TOUR RESULTTOUR RESULT

2016.07.28 - 07.31

全米プロゴルフ選手権

メジャー自己ベスト4位タイ
苦難の果てにようやく掴んだ喜び

「ひとまず、ほっとした」
5戦ぶりのアンダーパー発進

 第98回全米プロゴルフ選手権。開催地はニューヨークに程近い、ニュージャージー州のバルタスロールGC。このコース名を聞けば、多くの日本人が反応するはずだ。1980年全米オープン、現JGTO会長の青木功が帝王ジャック・ニクラスと演じた死闘。あの時の青木の2位は、これまでもっとも日本人がメジャーの栄冠に近づいた瞬間だ。

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 もちろん、松山英樹にはその再現どころか、青木を超える活躍を誰もが期待している。だが、やはり目下の松山が、「まずは4日間できるように頑張りたいです」と、あまり大きなことを言えないのも、みんな理解している。ザ・メモリアルトーナメント以来、予選カットなしのブリヂストンインビテーショナルを除き、3試合連続で予選落ち現状。まずは、予選を通過して、「そこから上位を目指して頑張りたいです」というのは、偽らざる本音だろう。

 迎えた初日、「練習では調子がいいです」とここ数戦言い続けてきた松山のゴルフが、ようやく実戦でも結果に繋がった。10番スタートのこの日、12番で7mから3パットを喫してボギーが先行したが、17番、18番と2ホール続けて、しっかりとバーディーを奪い、アンダーの世界に入った。特に18番では、セカンドショットを残り240ヤードからアイアンでピン筋に飛ばしての2オン。手前から転がってカップ左を掠めてピン奥2.5mにつけるスーパーショットだったから、バーディーでも不満が残ったかもしれない。後半に入っても3番で5.5mを沈めてバーディー。7番では再び3パットでこの日2つ目のボギーとしたが、3バーディー、2ボギーの、首位とは4打差で21位タイ発進。初日のアンダーパーは、実に5月のザ・プレーヤーズチャンピオンシップ以来5戦ぶりのことだ。

これには、松山も、「ひとまず安心と言うか、ほっとしています」と、安堵の表情を見せた。

 何よりこの日は、ショットが多くのチャンスを生んだ。10番では5m、13番で3m、1番で5.5m、8番で2.5m、最終9番でも2mにつけた。パットは決まらなかったが、ベント芝にポアナ芝が混ざった、不規則な転がりをするグリーンということもあってか、「12番のファーストパットをミスした以外は、本当にいいパットが続いていたので、あまり気にすることなく出来ました」と、それもストレスにはならなかったようだ。

「しばらく、こんなにパーオン(18ホール中15ホール)することもなかったですし、そういう意味では楽に挑めたかなという感じはあります。1日出来ても、2日、3日と今なかなか続かないんですが、今日もあまりいいとは思わない中でここまでまとめられた。スイングをいろいろ見直しはじめて、まだ数日しか経っていないのでどうなるかわからないですが、しっかりと明日も、今日のように粘り強く出来たらいいなと思います」

 今の松山に必要だったのは、やはり、試合における少しの自信だったのかもしれない。初日のアンダーパーが、2日目の松山を加速させたようだった。「いつ崩れるか分からないので、ドキドキしていた」と言うが、この日の松山のパーオン数は、初日の15ホールを超える16ホールを数え、チャンスも前日同様に多かった。

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1番でいきなり2打目を3mにつけると、2番では127ヤードのセカンドショットを52度のウェッジで、「落としたところも、戻り方もイメージ通り」というスーパーショット。ピン奥右に着弾したボールはバックスピンでカップに吸い込まれた。

 イーグルの後も3番では5mにつけ、4番では今度は約7mからバーディーパットが決まった。6番では、153ヤードの2打目で手を離しながらもピンの根元に突き刺してバーディーは3つ目。バーディーの後の5番と7番で2つのボギーを叩き、嫌な流れかとも思われたが、その後も松山のアイアンはチャンスを演出し続けた。9番で3m、11番、12番で4m、14番で2m、16番で5.5m、18番で4m。結局決まったのは、最終18番だけだったが、終わり良ければすべて良しというところか。1イーグル、3バーディー、2ボギーの3アンダー。トータル4アンダーは、首位から5打差の9位タイ。優勝も見える位置につけたこともあるが、それ以上に予選落ちの連鎖を断ち切れたことが、「けっこう嬉しいですよね」と、松山に笑顔を呼んだ。

「グリーンに乗ってはいるけど、思い通りのショットはほとんどない。ただ、ミスの幅は狭くなっている。感触としては良くないところも多かったりするが、それは良くなってきたからこその悩みだと思います。明日からその小さな悩みを克服していけるよう頑張りたいです」

「冷静に、メジャーで勝つために
どうすればいいか考えたい」

 その明日である大会3日目は悪天候となり、松山はスタートできずに終了。36ホールをこなす長丁場の4日目を迎えることになった。だた、全米オープンの予選36ホールを1日で回ったときにも、「体力的には余裕です」と語っていた松山だけに、逆にチャンスとさえ思っていたかもしれない。

 トップを5ストローク追いかけての、まずは第3ラウンド。やはり、決勝ラウンドを迎えられたことが、いい薬になったのか、ここでも松山の調子は崩れることはなかった。2番では、グリーンエッジから7mの左に切れるラインを放り込んでバーディーを先行。4番で4.5mのバーディーパットが決まらず、続く5番ではグリーン手前からの25ヤードのアプローチが5.5mにしか寄せられずに、この日初のボギーとしたが、決してズルズルとは行かない松山らしい強靭さが戻ってきたのだろう。9番では、右ピンハイ2mにティーショットをつけ、10番では178ヤードのセカンドショットをピン右奥5.5mに寄せて連続バーディー。その後も、バーディーパットは決まらなかったが、13番では5m強、14番では3.5m、16番では2mと、ピンを攻め続けた。

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前日と同様に、その攻めは18番で報われた。95ヤードの3打目をピン左奥1.5mに寄せて、この日4つ目のバーディー。ボギーは5番だけに抑えて、2日連続の3アンダーで、通算7アンダー。今年のマスターズの2打差には及ばないが、最終ラウンドを首位と4打差で迎える、堂々の優勝争いだ。

 松山は、続く最終ラウンドも疲れを見せることなく、好調なショットを武器にバルタスロールに挑んでいった。この18ホールのフェアウェイキープは第3ラウンドに続いて14ホール中11ホール。最終ラウンドでは、フェアウェイとグリーン周りの芝が刈り込まれた場所に行った球は、拾い上げてボールを拭き、プレースすることができる「プリファードライ」のルールが、メジャーで珍しく適用された。それだけに、このフェアウェイキープの高さは、松山の2打目以降の精度を第3ラウンド以上に高めたように映った。5番ではセカンドショットがピンの左根元を捉えた(結果的にはバックスピンで大きく戻ったが)。7番では、ピン手前4mについた。14番では、ウェッジでピン奥に落としたボールが、カップに向かってバックスピンで戻り、ボール2個分ほど、カップ左を通過した。15番では、5.5m。17番は、14番の再現のようだった。3打目が右手前のピンに対して、奥に着弾してバックスピン。今度は14番以上にカップに近いところを転がっていった。

 だが、最終ラウンドでもなかなか攻略できなかったのが、ポアナ芝が混ざって微妙な跳ね方をするグリーンだった。松山自身はやはり、初日と同じく、「あまり気にしなかった」と言うが、前述のチャンスはすべてカップを捉えられず、前半の9番で迎えた3mも沈んではくれない。

 それでも後半に入って、11番で7mの上って下り、左に曲がっていく難しいパットを沈めて、このラウンドの初バーディー。この時点で、首位のジミー・ウォーカーがスタート時と同じく11アンダーでとどまっていた。ここで畳み掛けたい松山は、続く12番でもスーパーショットを放った。2.5m。しかし、パットはカップ右を通過していった。ラインを見直す松山。苦笑いが浮かぶ。

 入らないパットが、さらに次のパット、さらに次のパットを難しく考えさせてしまう。あと一筋がずれる。「伸ばすためのパットが入らないと勝負にならない。そこが課題です」と松山は振り返ったが、12番の2.5mが決まっていれば、その後の多くのチャンスはどうなっていたことだろうか。

 それでも最終18番で、松山は意地を見せた。グリーン左手前のエッジから、3打目を3mに寄せて、この日2つ目のバーディー。18番は、4ラウンドすべてでバーディーを奪った。

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この日、2バーディー、ノーボギーで、4日連続のアンダーパー。これは実に、3月のアーノルド・パーマーインビテーショナル以来だ。

 通算9アンダーで、結果的には優勝したウォーカーに5打足りなかったが、昨年のマスターズ5位を越えてメジャー自己最高の4位タイ。いや、その記録以上に、ここ数戦、苦しみ抜いてきた末に結果を得られた事実が、ただただ今の松山には嬉しい。

「自信がないのが、ちょっと戻った。練習では"100"なんだけど、試合になって"0"になっていた。それが、今は少し残っている。悔しいのもあるけれど、4日間久しぶりに良いプレーが出来たことは嬉しかった。ちょっと冷静に、次にメジャーで勝つためにどうすればいいかを考えたいです」

 松山がようやく、長かったトンネルを抜け出したと信じたい。

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スコアボード

HOLE
Par
ROUND4
ROUND3
ROUND2
ROUND1
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 T
4 4 4 3 4 4 4 4 3 4 4 3 4 4 4 3 5 5 70
4
E
4
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4
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3
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4
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4
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4
-1
4
-1
3
-1
5
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4
-2
68
-2
4
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3
-1
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3
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5
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4
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4
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4
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2
-1
3
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4
-2
3
-2
4
-2
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3
-2
5
-2
4
-3
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-3
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-2
4
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2
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5
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-2
3
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4
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4
-2
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5
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-3
67
-3
4
-1
4
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3
-2
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-2
4
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4
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5
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4
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3
-1
4
E
4
E
4
1
4
1
4
1
4
1
3
1
4
E
4
-1
69
-1

リーダーズボード

Pos Name
1 ジミー・ウォーカー
2 ジェイソン・デイ
3 ダニエル・サマーヘイズ
4T ブランデン・グレース
4T 松山英樹
4T ブルックス・ケプカ
7T ヘンリック・ステンソン
7T マーティン・カイマー
7T ロバート・ストレブ
10T ティレル・ハットン
10T ポール・ケーシー
10T ウィリアム・マクガート
Total Thru Round R1 R2 R3 R4 Strokes
-14 F -3 65 66 68 67 266
-13 F -3 68 65 67 67 267
-10 F -4 70 67 67 66 270
-9 F -3 70 68 66 67 271
-9 F -2 69 67 67 68 271
-9 F E 68 67 66 70 271
-8 F 1 67 67 67 71 272
-8 F -4 66 69 71 66 272
-8 F -1 68 63 72 69 272
-7 F -2 71 68 66 68 273
-7 F -3 69 69 68 67 273
-7 F E 70 67 66 70 273

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松山英樹は2014年1月よりLEXUSの所属となりました。

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