TOUR RESULTTOUR RESULT

2015.08.13 - 08.16

全米プロゴルフ選手権

60台を一度も出せずに37位タイ
屈辱の中から見つけたものは何か?

メジャーウィークに入って
消えた復調への足掛かり

 今年の全米プロ選手権の会場は、3度目の開催となるウィスリングストレイツ。全米オープン、全英オープンに続き、1年で3回もリンクスタイプのコースでメジャーが行われるのは異例だ。しかし、初めて当地で戦う松山英樹の目には、ちょっと違って見えるらしい。
「ここはそんなにリンクスっぽくないです。ショットのランも出ないし、ショットの精度が大事にはなると思います」

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 そのショットの出来は、前週のブリヂストンインビテーショナルで、復調への足掛かりを掴みかけた筈だったが、メジャーウィークを迎えて松山の口調は重かった。
「良くないですね。パットも良いとは言えないです」

実際、コースで練習ラウンドを重ねても、プラクティスレンジで時間を惜しんで打ち込んでも、松山の手に納得のいく感触は中々残らなかった。

 だが、ひとたび実戦の場に出ていけば、なんとかしてしまうのが松山だ。メジャー優勝に向けての今年最後のチャンスに、松山は初日序盤から飛ばした。朝6時55分の10番スタートとなったこの日、11番でグリーン手前32ヤードからのアプローチをピタリと寄せて、ウィスリングストレイツでの初バーディーとすると、14番では132ヤードの2打目が右ピンハイ2.5mについて、2つ目のバーディー。16番では、グリーン手前からのアプローチが、カップに弾かれてイーグルは逃したものの、1.5mのチャンスメイクからバーディー。18番では、今度はショットではなく、パットで決めた。8mと長めのバーディーパットがカップを捉える。リーダーズボードの一番上に、MATSUYAMAの文字が躍った。

 しかし後半、松山の勢いが失速した。きっかけは、2番だろうか。ピン手前3.8mのバーディーパットが入ったと思い、松山がカップに向かって歩き出そうとした瞬間、ボールはカップの右を抜けていった。

 後半もう一つのパー5である5番で、3m弱のパットを沈めて5アンダーとしたが、ミシガン湖沿いのコースに吹く風が強さを増した事も加わり、終盤の4ホールが進むごとにMATSUYAMAの表示は下がっていった。6番ではグリーン奥のラフからのアプローチが寄せきれず、8番でもアプローチが4.5mと距離を残すと、この日の最終9番でも2mのパーパットが決まらない。5バーディー、3ボギーの2アンダー。強くなった風に午後スタートの選手たちが翻弄された事もあって、首位から4打差の15位タイという初日となったが、明日は我が身。午後スタートの2日目に向けて、決して2アンダーは安心できるスコアとは言えないし、1日の終え方として4ホール中3ボギーはいただけない。

 それでも松山が、「もうちょっと良ければ勿論良かったが、もう終わった事なので、明日に向けて修正する事はして、伸ばして行けたら良いです」と前向きだったのは、ショットに対しての満足度が上がってきた事にある。

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「終盤、ショットに自信が持てなくなったという事はないです。後半も良いショットは打てていた。ショットは悪くないと思いますし、パットも悪くなかったと思います」

 コースについて、「フェアウェイを捉えればさほど難しくない感じはあります。ショットが本当に大事なコースです」と言うだけに、復調気配は何よりの福音だ。

 しかも2日目、前日とは打って変わって、風は午後になっても穏やかさを保ってくれた。12時10分に1番からスタートする松山に、スコアを伸ばす条件は整っていた。

 だが、日が変われば、体も変わる。
「良い感じになってもすぐ忘れてしまうし、思うように体が動かせないというのもあります」

 松山の2日目は、一進一退の18ホールとなった。2番で3パットのボギーとすると、5番ではアプローチパットをきっちり寄せてバーディー。7番では6mのパットを沈めてバーディーとしたが、8番ではティーショットが右に出てボギー。しかし、すぐさま9番で3.5mを決めて、バウンスバックを果たす。

 後半も、13番でセカンドショットを2mにつけ、16番でもサードショットを1mに突き刺してバーディーを奪ったかと思えば、最終18番では右ラフから2打目を刻まざるを得ず、この日3つ目のボギー。

初日と同じく5バーディー、3ボギーの2アンダー、トータル4アンダー。大学の先輩、岩田寛が63のコースレコードを叩き出したのを筆頭に、多くの選手が60台のスコアをマークする中、松山の70のスコアでは、順位こそ変わらなかったが、トップとは7打差に大きく広がってしまった。

 何より辛かったのが、ティーショットだ。前日85.71%だったフェアウェイキープ率が28.57%では、「パットも良いとは言えないけど、微妙なパーパットは入っているし、そこは良かったです」というパッティングがあっても、攻略が難しくなるのは当然。
「しっかりと練習して、良いイメージが出るようになれば、また変わってくると思います」

メジャー4戦で予選突破も
「目指しているのはそこじゃない」

 ムービングデーにビッグスコアを出して、最終日の優勝争いに加わりたい。その思いが、3日目のショットに変化を促したのか、1日が経過すると、また松山の打つボールは、フェアウェイの幅に収まり、グリーンを捉えるようになっていた。

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「少しずつ良くなっている感触はありました」というように、フェアウェイキープ率71.43、パーオン率は初日と同じく72.22%。データの改善はスコアにも表れ、5番で37ヤードの3打目をベタピンにつけてバーディーを奪うと、8、9番でも2mを沈めて連続バーディー。折り返して11番でも2オンからきっちりとこの日4つ目のバーディーを取り、この時点で首位とは4打差の6位タイにまで順位が上がっていた。

 だが、トップの背中が見えてきた事が、逆に松山から冷静さを、束の間失わせた。15番、グリーン左手前からの3打目のバンカーショットは、左足だけラフに置くという難しい状況だったが、「ボギーを打つと厳しくなるのは分かっていたし、寄せたい意識が強すぎた」結果、クリーンにヒットしてしまい、グリーン奥にオーバー。続く4打目もグリーン反対側のラフにオーバーさせて、痛恨のトリプルボギー。

 続くパー5の16番でバーディーを奪ったが、17番で3パットのボギーを叩き、5バーディー、1ボギー、1トリプルボギーの、この日1アンダー。終わってみれば、前2日間よりも悪い71で、順位は24位タイ。首位は10打先と、さらに遠くなっていた。

「出来るだけ良いスコアで回って、その結果がベスト10だったら良いかなと思う。しっかりやる事をやり、良いラウンドをして今週を終えたい」

 一度はその渦中に身を置けそうな所まで迫りながら、結局、"優勝争い"という言葉を使う事もできない順位とスコア。仕方なく"トップ10"という目標を掲げなければいけない松山の心境とはいかなるものか。

 だからといってベストを尽くす事をやめてしまう松山では勿論ないが、最終日の松山のプレーは、前の3日間以上に精彩を欠いた。「今日は、また悪い方にいってしまいました」というショットは、フェアウェイキープ率35.71%、パーオン率は4日間で最も悪い50.00%(2日目は55.56%)。2番から3連続ボギーを叩き、5番では3打目を1mに寄せてバーディーとしたが、8番ではティーショットを右に曲げてロストボールからダブルボギー。インに入ってからは、10番では1.5m、14番では4mを沈め、16番では2オンから2パットでバーディーとしたが、11番のボギーもあって、この日のスコアを2オーバーまで戻すのが精一杯。トップグループは、4日間中3日間以上60台をマークしているのに対し、松山は60台を一度も記録できずに、この日4バーディー、4ボギー、1ダブルボギーでトータル3アンダー、37位タイのフィニッシュ。今年のメジャーで最も悪い成績(マスターズ5位、全米オープン18位タイ、全英オープン18位タイ)となり、首位から17打差(マスターズ7打差、全米オープン8打差、全英オープン7打差)も、今年ワーストの屈辱。

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もちろん、全てで決勝ラウンドへと駒を進めた事は評価できるが、「目指しているのはそこじゃないし、優勝争いという部分では出来なかった」と、今となれば4つ全部に満足度は低い。

 しかも今回は、マスターズでの「60台は凄く嬉しいです」、全米オープンでの「アダム(スコット)と遜色ない位のショットが打てました」、全英オープンでの「今週は1日、すごく入りました」などといった、自身の良い部分を探すような言葉もなかった。その意味では、松山にとって、これまでにない大きなショックを与えられた一戦なのかもしれない。

 しかし、その代わりという訳ではないが、松山はこんな言葉も残している。
「普通のレギュラーツアーと同じような感じでやっているけど、中々上手くいかない。何か考えなきゃいけないのかな、とは思います」

 松山は全英オープンの際、「ちょっと"何か"が足りないから勝てないのだと思います」と言っていた。その"何か"への答えが、松山の中で見つかったという事なのだろうか。今回の全米プロが松山にとって、良い意味でのターニングポイントになるのかもしれない。

 

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スコアボード

HOLE
Par
ROUND4
ROUND3
ROUND2
ROUND1
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 T
4 5 3 4 5 4 3 4 4 4 5 3 4 4 4 5 3 4 72
4
E
6
1
4
2
5
3
4
2
4
2
3
2
6
4
4
4
3
3
6
4
3
4
4
4
3
3
4
3
4
2
3
2
4
2
74
2
4
E
5
E
3
E
4
E
4
-1
4
-1
3
-1
3
-2
3
-3
4
-3
4
-4
3
-4
4
-4
4
-4
7
-1
4
-2
4
-1
4
-1
71
-1
4
E
6
1
3
1
4
1
4
E
4
E
2
-1
5
E
3
-1
4
-1
5
-1
3
-1
3
-2
4
-2
4
-2
4
-3
3
-3
5
-2
70
-2
4
-4
5
-4
3
-4
4
-4
4
-5
5
-4
3
-4
5
-3
5
-2
4
E
4
-1
3
-1
4
-1
3
-2
4
-2
4
-3
3
-3
3
-4
70
-2

リーダーズボード

Pos Name
1 ジェイソン デイ
2 ジョーダン スピース
3 ブランデン グレイス
4 ジャスティン ローズ
5T ブルックス コエプカ
5T アニルバン ラヒリ
7T ジョージ クッツェー
7T マット クーチャー
7T ダスティン ジョンソン
10T ロバート ストレブ
10T トニー フィナウ
37T 松山 英樹
Total Thru Round R1 R2 R3 R4 Strokes
-20 F -5 68 67 66 67 268
-17 F -4 71 67 65 68 271
-15 F -3 71 69 64 69 273
-14 F -2 69 67 68 70 274
-13 F -6 73 69 67 66 275
-13 F -4 70 67 70 68 275
-12 F -5 74 65 70 67 276
-12 F -4 68 72 68 68 276
-12 F -3 66 73 68 69 276
-11 F -5 70 73 67 67 277
-11 F -1 71 66 69 71 277
-3 F 2 70 70 71 74 285

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松山英樹は2014年1月よりLEXUSの所属となりました。

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