーが、LEXUS LC500 を先頭に列をなして出発の時を迎えた。名古屋を出発して三重、和歌山、大阪、奈良、兵庫、京都を巡るコースの全長はおよそ 1,250km と長いが、参加者たちは風光明媚な景勝地や心安らぐホテルに立ち寄りながらゴールを目指した。途中に設けられたチェックポイントには、たくさんのギャラリーが詰めかけ、歴史と文化薫る美しいクルマたちをファインダーに収める姿が見られた。
最終的に 1932 年製 MG C タイプで出場した山崎 学さん/山崎正芳さんが 4 日間を通して首位を守りきって優勝。2 位は 1972 年製フェアレディ 240Z で参加した横田正弘さん/大木悦子さん、3 位は 1957 年製 AC エースでエントリーした小林康隆さん/小林莉羅さんがそれぞれ勝ち取った。

クラシックカー・ラリーは、多くの人々がともに自動車のスタイリングやエンジニアリングの歴史を振り返ると同時に、開発者の人たちの挑戦や当時のライフスタイルに思いを巡らせるもので、それは、わたしたち人類の歩みをも再認識させ、未来のクルマ作りへとつながっていくのである。

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