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2014.11.20 - 11.23

ダンロップフェニックス

スピースも舌を巻く「勝負師の本能」
プレーオフを制して通算6勝目

4番アイアンで240ヤードを20cmに
もう少しでアルバトロスの
超絶ショット

 やはりこの男は、何かを持っている。いや、運や星のようなもので語るのは失礼だろう。松山英樹の2014年日本凱旋2戦目、ダンロップフェニックス。我々は改めて、彼の底知れない実力と可能性を思い知らされた──。

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 前戦、中国・上海でのHSBCチャンピオンズ終了時、松山は自身のゴルフの状態を、「日本の試合でも予選を通れないような内容」と評していた。実際、インスタートとなった宮崎での初日も、先に来たのは14、15番の連続ボギー。だが、この言葉は杞憂に終わった。松山独特の自分に対する厳しさ故だったのか、それともオープンウィークを有意義なものに出来た表れか。終盤5ホールで4つのバーディーを奪い、上がってみれば3アンダー。初日計7つを数えたバーディーに、「今日くらい取れたら、ギャラリーの方も喜んでくれると思うんですけどね」と、素直に笑顔を見せた。
 新たに投入したドライバーも、「もう調整はいらない」と言うまで気に入る1本となった。この日、ドライビングディスタンスは293ヤードで2位、飛距離と方向性を指し示すトータルドライビングは12位タイを記録。一方のパッティングは計30で、「まだ、しっくりこない」と言うものの、首位に4打差の初日11位タイ発進は、充分以上の滑り出しだ。
 そして2日目、松山は一気にギヤを上げる。前半を2アンダーで折り返すと、バックナインはさらに加速。11番で長いパットを決めると、12番でも約7mを沈めて連続バーディー。「長い距離が入って流れに乗れた」と言う松山は、14番でもセカンドショットをピンハイ1mに寄せてバーディーを奪い、18番では圧巻のプレーで予選ラウンド2日間を締めくくる。

フェアウェイ真ん中から振り抜いた4番アイアンのショットは、240ヤード先のピンの右手前に落ちて左方向に転がり、アルバトロスまであと僅か20cm。そして、直後に打ったアメリカ期待の星、ジョーダン・スピースの90cmに付けるセカンドが、さらに松山の凄みを引き立てる。まさしく松山が世界レベルにあることを指し示す、スーパーショットの応酬。どよめきの大きさは、この大会4日間を通じて最大だったかもしれない。
 7打伸ばし、10アンダー単独首位。松山ははっきり、自身に与えられた責務を口にした。
「成績を出すのが一番の恩返し。それに向けて金曜日から入ってやってきている」
 1打差の2位タイで追うスピースの存在も、松山のモチベーションをさらに高める。
「向こうはちょっと体調が悪いみたいだけど、その中でこれだけスコアを伸ばしてくる。自分も相手を感心させるくらい、良いプレーが出来たらと思う」

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 迎えた3日目。「4つしかバーディーが取れなかった」と松山は不満をこぼしたが、それでもノーボギーの67は、この日のベストスコア。首位で出て、しっかり後続に差を付けてクラブハウスに戻ってきたのだから、優勝に向けて充分なラウンドだった。5番でこの日最初のバーディーを奪うと、7番でもきっちり2オン2パットでバーディー。「あのパーパットが凄く大きかった」と松山が振り返ったのは、後半出だしの10番。フェアウェイからのセカンドショットをグリーンに乗せられず、アプローチも2.5mショートしたが、初日に、「ストローク自体はしっかりしている」と語っていたパッティングが窮地を救う。14番では、左に曲がる下りの2.5mをきっちり沈めて、この時点で首位に立っていたスピースに13アンダーで並ぶと、最終18番では、アプローチが4mまでしか寄らなかったものの、ここでもパッティングが冴えてバーディーフィニッシュ。
「この試合に勝ちたいので、そのために2打差で終われたのは凄く大きい」
その2打差の12アンダーにいるのは、結局4日間一緒に回ることになったスピース。
「これからアメリカでもこういう戦いをしていきたい。その初めの一歩として、ジョーダンに負けないように。他の選手も上がってくると思うので、負けないように伸ばしたい」

「こんなに4日間集中して
ゴルフをしたことはない」

 しかし、優勝を義務付けられたホスト大会の重圧は大きい。松山が感じていた「勝たないとダメみたいな雰囲気」が、最終日のプレーに影を落とす。2番で、セカンドショットをほぼOKの位置まで寄せてバーディーを先行させたが、6番では2mのパーパットを外し、バーディーを計算したい7番でもボギー。続く8番でバウンスバックし、サンデーバックナインに入っての11番でも左に曲がる3mを沈めて、この日1アンダーに戻したが、後が続かない。短いパー4の13番では、グリーン手前のバンカーまでティーショットを運んだが、バンカーから寄せられず、チャンスにできない。逆に、15番ではグリーン右ラフからのアプローチでうまくヒット出来ず、ボールはグリーン上のマウンドを上り切らずにエッジまで戻ってボギー。続く16番でもグリーン手前のフェアウェイからアプローチを6mショートし、ボギーが止まらない。スコアボードを見れば、13アンダーで1打差の首位陥落。さらに、トップと「2打差になった事を知った」のは、17番でティーショットを4mにつけてグリーンに上がった時だった。

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直前に、18番でこの日のスコアを63とするバーディーを決めた東北福祉大の先輩、岩田寛が15アンダーでクラブハウスリーダーとなっていた。残すホールはこの17番と18番の2つのみ。
 しかし、「絶対にバーディーが必要だった」と振り返った、追い込まれた場面でこそ、松山の底力は際立つ。一緒に回るスピースが、「勝負師の本能を持っていて、勝つために何をしなければならないかを知っている」と感じたのも頷ける。左に切れる微妙なラインに打ち出したパッティングは、カップに蹴られるかと思われたが、逆にカップ左の壁は、松山のボールをきっちり食い止めた。1打差に戻すバーディーに、松山は何度も右の拳を振った。まさに勝負の1打だった。
 こうなれば、18番のバーディーは必定だ。ティーショットをフェアウェイど真ん中に運ぶと、231ヤードのセカンドも左奥のピンに対し、4番アイアンでショートサイドにつけるスーパーショット。イーグルこそ逃したものの、タップインでプレーオフを決める。
 続くプレーオフの18番ティーグラウンド。岩田が、「あ、なるほどねという感じ。いつもと顔が違った」と思った時点で、勝負はついていたのかもしれない。「一番お世話になっているというか、親しくしてくれる先輩なので、やりにくい」と思いつつ、「ちょっとでも隙を与えると絶対負けると思った。

態度が悪いと思われてもそれは仕方ないと思うし、それ位の気持ちがないと勝てなかった」と終了後語ったように、松山は心を鬼にした。結果的に、岩田のティーショットが右の林に吸い込まれた時点で勝負はあった。
「こんなに4日間集中してゴルフをした事はないですね」
 グリーンに乗せるのに6打を要した岩田に対し、それでも松山は最後まで気を抜かなかった。しっかりパーで締めて、PGAツアーを含めて通算6勝目。
「最近こんなに嬉しかった事はない。ホストプロで勝つというのが今週一番の目標だったので本当に良かった」
メジャーで凱歌を揚げる事を目指す松山にとって、この大会を勝つことは当然だったとも言える。
「外国人選手にぱっと来て勝たれると、日本の男子選手は何をしているんだと言われるかもしれない。日本人があまり勝っていない大会で勝てて良かった。次はメジャーで勝てるように頑張ります」
 この勝利を勢いにして、次に乗り込むのは、タイガー・ウッズが招いてくれたヒーローワールドチャレンジ。世界のエリート中のエリートを相手に、今年最後の戦いに臨む。松山の胸の内は今、楽しみで仕方ないという思いで一杯のはずだ。

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スコアボード

HOLE
Par
ROUND4
ROUND3
ROUND2
ROUND1
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 T
4 4 3 5 4 3 5 4 4 4 3 4 4 4 4 4 3 5 71
4
E
3
-1
3
-1
5
-1
4
-1
4
E
6
1
3
E
4
E
4
E
2
-1
4
-1
4
-1
4
-1
5
E
5
1
2
E
4
-1
70
-1
4
E
4
E
3
E
5
E
3
-1
3
-1
4
-2
4
-2
4
-2
4
-2
3
-2
4
-2
4
-2
3
-3
4
-3
4
-3
3
-3
4
-4
67
-4
4
E
4
E
3
E
4
-1
3
-2
3
-2
4
-3
4
-3
5
-2
4
-2
2
-3
3
-4
4
-4
3
-5
4
-5
4
-5
3
-5
3
-7
64
-7
3
-1
5
E
3
E
5
E
3
-1
2
-2
6
-3
3
-2
5
-3
4
-3
3
-3
4
-3
4
-3
3
-2
3
-1
5
-2
2
-3
5
-3
68
3

プレーオフ

優勝者 NO 1
HOLE 18
PAR 5
松山 英樹 5
  岩田 寛 --

リーダーズボード

Pos Name
1 松山 英樹
2 岩田 寛
3T ジョーダン スピース
3T ブレンダン ジョーンズ
5 許 仁会
6T 武藤 俊憲
6T 宮里 優作
8 クリス ストラウド
9T 片山 晋呉
9T 高山 忠洋
Total Thru Round R1 R2 R3 R4 Strokes
-15 F -1 68 64 67 70 269
-15 F -8 68 69 69 63 269
-14 F -2 69 64 68 69 270
-14 F -3 65 69 68 68 270
-12 F -2 67 66 70 69 272
-11 F -3 68 69 68 68 273
-11 F -7 68 72 69 64 273
-10 F -5 67 70 71 66 274
-8 F -4 70 66 73 67 276
-8 F -5 74 66 70 66 276

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松山英樹は2014年1月よりLEXUSの所属となりました。

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