2014.11
オーストラリアツアー/メルボルンカップ・カーニバル
OPENING
南半球に位置するオーストラリアは日本とは逆の季節。11月といえば夏の訪れを祝うイベントで華やぐシーズンです。歴史と伝統を受け継ぐ競馬の祭典、メルボルンカップ・カーニバルを堪能し、太古のシダが生い茂る熱帯雨林をドライブ。ファッショナブルなオージーたちも熱狂するクリエイティブな一皿や、ダイナミックな景観を望むラグジュアリーホテルのおもてなし。知性と革新、想像を超える喜びと感動。レクサスの掲げる “Progressive Luxury”をまさしく体感していただけるスペシャルなヴァカンスをレポートします。
Melbourne Cup Carnival
オーストラリア中が熱狂するホースレースへ。
今回のLEXUSAMAZING EXPERIENCEの旅の舞台はオーストラリア。それも国中が熱狂する”メルボルンカップ・カーニバル”、伝統と格式のホースレースへ。実はLEXUSオーストラリアは12年間に渡ってメルボルンカップ・カーニバルの公式スポンサーを務めている。このレースを特別席で観戦できるのがどんなに特別なことなのか。
1861年創設以来150年以上の歴史を持つ「メルボルンカップ・カーニバル」。あるメルボルン出身の女性がこんな話をしてくれた。「メルボルンカップ・カーニバルの主催はヴィクトリアレーシングクラブ。このクラブはイギリスの紳士クラブと同じ意味を持つの。現会員の推薦人が2人以上いないと入れないし、正式会員になるには数年かかる。メルボルンカップの4日間は毎日会場に足を運ぶわ」
朝10時。グランドハイアットホテルメルボルンのエレベーターを降りると、LEXUSデザインパビリオンの招待客の受付が。さあ、迎えのLEXUS車に乗り込んでフレミントン競馬場へ出かけよう。 車が横付けされたのは「バードケージ(鳥かご)」と呼ばれる、特別入場チケットがないと入れない社交エリア。中でもアイコン的な存在が一日250名だけの招待客限定「LEXUSデザインパビリオン」だ。
中へ入り目に飛び込んでくるのは、ヘッドドレスで着飾った女性たち、エスコートする正装の男性たちが、シャンパーニュグラスを片手に談笑している光景だ。メルボルンカップの日は州の祝日。開催される4日間は国を上げてのお祭りなのだ。乾杯しよう。ウェルカム・シャンパーニュは公式スポンサーのマムで、カラッと乾燥した初夏の陽気に乾いた喉を潤してくれた。
LEXUSデザインパビリオン
入り口にはオーストラリア初お目見えとなったLEXUS NXの特別モデルが展示されている。柔らかさとキリッとしたクリスプさとのバランスが調和したNXが、このパビリオンの建物・内装・フードにいたるまでのコンセプトとなっているのだ。
パビリオンの中ではさらにLEXUSらしさを体験できる。
パビリオン内はレースを楽しめるよう大画面テレビとブッカー(賭屋)の特別ブースが設置されている。天井を見上げると、伸びた枝から下がった小さなグラスに牡丹やカトレアなど、本物の花が活けられ、まるで春の森にいるかのようだ。手がけたのは、自然素材を使ったサステナブルなデザインで知られる新進気鋭の建築家、JOOST(ヨースト)。室内の見事な”庭“に誰もが一瞬目を奪われる。
料理はオーストラリアで予約が取れない名店として有名な『アッティカ』のシェフ、ベン・シェヴリと、TVにも出演が多いオーストラリア料理界のカリスマシェフ、ニール・ペリーの監修によるもの。ニール・ペリーは近日オープンするレストランの看板メニュー・グルメハンバーガーを特別にお披露目。ゲストは「ニール・ペリーのハンバーガーを世界で初めて食べられるなんて幸せ。このパティ、真ん中にリカーを少しだけ仕込んであって驚きだわ!」
3階のスカイデッキでは大胆なデザインのハットとドレスを着こなしている40代の女性に話しかけた。彼女はウォレルさん。サウス・ヤラから訪れているという。
「娘がヴィクトリア州代表としてコンテストに出る関係で、特別招待されたのよ。ほら、あれが娘よ。ブロディー」
白いドレスに黒のオーダーメード帽を被った女性がにこやかにこちらに挨拶を返してくれた(この最初の出会いに驚きの結末が待ち構えていると、後で知ることになる)。
世界一ファッショナブルなホースレース!?
臨場感を味わいたいなら、ぜひバードケージを出てパドックへ、と言われ外に出る。パドックは満開の薔薇の花、そしてヘッドドレスを付けてドレスアップした人人人! 薔薇はコース手前の柵、通路などいたるところに咲き乱れて、観客たちはカーニバルの名にふさわしくこの場を大いに楽しんでいる。競馬新聞を熱心に読んでいる紳士もいれば、「次のレースはこれだ!」と呼びかける予想屋もいるが、日本の競馬場とまったく様子が違う。誰もが着飾る紳士淑女。ここは社交の場なのだ。
グランドスタンドの前まで行くと、ちょうど次のレースの騎手と馬が、LEXUSのロゴを身にまとってパドックに出て行くところに遭遇、思わず声援を送る。
カーニバルの期間中は毎日ファッション・コンテストが開催され、その日の勝者が決定する。カーニバル3日目のオークスデイにはその勝者が集合、最終決勝が開催されるのだ。出場者たちは皆意匠を凝らした帽子を身につけ、ステージの出番を待つ。「彼女が今年の勝者?」という歓声が上がり、勝者が現れた。なんと、LEXUSデザインパビリオンの屋上で最初に挨拶し談笑したエレガントな女性、ブロディー・ウォレルさんだった!
パドックを散策しているとピンバッジを販売している紳士に「いかがですか?」と呼び止められる。聞いてみると、このピンバッジはチャリティーのためにオフィシャルグッズとして始めたもの。「くじも付いていて、ピンを買った人にはLEXUS IS 250 F SPORTが当たるかも」と。このピンバッジは優勝カップの形をしているので、記念品としても人気が高いようだ。
Melbourne Night
美食の街メルボルンを堪能する。
興奮冷めやらぬフレミントン競馬場を後にしてグランドハイアットメルボルンへ戻る。ディナー前に身支度をすべく部屋に戻ると、サプライズがベッドの上に。明日から1泊2日のヤラ・ヴァレー行きのために用意されたLEXUS特製トートバッグ、チョコレート、メッセージカード。バスルームにはロゴマーク入りのタオルまで。特別な休日を過ごすゲストへのサービスだ。
ディナーはホテルから歩いて5分、夜の外出を楽しむ人々で賑わうフェデレーション広場に面した『タクシー・キッチン』へ。
現代建築の隣に石造りの教会があるなど、メルボルンの昔と今を一望できる180度のパノラマビューは息を飲む。街にも、そしてレストランの中にも、ヘッドドレスで着飾った女性たちがいて、メルボルンカップカーニバルの名残を漂わせていた。
メルボルンは美食の街。オーストラリアは独自環境保護の観点から食物の輸入を厳しく制限しており、そのため、出身国の味を追い求めた移民たちが自らチーズやワイン、豆腐や味噌を昔ながらのやり方で作るようになった。その移民たちの味が融合して今のメルボルンのレストランの繁栄がある。『タクシー・キッチン』を有名にしたのは、実は日本人シェフの荒金育英さんだったそう。
スーシェフのサムに話を聞いた。
「今は荒金さんのレシピをそのまま出しているわけではないけれど、ヘッドシェフは一番弟子で彼から多くを学んだ人だ。実は、料理自体は西洋料理でも、ちょっとした工夫がしてあるんだ。例えば、ソテーにする魚の下ごしらえの時に昆布で挟んで旨味を染み込ませたり。それはメニューに書いていないことなんだけれど、そういう細かい”仕事“がこの店の魅力のひとつだと思うな」
Lexus Driving
一路ヤラ・ヴァレーへ。ドライブの旅の始まり。
一夜明けて、いよいよドライブ旅行の始まりだ。今回の目的地はヤラ・ヴァレー。ナビゲーションシステムがしっかり道案内してくれるし、日本と同じ左側通行なので、ラウンドアバウトや学区間での時間制スピード制限など、ちょっとした違いに慣れてしまえばあとはリラックスして運転できる。
いったんメルボルン湾に面したセント・キルダに出て、ヨットや豪華客船を眺める。この海の景色もメルボルンらしさのひとつだ。 しばらく海を眺めたあとは海岸線を離れ、ヤラ・ヴァレー方面へ北上。だんだん路肩に生い茂る樹木の高さが高くなり、まるでジュラ紀のような原生林に入る。1m以上あるシダ、窓を開けるとかすかにただよう薄荷のような香りはユーカリだろうか。オーストラリアを肌で感じるまたとない瞬間。ドライブの醍醐味だ。
腹ごしらえのため途中で『バーナム・ベーカリー&ピグリー・カフェ』に立ち寄る。雲ひとつない晴天、広々としたガーデンに面したテラス席でランチを食べる幸せな時間の始まりだ。スペシャルメニューのランチは自家製の生ハム、田舎風パテなどのミートプレートと、さまざまなサラダ。このカフェには菜園があり、野菜やハーブはそこで収穫したとびきり新鮮なものを使用している。カリフラワーのサラダはクミンシードでオリエンタルな風味に仕上げてある。何よりすべて素材の味が濃くておいしい。この地の滋養に満ちた味を噛みしめる。そして最後にカフェからのサプライズが。デザートプレートに、LEXUSのロゴが入った焼き菓子!
Fantastic Road to Winery
特別なワイナリー巡りへ。
ここから先はオーストラリア人の専属ドライバーと運転を交代。ワイナリー巡りの楽しみは、これぞ、と思ったワインを心置きなくテイスティングして買えること。というわけで、ランチのあと『コールド・ストリームヒルズ』に立ち寄る。著名なワイン評論家、ジェイムズ・ハリデイが原野を見て「ここでワインを造ればすごいものができる!」と始めたのがこのワイナリー。一日の寒暖差が大きいため、ここではとてもいいピノ・ノアール種ができる。またシャルドネも人気だ。
ワイン造りに集中するため通常はツアーを行っていないこのワイナリー。今回、チーフワインメーカーのアンドリュー・フレミング氏自ら特別に案内してくれたのは、著名なフットボール選手であるルーク・ダルシー氏の紹介から。オーストラリアのLEXUSアンバサダーでもあるダルシー氏が親しい友人のフレミング氏に声をかけたことで実現した。
その後もう1軒ワイナリー『ヤーリング・ステーション』を訪問。こちらは花盛りの庭、シンメトリーに手入れされたフランス式ガーデンが美しい。また、ワインテイスティングができるバーがあり、この日も賑わっていた。ワイナリーの雰囲気はそれぞれ違って、個性的だ。
ワイナリー巡りの最後は本日の宿泊場所『バルゴニー・エステイト』。ヴィンヤードに隣接したワイナリーには、宿泊用コテージが立ち並ぶ。部屋に入って窓から外を眺めると、生き生きとした葡萄畑が見えた。
ディナーはワイナリー併設のレストランへ。「葡萄の枯木で燻したステーキがお勧めですよ」とウエイターにささやかれ、沈む夕日と輝く葡萄畑を眺めながら楽しみに待つ。楽しい夜が更けていく。
Afterglow of the last driving
名残惜しい最後のドライブの先には。
夜明けは6時。満開の薔薇の香りに誘われ、早起きドライブに出かけてみる。しばらく走ると羊たちが放牧され草原に出て行く時間帯となった。ヤラ・ヴァレーの朝もやが、言葉を失うほど美しい。
旅の疲れには甘い甘い誘惑、というわけで、メルボルンに向けて戻るドライブの途中、『チョコレート・ファクトリー』に立ち寄る。ショップスタッフが味見を勧めてくれたのは、ヴィクトリア州ならではのハーブが使われたオーストラリア産チョコレート。中には唐辛子のような風味のものもあり、その新鮮な発想に驚く。その後『カフェ・ヴュー』に立ち寄り、広いガーデンを散歩しながら屋外アートを鑑賞する。
往路とは違ったルートを通り変化する車窓からの風景を楽しむ。ドライブの最後を飾ったのは、F1レース好きなら誰もが知るメルボルン市内、アルバート・パーク。レースが開催されていない時は普通に市民に公開されている公園だが、ピットガレージ前にはレースの雰囲気が漂っている。F1レースの様子を脳裏に思い描きながら、アルバート・パーク内の湖畔にあるレストラン『ザ・ポイント』でドライブは終了。名残惜しい旅の最後を飾るランチを頂く。上質のクリスタルのグラス入ったヤラ・ヴァレーのシャルドネで乾杯!
メルボルンカップ・カーニバルのゲストは「バードケージに入れるなんてすごい経験よ!」と言い、コールドストリーム・ヒルズを訪ねると伝えた料理関係者は「あそこのワインは本当に素晴らしい。羨ましいよ。オーストラリアのワインカルチャーを楽しんで!」と語った。そして、あるワイナリーのスタッフは「都会とワインカントリー、モダンと歴史、パーティと静けさを全部味わう旅ね」と微笑んだ。まさにLEXUSとともに日本では得られない希少な体験をする旅だった、と言えよう。
- ※車両は現行モデルとは一部仕様が異なります。