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2015.04.09 - 04.12

マスターズ・トーナメント

最終日66と単独5位で見えた
「メジャー優勝」への距離感

「『やってやるぞ』という
感じでもなく、本当に普通」

 悔しい80ストローク、3度目で初の予選落ちという屈辱から丸1年。ここまでの365日は、全て今週のため、と言ってもいい位だったのではないだろうか。いよいよ迎えた、松山英樹4度目のマスターズトーナメント。
「調子は普通かなあと思います。良いとは言えない。悪いとも言えない。気持ちは変に緊張もしていない。普通の感じ。『やってやるぞ』という感じでもなく、本当に普通の感じです」

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 開幕前日の水曜日、意気込みを聞かれた彼は、これまでと何も変わらないような言葉を残した。しかし、昨年の今とは確実に違う部分もある。一つは体調。左手首の痛みに端を発した、体の様々な変調は、今年はもうほとんど心配ない。もう一つは、自ら築き上げた立場。昨年、初優勝を果たし、今シーズンも既に4回、トップ5に名前を刻んだ。
 この2つこそ、大一番を迎えても「普通」でいられる要因であり、つまりは、「普通」である事が何より昨年と異なるのかもしれない。これまでももちろんメジャー優勝を目指してきたのは間違いないが、まだそれはどこかおぼろげな部分も含んでいた。しかし、今回は本当に「普通」に勝利を見据えられるだけのものが松山にはある。
 それを示すかのように、松山は初日、優勝候補らしい堅実なスタートを切った。難関の1番でアプローチをきっちり寄せて、「いいパーセーブが出来たおかげでリズム良く回れた」というように、4番ではグリーンエッジからパターで7mを決めて今大会初バーディーを奪うと、6番のパー3では右奥のピンに対し、ショートサイドにティーショットを運び、2つ目のバーディーとし、5番でのボギーをすぐに取り戻した。さらに前半最後の9番では、セカンドをピン奥に落としてスピンと傾斜で戻し、1.8mにオン。下りのパットも慎重に沈めて、フロントナインを2アンダーで折り返す。

 後半に入っても、プレーは安定していた。11番から3ホールの「アーメンコーナー」では、13番のバーディーで、さらに1つスコアを潜らせて、難なく乗り切った。惜しむらくは、上がりの17番と18番。17番では3パット、18番ではバンカーを渡り歩いて、連続ボギー。それでも、「最後の2ホールは、微妙なパーパットが入らなかっただけです」と、あまり気に留めない様子が頼もしい。トータル1アンダーの18位タイ発進には、「自分の感触がそんなに良くなくて、納得の行くものではないが、去年の初日に比べたら良いスタートが切れたと思います」と一定の満足感も漂った。
 とはいえ、2日目以降も同じ調子でいる訳にはいかない。まだ3日間あるとはいえ、首位とは7打差。もっとバーディーを積み重ねる事が至上命題だ。しかし、思いとは裏腹に、2日目のラウンドでスコアは中々縮まらなかった。2番で291ヤードのセカンドを3.5mに乗せ、今大会初イーグルを奪ったが、続く3番ではアプローチを寄せきれずボギーとし、7番では3パット。せっかくのイーグルも帳消しで、前半をイーブンで終える。
 後半に入ると、12番では、「あのバーディーが大きかった」という、8ヤードのアプローチでチップイン。続く13番でも3打目を2mに寄せて連続バーディーとし、15番でもほぼ2オンからバーディーと、波に乗ったかに見えた。

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だが17番では前日に続いてティーショットを右の林に打ち込み、刻んだ後のアプローチも寄らずボギー。この日は2つスコアを伸ばしたにとどまり、トータル3アンダーは12位タイ。順位こそ上がったが、トップとは11打差にまで広がってしまった。
「去年は予選落ちなのでそこを考えると良かったですが、内容は満足出来るものではない。もっと伸ばせたという気持ちはありますが、終わった結果です。明日から2日間あります。終わった事を後悔するより、明日から上手くいくように考えて過ごしたいです。しっかり差を縮められるように」
 ショットは決して悪くはない。課題はパッティングだった。初日、決められなかった5m以内のチャンスは5度あったが、この日も状況は似ていた。9番で4.5m、10番で2.7m、14番で3.3m。トップレベルでは、ショットにはあまり差がなく、勝負はパッティング次第と言われるが、これがまさに松山と上位のゴルフの違いとなって表れたと言える。
 3日目も、もどかしさは変わらなかった。3番で85ヤードのセカンドをバックスピンで1.5mに戻してバーディーとするも、4番では1.8mのパーパットが決まらず、7番でも2.7mをセーブできない。

直後の8番では、59ヤードのサードショットがグリーンの傾斜を絶妙に転がり、「上手くラインに乗ってくれた」ために、チップインイーグルとし、後半に入っても12番で3.5m、13番では2オンで連続バーディーとしたが、また、3日連続で終盤に躓いた。18番でティーショットを右の林に入れ、この日3つ目のボギー。

心に同居する
「満足感」と「不甲斐なさ」

「ショットはそんなに悪くないです。でもパッティングが今一つかなと。ストロークがいい時もあるんですけど、中々それが続かない。良い所は入ってくれているが、上手くいかない所で全然違う方向に行ったりする」
 言葉どおり、この日もパッティングは、松山の意のままとはいかなかった。10番で4.3m、11番で3.5mが決まらない。15、16番も、5mほどのチャンスをフイにした。2日連続の1イーグル、3バーディー、3ボギーでトータル5アンダーは、首位から11打差のまま。順位こそ10位タイだが、今の松山にとってこの内容では、消化不良は否めない。

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「やっぱり60台を出したいです。今のショットなら、良くないなりにもチャンスにつく。普通のパッティングがあれば60台は簡単に出せます。頑張るしかない。それしかないでしょう」
 勝利が遠のいた今、心に誓うのは、意外にもまだ一度しかオーガスタで達成していない60台。それも、一気に上位へと駆け上がるようなものでなければ気が済まない。自らに活を入れるような言葉で3日目を総括した松山は、最終日、見事に有言実行してみせる。
 ショットは次々とピン方向に向かいながら、アドレナリンが距離感を惑わせたのか、前半はグリーンをオーバーさせる場面が目立った。だが、7番まで耐えた事が、爆発に繋がった。8番で3打目を寄せてバーディーとすると、10番ではまさにピンに重なるセカンドで1m強につけ、11番では9mのロングパットを決めて、バーディーを重ねる。圧巻は13番。林の中からの207ヤードは、「打ちやすいライだった。前に木はあったけど、思った通りに打てた」と振り返るように、4.2mにつけるスーパーショット。下りの繊細なパットも綺麗に決め、今大会3つ目のイーグルで2桁アンダーにスコアを伸ばした。
 さらに、3日目までの計6ホール中、4オーバーを喫した上がりの17、18番にもしっかりリベンジしてみせた。17番で長いバーディーパットを残しながら2パットで収めると、18番では鈴なりのパトロンの前で3m強に寄せるショット。

下りのラインもきっちり読み切ってのバーディーフィニッシュに、拍手と歓声が中々鳴り止まない。
「60台は凄く嬉しい。昨年はメジャーでトップ10に入っていないので、そこは良かったです」
 1イーグル、4バーディーは、この日のベストスコアタイの66。MATSUYAMAの表示は、上から5番目まで上がっていた。しかし、喜びも束の間、まったく逆の思いも募る。 「勝てないと後悔は残る。嬉しい気持ちもありますけど、やっぱり優勝を目指してきているので、悔しい気持ちがあります。」
 松山の心に同居する、良いゴルフが出来た満足感と、それが3日目まで出来なかった事への不甲斐なさ。しかし、こういうプレーが3日、4日と続けられれば、という優勝への距離感を、今まで以上にはっきり認識できた事も事実。この経験は大きい。
「悔しさは今までより少ないが、まだまだ出来たという感覚もあります。1年後、ここに戻ってくるが、その時に今年以上のものを出せるように、しっかり作っていきたいと思います」
 いや、そう語る松山には申し訳ないが、1年後などと、もう悠長には待っていられない。残る今年3つのメジャーで、彼が今回以上のものを見せてくれることを、日本の誰もが確信してしまったのだから。

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スコアボード

HOLE
Par
ROUND4
ROUND3
ROUND2
ROUND1
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 T
4 5 4 3 4 3 4 5 4 4 4 3 5 4 5 3 4 4 72
4
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5
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5
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66
-6
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4
-3
5
-2
70
-2
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3
-3
5
-2
5
-1
71
-1

リーダーズボード

Pos Name
1 ジョーダン スピース
2T フィル ミケルソン
2T ジャスティン ローズ
4 ロリー マキロイ
5 松山 英樹
6T ポール ケイシー
6T イアン ポールター
6T ダスティン ジョンソン
9T ハンター メイハン
9T ザック ジョンソン
9T チャーリー ホフマン
Total Thru Round R1 R2 R3 R4 Strokes
-18 F -2 64 66 70 70 270
-14 F -3 70 68 67 69 274
-14 F -2 67 70 67 70 274
-12 F -6 71 71 68 66 276
-11 F -6 71 70 70 66 277
-9 F -4 69 68 74 68 279
-9 F -5 73 72 67 67 279
-9 F -3 70 67 73 69 279
-8 F -5 70 72 71 67 280
8 F -4 72 72 68 68 280
-8 F 2 67 68 71 74 280

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松山英樹は2014年1月よりLEXUSの所属となりました。

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