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2016.06.16 - 06.19

全米オープン

自身2度目のメジャー予選カット
求められる「試合の中での修正力」

「勝つための準備をするだけ
良い練習が出来ました」

 第116回全米オープン。会場は、同大会最多9回目の開催となる、ペンシルベニア州のオークモントカントリークラブ。1953年に当地での3回目の大会を制したベン・ホーガンは、このコースを「ビースト(野獣)」と呼んだ。ただでさえ難しいセッティングとなる全米オープンの中でも、屈指の難コース。前回2007年大会の優勝スコアは5オーバー。過去8度の開催で4日間をアンダーパーでまとめられた選手は、わずか23人しかいない。

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 しかし、自身4度目の全米オープンを迎える松山英樹は、全く意に介さなかった。

「誰がやったって難しい。それは面白い。スコアはやってみないと分からないと思いますよ。みんな難しいとしか言わないと思う。行ったところ勝負でいいです」

 前戦のザ・メモリアルトーナメントで予選落ちを喫したものの、初日を2日後に控えた松山には、難コースに立ち向かうための気力の面でも技術の面でも、充実ぶりが見えた。

「ここで勝つための準備をするだけだと思っていました。良い練習が出来ました」

 しかし実際に開幕してみれば、「ビースト」は、本来の難しさとは違う形で松山を襲った。木曜日は雷雨のため、3度に渡ってサスペンデッド。松山は、1ホールも消化出来なかった。更に金曜日、9時6分に1番をスタートしていった松山を待っていたのは、練習ラウンドとは一変したコースコンディションだ。前日の雨のために軟らかくなったフェアウェイ、グリーン。「14.5フィート」というとんでもないグリーンスピードは出るはずもなく、それはパッティングだけでなく、グリーンを狙うショットにも影響を及ぼした。1番から3番まで無難にパーでまとめた松山だったが、2番の151ヤードのセカンドショットでは、ピンから19ヤードもショート。

硬いグリーンに跳ねて前に行くはずのボールが、止まって戻る。水曜日までの感覚をリセットして、現状にアジャストしなければいけない。

 それでも続く5番では、296ヤードのセカンドショットを3番ウッドで花道から転がして2オン。7mのイーグルチャンスこそ、カップ手前でわずかに左に切れて行ったが、楽々2パットで収めてバーディーを先行させた。悪くない立ち上がりだった。

 振り返れば、何より痛かったのが、次の5番ホールだろう。154ヤードのセカンドショットを左のバンカーに打ち込み、3打目は4mに寄せたが、そこから3パットのダブルボギー。ボギーパットは、わずかに1m。一つのミスが、徐々に松山の自信を浸食していく。

 9番では第3打のアプローチをピン奥に落としたが、スピンバックしたボールは右への傾斜につかまって、グリーン右のファーストカットへ。折り返して10番では、グリーン左サイドのラフに入り、20ヤードのアプローチは3.5mまでしか寄らず、パーパットは打った瞬間にカップ方向に歩き出した。痛恨の連続ボギーだ。

更に、2つしかないパー5はきっちりバーディーとしたいところだが、12番では129ヤードの3打目が6mにしか寄らず、パー止まり。流れを引き寄せることが出来ない。

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 13番では、グリーン右のバンカーからピンを4mオーバーし、この日3つ目のボギー。15番では、222ヤードの2打目で右手を離した。ザ・メモリアルトーナメントでも出ていた、シャンク気味の球がグリーン右のラフへと飛んでいく。これで、トータル5オーバー。

 1オンも狙える17番の短いパー4では、しっかりバーディーを返したが、このホールも決して満足のいく内容ではなかった。1打目で果敢にドライバーを振っていったが、当たりが悪く、グリーン左手前のフェアウェイに。前の16番でも、左に飛んだティーショットでうなだれていた。この頃には、パッティングにもショットにも、確信が持てなくなってきていたのかもしれない。

「練習場では自信満々ですが、
だんだん自信がなくなりました」

 第1ラウンドは、2バーディー、4ボギー、1ダブルボギーの4オーバー。

全体の予定が前日のサスペンデッドで大幅に遅れているため、約1時間30分の休憩を挟んで、すぐに第2ラウンドを開始しなければいけない。このわずかな時間を惜しむように、松山はドライビングレンジで打ち込み、修正を図った。だが、与えられた時間は短すぎた。

 スタートの10番ホール。ティーショットがフェアウェイを捉えられない。レイアップしての69ヤードの3打目は、ピンまで11mも残した。顔を背けて悔しがる松山。挽回を期す第2ラウンドは、いきなりのボギーで出端を挫かれた。

 13番では、ティーショットを左ピンハイ2mに運んでバーディー。しかし、この日の松山には、バーディーもなかなか薬にはなってくれない。15番では、206ヤードのセカンドショットをグリーン左奥の背の高い草のそばに打ち込み、ボギー。それでも、その3打目の左足下がり、前下がりの状況を考えれば、ナイスボギーとも言えるものだった。

 1オン可能な17番では、ドライバーショットがグリーン左サイドのラフに入り、そこからのロブショットは、ヘッドがボールの下を潜ってパーオン出来ず、更に3打目も寄らずに3つ目のボギー。18番では、ティーショットがフェアウェイ左のバンカーにつかまって、セカンドショットは前のアゴに当たって、ラフへ。

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「ただのミスショット。普通に打てばグリーンに乗せられる状況でした。あそこでちょっと気持ちが切れそうになりました。自分のスイングの悪さが出たのかなと」

 失われた自信は、後半に入っても更に松山のスコアカードを蝕んだ。1番では右ラフ、右ラフと渡り歩いて、グリーン右ラフからの29ヤードのアプローチは、グリーンを横切って反対側のラフへ。18番に続く、連続のダブルボギー。

 トータル10オーバーとなり、予選通過は大きく遠のいた。4番では、セカンドショットをラフに打ち込み、サードショット地点まで歩く途中、何度も下を向いた。6番では、1打目を左手前の深いバンカーに打ち込み、バンカーショットはピン奥の傾斜でカップに戻ってくるはずが、戻ってこない。それまでは、上手くいかなかったプレーに対し、悔しさをあらわにしていた松山だったが、ここでは苦笑いに変わっていた。

 7番でも、192ヤードのセカンドショットが左に飛んだ。あとわずか1ヤードでも右に飛んでいれば、ピンに向かって寄っていくはずだった。ラフからの3打目も、思うようにキャリーが出ずに、カップより手前で大きく右に曲がっていった。6番に続く、連続ボギー。

「早く終わりたいと思っていました。2人が良いので、邪魔しないように」

 トータル12オーバーの松山に対し、同組で回るダスティン・ジョンソンは4アンダー、セルヒオ・ガルシアは2アンダー。「頭の中では分かっていても、イメージが出ませんでした」と、松山は開幕前とこの日のコースコンディションの違いに対応出来なかった事を明かしたが、2人の好スコアを見れば、決して言い訳には出来ない事も分かっていた。ガルシアは逆に、「ソフトなコンディションに助けられた」とも言っていたのだから。

「コースに対して打っていくための力がないのと、コースが難しいから、そうなってしまうというのもあります。でも、そこで崩れるような力なら、ここでは通用しません。崩れてしまっている現実が悔しいです。修正出来ないのが、今の自分の力。次にまた同じような機会があれば、もうちょっと上手く修正出来るようにしたいです」

 半分の選手は翌日に第2ラウンドを行うため、ホールアウト時点ではまだ予選カットラインはわからなかったが、松山はすでに予選落ちを見越して話をしていた。実際、次の日に予選ラウンドを終了して、カットラインは6オーバー。6打足りずに、メジャーでは2014年マスターズ以来となる自身2度目の予選落ち。2試合連続予選落ちも、その2014年マスターズと次戦RBCヘリテージ以来、米国PGAツアーで2度目の屈辱だ。

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「良い形で入ったつもりだったんですけど、一つのミスでどんどん悪くなって、最後はもうどうやって打ったらいいんだろうという感じでした。少しでも良いフィーリングが出たらアジャスト出来て、ここまで大叩きする事はなかったと思うんですけど、それがなかなか上手く出来ないでいますね。今はショットへの自信がない。練習場では自信満々なんですが、だんだん自信がなくなり、1ラウンドが終わった頃には言葉も出ないくらいになっている。そういうことが続いています。良い所もあるんですけどね。今、自分が何をしたいのかが分かっていない。それをしっかりと次の試合までに作っていきたいと思います」

 練習で出来ていた事が、試合で出来ない。これは、ザ・メモリアルトーナメントでも聞かれた言葉だ。次の試合まで、「立て直せるか、まだ心配」と、正直に弱気なコメントをするところを見ると、悩みはかなり深いのかもしれない。

 ただ、この状況は、思い返せば今年のマスターズ・トーナメント、そしてザ・プレーヤーズ選手権という2つのビッグタイトルを、優勝争いをしながら逃したことに端を発する。このままではなく、更なるレベルアップをしなければ、目標は達成出来ない。だからこそ、様々な要素を見直し、チェンジを自らに課してきたのだ。

 この最後の壁を乗り越えなければ、更なる先には行けない事を、松山はもとより充分に分っているはずだ。

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スコアボード

HOLE
Par
ROUND4
ROUND3
ROUND2
ROUND1
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 T
4 4 4 5 4 3 4 3 4 4 4 5 3 4 4 3 4 4 70
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6
6
4
6
4
6
5
6
4
6
4
7
5
8
3
8
4
8
5
1
4
1
5
1
2
E
4
E
5
1
3
1
5
2
6
4
78
8
4
E
4
E
4
E
4
-1
6
1
3
1
4
1
3
1
5
2
5
3
4
3
5
3
4
4
4
4
5
5
3
5
3
4
4
4
74
4

リーダーズボード

Pos Name
1 ダスティン・ジョンソン
2T ジム・フューリック
2T スコット・ピアシー
2T シェーン・ローリー
5T セルヒオ・ガルシア
5T ブランデン・グレース
7 ケビン・ナ
8T ジェイソン・ダフナー
8T ザック・ジョンソン
8T ジェイソン・デイ
8T ダニエル・サマーヘイズ
CUT 松山 英樹
Total Thru Round R1 R2 R3 R4 Strokes
-4 F -1 67 69 71 69 276
-1 F -4 71 68 74 66 279
-1 F -1 68 70 72 69 279
-1 F 6 68 70 65 76 279
E F E 68 70 72 70 280
E F 1 73 70 66 71 280
1 F -1 75 68 69 69 281
2 F E 73 71 68 70 282
2 F 1 71 69 71 71 282
2 F 1 76 69 66 71 282
2 F 4 74 65 69 74 282
12 -- -- 74 78 -- -- 152

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松山英樹は2014年1月よりLEXUSの所属となりました。

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