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LEXUS INTERNATIONAL President 澤良宏氏が語るLEXUSの未来の形

2017.05.17 WED
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LEXUS INTERNATIONAL President 澤良宏氏が語るLEXUSの未来の形

2017.05.17 WED
 LEXUS INTERNATIONAL President 澤良宏氏が語るLEXUSの未来の形
 LEXUS INTERNATIONAL President 澤良宏氏が語るLEXUSの未来の形

世界的なデザインイベント「ミラノデザインウィーク」への出展をはじめ、アートやデザイン、そして食など、カーブランドの枠を越えた活動を展開しているLEXUS。 澤良宏氏に、レクサスが目指す未来について聞いた。

(読了時間:約4分)

Text by Shunta Ishigami

ライフスタイルを豊かにするブランドをつくりたい

2017年2月11日(土)から3月12日(日)にかけて東京は六本木を舞台に開催されたテクノロジーアートの祭典「MEDIA AMBITION TOKYO」。
LEXUSは2014年から本イベントをサポートしており、2017年は「TOKYO LIGHT ODYSSEY : future by LEXUS」として映像デザインスタジオWOWとコラボレーションした作品も出展した。カーブランドであるLEXUSがなぜ「アート」をサポートし、作品をつくるのか? 一体LEXUSはどこに向かおうとしているのだろうか?

「単にラグジュアリーなプロダクトをつくるのではなくて、ライフスタイルを豊かにするブランドをつくりたいと思っているんです」。

そう語るのはデザイナー出身のチーフエンジニアという異色の経歴で注目を浴び、現在はLEXUS INTERNATIONAL Presidentの澤良宏氏。澤氏によれば、独自性のあるブランドをつくるにはプロダクトだけではなくさまざまなジャンルのクリエイターとともに世界観をつくっていく必要があるという。

事実、LEXUSはアートのみならずジャンルを超えて独自の取り組みを行っている。食による地域創生をテーマとした「DINING OUT」のようなイベントを開催することもあれば、プロゴルファー松山英樹選手や、エアロバティック・パイロットの室屋義秀選手などアスリートをサポートすることもある。

「MEDIA AMBITION TOKYO 2017」に出展された作品に登場する宇宙船「SKYJET」も、もとは映画監督リュック・ベッソンの最新作品『ヴァレリアン』のためにつくられたものであり、アーティストとのコラボレーションも盛んだ。2017年は宇宙船だけでなくラグジュアリーなオープンクルーザー「LEXUS Sport Yacht Concept」も発表し、世界的なデザイン展覧会ミラノデザインウィークにも10年以上出展をつづけるなど、その活動は多岐にわたる。

LEXUSブランドが「五感」を重視することに変わりはない

点と点の活動を積み重ねていくと次第に点が繋がりだし、新たな価値を生んでいくと澤氏は語る。「クリエイターをサポートすることで結局は我われの生活が豊かになるんです。豊かなライフスタイルのソリューションというのはデザインでありクリエイション。その切り口でどんどんブランドを広げていきたいと思っているんですが、今かなり手応えはありますね。歴史は買えないから、積み上げていくしかない」。

独自のブランドを築き上げるなかでLEXUSが重視しているのは「五感」だという。「プロダクトを提供するだけでは心の欲求を満たすことができません。背景にある五感がセットにならないと豊かな生活は生まれない。人間ってデジタルな世界にいると必ずフィジカルなものを求めてバランスをとるんです。だから心の満足というのも五感のバランスがとれていないと生まれません」。

とりわけ日本は、「おもてなし」の感性に代表されるように五感を満足させるレベルが非常に高い。「かつて浮世絵が欧米に影響を与えたように、日本がもつ独特の美意識や間の感覚を拠り所にすれば面白い世界が生まれるんじゃないかと思っています」。そう澤氏が語る日本独自の美意識は、最新モデルたる「LC」などすでにLEXUSの内装や空気感に反映されているものでもある。

Uberなどシェアリングエコノミーの普及や自動走行技術の進化、再生可能なエネルギー燃料の問題など自動車を巡る状況は目まぐるしく動いている。しかし、どのような未来が訪れたとしてもLEXUSが「五感」を重視することに変わりはないという。

「五感を満足させる努力がぶれなければやっていけると思います。時間はかかりますが、価値観やヴィジョンに共感してくれる人と一緒に手を繋いでいけたらいいなと。メソッドが変わったとしてもフィロソフィーは変わらないということですね」。そう澤氏は語る。

「日本の美意識を根底に置きながら、オリジナリティのあるライフスタイルブランドとして進化していきます」。

単なる自動車のブランドを超え「ライフスタイルブランド」として新たなステージを目指すLEXUS。宇宙船「SKYJET」が28世紀の空を飛んでいるように、そのフィロソフィーは形を変えながらも脈々と受け継がれていくに違いない。
リュック・ベッソン監督のSF作品『ヴァレリアン』に登場する1人乗り宇宙船「SKYJET」
リュック・ベッソン監督のSF作品『ヴァレリアン』に登場する1人乗り宇宙船「SKYJET」
マイアミで開催されたイベントで世界初披露された LEXUS Sport Yacht Concept
マイアミで開催されたイベントで世界初披露された LEXUS Sport Yacht Concept
「MEDIA AMBITION TOKYO」の会場でトークセッションを行った澤良宏氏(中央)
「MEDIA AMBITION TOKYO」の会場でトークセッションを行った澤良宏氏(中央)
SKYJETで未来街体験「TOKYO LIGHT ODYSSEY :future by LEXUS」
SKYJETで未来街体験「TOKYO LIGHT ODYSSEY :future by LEXUS」
澤良宏|Yoshihiro Sawa

澤良宏|Yoshihiro Sawa

LEXUS INTERNATIONAL President。京都工芸繊維大学意匠工芸学科卒業。1980年入社。カローラなどの小型車外形デザインを担当。米国駐在、内外装デザインを経て、異色のデザイナー出身チーフエンジニアとして、プジョー・シトロエンと共同生産を行う欧州戦略車アイゴの開発を担当し、2013年には常務理事に就任。2017年4月より現職。

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