TOUR RESULTTOUR RESULT

2016.07.14 - 07.17

全英オープン

初のメジャー2戦連続予選落ち
「何かを変えなければいけない」

好天の中でチャンスはあるのに
スコアを伸ばせない現状

 第145回全英オープン。舞台はロイヤル・トゥルーン。ここでは、1982年に倉本昌弘が全英オープン日本人歴代最高の4位を記録しており、1997年大会でも丸山茂樹が10位と、比較的、日本人プレーヤーが好成績を収めている。さらに言えば、前回ロイヤル・トゥルーンで行われた2004年大会で優勝したのは、アメリカのトッド・ハミルトン。彼が日本ツアーで長く活躍していた姿を記憶しているゴルフファンは、多いことだろう。

NEXT

∧

∨

 しかし、そんな同コースと日本との関連よりも、今の松山英樹にとって、いかに自分のゴルフを取り戻すか、という事が重要だったのは言うまでもない。ザ・メモリアルトーナメントと全米オープンでの2戦連続予選落ち。そして、予選カットのないWGCブリヂストンインビテーショナルでは42位タイ。WGCブリヂストンインビテーショナル最終日には9ラウンドぶりのアンダーパーを記録したが、それがどこまで自信回復に役立った事だろうか。

「調子は練習場ではずっと良いんですけど、試合になると良くないので、どうなるか分からないです。しっかりと練習場での調子を、試合でも保てるように頑張りたいと思います」

 全英オープン開幕前の松山はこんなコメントを残したが、これはここ数戦で聞かれた言葉とほぼ同じだ。やはり、今の松山にとっての何よりの特効薬は、1日だけでなく、何度も好ラウンドを積み重ねていく事以外に無いのかもしれない。

 迎えた初日。全英オープンらしい天候とは程遠い、晴天と微風とも言える風。こうなれば、自身のプレーを取り戻すという事に加えて、今大会で上位を争う為にも、好スコアが絶対に欲しいところだ。1日に四季があると言われるほど、いつ荒天に見舞われるか分からない全英オープン。伸ばせる時に伸ばしておかないと、後で痛い目に遭う。

 その意味で、松山は充分なスタートを切った。1番ではドライバーを振り抜いて、グリーン左手前までボールを運び、バーディースタート。4番では、1打目、2打目をアイアンで繋いで見事に2オン。7mほどのイーグルパットこそ、わずかに右に外したが、楽々のバーディー。4ホールを終えて2アンダーは、ほぼ思惑通りだった事だろう。

 だが、それでも流れには乗り切れていなかった。5番では、手を離してしまうティーショットでグリーンをオーバー。アプローチショットは、カップ手前で大きく右に切れていき、約2mのパーパットは決まらず、この日初のボギー。前半最後の9番では、左奥のピンに対して2打目をショートサイドのピンハイ2mにつけ、バーディーを返したが、これでアウトは2アンダー。この時点で上位は5アンダーや4アンダーに伸ばしており、インよりも比較的楽だと言われる前半のスコアとしては、不充分だった。「もう少しアウトで伸ばしたかったです」と、この日のラウンド後に松山も振り返ったが、実際、3番で約4m、6番で約2m、7番で約3mのチャンスを決められなかった事が悔やまれる。

NEXT

∧

∨

 向かい風になる10番からのインで、さらに松山の現状がプレーに反映されてしまった。10番では2打目をグリーン右に外し、アプローチも約3mショートして、この日2つ目のボギー。11番では、1打目、2打目とも、「ほぼ完璧に近い」と松山が言うほどだったが、ピン奥約2mからのバーディーパットは、カップの左の壁に蹴られた。13番では、約200ヤードの2打目をグリーンオーバーさせて、3つ目のボギー。スコアはイーブンに戻った。

 この日、松山のティーショットはほぼパーフェクトだった。フェアウェイを外したのは1回のみ。しかし、それが結果に繋がらない。パー3の14番を挟んで、15番ではその唯一の1打目のミスを見せたが、それでも残り188ヤードの3打目を約5mにつけて、パットもねじ込み、ナイスパーセーブ。だが、その後も肝心のバーディーパットがわずかずつカップからずれた。16番では4mがカップ左を抜け、18番では5mのパットがまたカップ左の壁に蹴られた。逆に17番では、1打目で右手を離し、グリーン左サイドからのアプローチがグリーンの反対側にまで転がって、この日4つ目のボギー。トータル1オーバーで、ホールアウト時は64位タイ。松山は午前のスタートで、多くの午後の組がまだ残っている事を考えると、出遅れは明らかだった。「オーバーパーは打ちたくなかったけれど、仕方がないです」と振り返った松山は、正直に現在の迷いを打ち明ける。

「ショットに関しては、前半すごく良かったのでいけるかなと思ったんですが、後半になって難しいホールが続くと、自分の中でなんか違うなとか、色んな事を思い始めて、最後の方は上手く打てなかったです」

 だが、それでも最終的には初日75位タイ。70位のカットラインはすぐ近くで、何よりまだ1日が終わっただけだ。「時間があるのでしっかりと調整して、あとはパッティングが入るのを待つだけかなと思います」と言うように、パットさえもう少し決まれば上手くいくという期待感もあるのだろう。翌日の荒れた天気の予報についても、松山は「意識はしていません」と気にも留めていなかった。

「少しでもミスをすると
悪い方向に考えてしまう」

 2日目。レインウェアを着込んでスタートした松山は、この日もスコアカード上ではまずまずのスタートを切った。4番までパーを重ね、迎えた5番ではピン左手前約3mにオン。

NEXT

∧

∨

右に曲がるラインも読み切った。前日に続いて、バーディー先行。このホールを迎えた時点で56位タイだった順位は、この1打で39位タイまで引き上げられた。

 だが、このホールまでの間にも、前日にポイントとして挙げたパッティングの場面で、首を傾げるシーンがあった。3番では3mのチャンスでカップに蹴られ、4番でも3mのバーディーパットが思ったほど右に切れずに、カップ左を通過した。

 その小さな綻びは、前述の5番のバーディーでも繕えなかった。6番では1打目で手を離し、長めのバーディーパットでは珍しくパンチが入り、グリーンの外まで転がってボギー。名物の「ポステージスタンプ(郵便切手)」と呼ばれる小さいグリーンの8番では、1打目が右ラフに外れて2つ目のボギー。1バーディー2ボギーで前半を折り返した時点で、順位は62位タイにまで下がっていた。

 後半に入ると、悪化した天候も松山を苦しめた。10番では左からの強い風に乗せたつもりの2打目が、まったく右に流れずにグリーン左奥の土手にオーバーしてボギー。11番では逆に、ドライバーで放ったティーショットが右からの風に乗って、ホール右に並行する電車の線路にまで飛んでいってしまった。痛恨のOB。それでも3打目を打ち直し、線路沿いの石垣そばからの180ヤードの4打目を、ピン手前1.5mに寄せるミラクルなショットで、傷をなんとか1打で食い止めたのは見事だった。

 ただ、この"スーパーボギー"も、松山に力を与えてくれなかった。風に加えて、振り出した強い雨も松山を阻んだ。12番では花道からのパッティングが、重くなったグリーンで思うように進まず、2mショート。3連続ボギーでトータル5オーバー、96位タイ。この時のカットラインは2オーバー。残り6ホールで3打が必要な状況は、かなり厳しい。

 だが、松山は耐え忍んだ。13、14、15番でいずれもパーオンを逃しながら、アプローチをすべて1~1.5mに寄せ、パーを連ねた。その内に、4オーバーの順位が71位まで上がってきていた。残り3ホールで1打縮めれば、予選通過が見えてくる。

 16番はパー5。しかも雨は止み、風も穏やかになっていた。バーディーを奪うなら、このホールだった。だが、この大きな局面でも、現状の松山の不安定さが顔を出した。1打目は右の深いラフ。2打目でフェアウェイに運び、3打目にチャンスを残したが、軽く抑えて打ったボールは引っ掛かって左のバンカーへ。2mのパーパットも決まらず、松山は天を仰ぐ。この時点で6オーバー。事実上、松山の4回目の全英オープンは、ここで終了した。

「悔しいです」と言う松山の表情は、もちろん硬い。17、18番でもボギーを叩き、8オーバー、111位タイ。初の全英オープン予選落ち。メジャー2戦連続予選落ちも、初の屈辱だ。

NEXT

∧

∨

「前半はそんなに悪くなかったが、後半に悪くなっていきました。何かを変えないといけないとは思います。変えないといけない事を知るためにも、しっかりと練習していきたい」

 2日目後半の荒天も、「自分の力が足りないところ。来年の全英では、こういう天候になっても自分を出せるようにしてきたいです」と、言い訳にならない事は分かっていた。同じ組で回り、スコアも同じような状況だったバッバ・ワトソンは、松山と同様に10番からボギーやダブルボギーを多く叩いたが、バーディーを2つ奪い返してカットライン上に踏みとどまった。今年のマスターズ王者、ダニー・ウィレットも、最終18番で長めのパーパットをねじ込み、決勝ラウンドを手繰り寄せた。ゴルフのテクニックに、そんな大きな差はないはずだ。やっぱり最後は、気の持ちようが彼らとの違いを生んでいるのだろうか。

「技術的な事もあると思うけれど、少しでもミスをすると悪い方向に考えてしまう精神的な事もあると思います。マイナスに考えても仕方がないし、次の試合でまずは予選通過出来るようにしたいです」

 次戦は今年最後のメジャー、全米プロゴルフ選手権。不調の要因をどこまで掴めるか。どこまで気持ちを切り替えて臨めるか。今、松山の底力が本当に試されている時なのかもしれない。

NEXT

∧

∨

スコアボード

HOLE
Par
ROUND4
ROUND3
ROUND2
ROUND1
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 T
4 4 4 5 3 5 4 3 4 4 4 4 4 3 4 5 3 4 71
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
4
E
4
E
4
E
5
E
2
-1
6
E
4
E
4
1
4
1
5
2
5
3
5
4
4
4
3
4
4
4
6
5
4
6
5
7
78
7
3
-1
4
-1
4
-1
4
-2
4
-1
5
-1
4
-1
3
-1
3
-2
5
-1
4
-1
4
-1
5
E
3
E
4
E
5
E
4
1
4
1
72
1

リーダーズボード

Pos Name
1 ヘンリック・ステンソン
2 フィル・ミケルソン
3 J.B. ホームズ
4 スティーブ・ストリッカー
5T ロリー・マキロイ
5T ティレル・ハットン
5T セルヒオ・ガルシア
8 アンドリュー・ジョンストン
9T ダスティン・ジョンソン
9T ソレン・ケルドセン
9T ビル・ハース
CUT 松山英樹
Total Thru Round R1 R2 R3 R4 Strokes
-20 F -8 68 65 68 63 264
-17 F -6 63 69 70 65 267
-6 F -2 70 70 69 69 278
-5 F -2 67 75 68 69 279
-4 F -4 69 71 73 67 280
-4 F -3 70 71 71 68 280
-4 F -2 68 70 73 69 280
-3 F 2 69 69 70 73 281
-2 F -1 71 69 72 70 282
-2 F 1 67 68 75 72 282
-2 F 4 68 70 69 75 282
8 - - 72 78 - - 150

∧

∨

  • LEXUSについて詳しくはこちらLEXUSについて詳しくはこちら
  • LEXUS COLLECTIONLEXUS COLLECTION

松山英樹は2014年1月よりLEXUSの所属となりました。

Close